暗闇にに堕ちた気持ち
俺の頭に後悔の念と、清水への思いが激しく渦を巻いていた
「清水‼おい‼清水‼」
音も光もない空間でただ俺は清水の名を叫んでいた。
叫んでいたといっても俺の声は俺にも聞こえない、清水がこの先で戦っているのかもわからない
ただ俺はそこに清水がいるとそんな気がするだけだった
「俺に力があれば…くそぉ‼開けよ‼俺をこの空間の中から解放してくれよ‼」
変化はない。
思えば変な話だ。出会って間もない俺がここまで清水に執着するのは。
最初は疑心しか抱いていなかったなのに、たった数日で打ち解けあっていた。
はたして、俺は本当に清水と出会うのは初めてなんだろうか。
そう思えた。そんな能力があいつにあった
だからからかもしれない。
俺がこんなにあいつにこだわるのは
たぶん、大上兄妹やハカセ、中川だってあいつがこういう人間だからついてきたんだろう。
世界がどうなろうと知ったことじゃない。ただ、あいつだけは死なせちゃいけないと。そう思っているのだろう
俺だってそうだ、あいつが死ぬくらいなら俺が代わりに死んでもいい。
そう思っていたのに、あの時、俺はあいつの力になれなかった。
神の前で恐怖してしまった。
あの戦場、清水と初めて出会ったあの戦場のことを思い出し実はビビッていた。
銃を撃つ時だって震えていた。だから外した。
俺にもっと勇気があったならあの震えを止められただろう。
そうやって俺は自分を追い詰め、そして、暗闇が晴れたころ、そこに清水はいなかった。
暗闇が晴れたとき、真っ先に大上がやってきた
殴られるのだろうと思った。下手すると殺されると、でもそれもいいかもしれないと思った。
俺はもうあいつの代わりに生きていようだなんて思えない。
「帰るぞ、基地にはいろんなものが置いてある。清水さんに代わって俺が指揮を執る」
意外だった。
大上は冷静だった。
みんなぞろぞろと大上に続いた。
「神道さん、いかなきゃおいてかれますよ?」
最後に雫さんが声をかけてくれた
「大上は…お兄さんはなんであんななのかな…」
「それは、私にもわかりません。でも、清水さんがいないからって、仮に死んでしまったとしても私たちがここで立ち止まることを望まないと思います」
「あいつなら…そういうでしょうね…」
「兄は…お兄ちゃんはきっと清水さんのそういうところに惹かれたんだと思います。お兄ちゃん昔から自分の命は使い捨てられるものって思ってたから、初めて清水さんに会った時、私たち兄妹は死ぬところだったんです。死を覚悟するところだったんです。その時、清水さんが私たちに激を飛ばして「なにやってる‼まだ死ぬんじゃない‼」っていってきたんです。」
「俺の時と同じだ…俺も自害しようと思ってた時に、清水が…」
「清水さんは無作為に隊員を集めたんじゃないんです。一人で生きていけない、もしくは最後まで生きる希望を持たない弱い心の持ち主を勧誘してたんです。」
「じゃあ教授は!?あいつは敵だった!あいつも弱いのか?」
「教授さんは…清水さんのお父さんです。」
「嘘…だろ」
「嘘じゃないです。だからお兄ちゃんは悲しむことなく、生きている可能性に賭けているんです。父親が、自分の子供を殺す真似は戸惑うだろうと推測して、だから進むんです。私も中川さんもお兄ちゃんも。神道さんも立ち止まってちゃダメです。ここで立ち止まったら、清水さんを裏切ることになると思いませんか?」
雫さんは正論しか言っていない。
でも俺はそんな簡単に気持ちを切り替えられなかった。
清水が残した意志は俺にはまだ理解できない。
でも、ここにいても何も変わらに事だけは確か、俺は重たい腰を上げ大上の後を追った。
でも、顔だけは上がらなかった。これから戻る基地は、きっとピカソの描いたゲルニカのような地獄絵図なのだろう。
かかわりが少ないとはいえ、帰るべき場所にいる人が死んでいるというのはいやだった。
そして、基地に近づくにつれて足が徐々に重く感じた
どうも、鈴仙Rです。
今回は更新が遅れてしまったことをまずお詫びしたいと思います。
個人的事情により暫く執筆することができなかったというのが理由です。
ですが、気持ちもだいぶ晴れましたので、次の話は今までより早く更新する予定です。
さて今回は世界観について説明しようと思います。
この作品の舞台は今よりも未来で、化学がかなり進歩した世界です。
神の出現により、化学の進歩は止まり、テレビやラジオ等はまるで使い物になりません。
なお、この戦争により、使い物にならないビルは取り除かれ、住宅街は無人となり一般人は地下シェルターや、月にある月面基地に一時避難しています。
といった感じでしょうか、ちなみに地下シェルターには学校はありませんが月面基地には一時的に講座が開かれます。
余談ですが、バイト先でサラダバーからサイドメニューに昇格しました。
それにしても包丁怖いです
では、また次回お会いしましょう