エクストラ「spioen」 その3
拠点に戻ると徴兵した奴等が有象無象に蔓延っている。確か手立てだと今回の兵士は百五十人、使い捨てのゴミだが時間稼ぎにはなるだろう。
「お前等、よく聞け・・・ここにいない奴等には後で通信機で説明しておく」
近未来都市の情報が集まる近未来開発区にあるデータ保管室から拝借してクラフトが創り出した携帯用通信機は一度使ったら壊れる仕様の為、集まった人同士で共有しなければ作戦の支障に出る。
と言っても本来の目的は俺とクラフト以外伝えるつもりはない、奴等はスラム街や地星にある賭博に負けた者、闇星にいる使えそうな物を引っ張ってきたからどう扱おうが俺の勝手だ。
奴等は素寒貧で金に飢えて欲望剥き出しの薬中の集まりのロクでもない思想だ、恐らく俺の命令なんて右から左に流れているだろうから軽んじても何も感じないな。
人の命なんざただの消耗品と変わらん、ガキの頃から学んだ一つだ。
人は消耗品だが命は空気のように軽い、金と実力さえあれば死ぬ事は減る、死んでもどうせ灰になる。
俺は戦い、自身を人体実験の糧にして命を燃やす、だがそれだと精神の限界も来る、そんな効率の悪い人間だから趣味や娯楽を探す。
少し和らげればそれで良い、いつ死んでもいいように生きて殺し、命を実験の為に費やし死ぬ事を望む。
そんなんでいい、ユイには怒られると思うが同じ事を吹き込んだ筈だがいつの間にか“人の本当の姿”に近付いている。
何回も嘘を重ねてユイの生命を試そうと切り離したが生きてる中で一番楽しそうだ。
それでいい、ユイは俺と違って優しくて可愛い甘えん坊だ。あんな奴が妹なんて驚かれると兄として誇らしいな。
「情報は以上だ、質問は受け付けない、ユイの関連するモノに手を出さなければ報酬がデカい、手を出した者から死んでもらうから後は合図が出るまで好きにしろ」
与太話はそこまでにして少し改変した情報を伝えてクラフトと共に拠点を後にする。
「クラフト、あの拠点はいつ爆発する?」
俺の質問にクラフトは設置してある爆弾のリモコンを見ると丁度襲撃してる時みたいだ。
「リーダー、いいのか?」
「ああ、所詮は使い捨てのゴミだ、死んでも文句は無いだろう」
それに奴等には最終手段がある。
「彼奴等の脳内に爆発するチップが入って最悪人間爆弾か、悍ましいことをするな?」
「どうせ俺の命令なんか朧気に覚えるだろからな、なら最後は役に立てということだな」
表情一つ変えずに爆弾の内容をスラスラ言うと少し引かれた。
「全く、リーダーって人は」
お説教される予感が的中し、速やかに立ち去ると少し不機嫌ながらも俺に追いつこうと動かす足が早くなった。




