3.お出かけ1
朝、目が覚めたら、8時を回っていた。
「おはよう。」
ぼんやりする頭で声をかけたら、
「あ、たっくん、やっと起きたー。みんなご飯食べちゃったよ。」
と、りっちゃんに言われて愕然とした。
「私は準備してくるけど、そこにあるオムレツあっためて食べな。」
と、ナナちゃんが言ってくれたから、急いで温めて食べた。ちょうど食べ終わった頃、
「みんな、行ける?」
と、声がかかって、みんな出て来た。慌てて部屋にカバンを取りに行って出発だ。僕より年下に見えるナナちゃんが運転している光景はなんだか違和感があったけど、よく見たら、隣で信号待ちをしている車もよく似たようなものだった。これだと、大人が平常通り家族を乗せているのだろうけど、子どもが遊び半分に運転しているように見えてしまう。僕は、だんだんこの状況が面白くなって来た。昨日の午前中の、年上の人の若い姿を見られるワクワクが半日ぐらいで過ぎ去ってしまったら、夕方からは、周りの小さくなった大人は見慣れた景色の一部になっていた。その頃から、この事態で生じた、不便な点ばかりが目につくようになっていた僕は、少し新鮮な気分だ。そうこうしているうちに、いつの間にか、車はもう、ショッピングモールの駐車場にいた。
「わー、着いたー。」
と、りっちゃんが相変わらずノリノリで言った。
「あ、まって。車が来るから気をつけなさいよ。」
と、ナナちゃんが言いながら追いかけて行く。マーくんは、呆れつつも、車の鍵を確認して、ゆっくり向かう。




