オオキミ内情
ちるのニュー外見。
身長171、体重28kg。すらっとしたシルエット。顔はこの国の標準美人。
マジで無駄な機能が一切ないシンプルな仕上がり。
僕は今までと同じように数日通い詰めた。しかし、仕事が多く終わったころには閉店だった。そういう日が一日あった。次の日は何を言われるか不安で仕方がなかった。なんなら他の客の方にとられちゃっているのではないかと疑問にも思った。なにせあんなにもすばらしい美声の持ち主なのだから。
当日、ちるに変わった様子はなかった。強いて言うなら御金をせびられたくらいだろうか。まぁ安いものだ。それで彼女が一歩踏み出せるなら本望。
~回想おわり~(視点はそのまま)
ちるさんは着ぐるみを買えたのだろうか。そうなのだとしたら最高速で見たい。そんな気持ちとともに僕の足は前へ前へと出ていた。そして扉を開ける。
「ちるさんで!!!」
そう無礼な物言いで宣言する。
私の耳が形を変えるまでの美声を立てながら背の高い女性が近づいてくる。
この声は、"ちる"だ。絶対に。聞き間違えるわけがない。しかしあまりの変わりようから、僕の心の声はそのまま出てしまった。
「これが人型のちるさん…慣れなさそうだ。」
ちるは甘い言葉を僕にかける。それも色っぽく。…やはりいい声だ。美声に酔いしれながら言われたことを思い出す。
言いたいことがある。恥ずかしい?まさかこれは愛の告白の返答!!??
僕はその指示に従い酒を注文し、それを飲み干す。
酔っていないから酔うまで飲もうか…そんな考えが頭によぎる。
そして今、自分の欲望とちるへの申し訳なさが拮抗する。
までもなく、僕の欲望は圧勝した。
意識は全然残っているが、酔っているという風にふるまっておこう。記憶に残らないと辛いからな。
そして彼女の声を聞く。途端僕は複雑な感情になった。もちろん好きと言われたことはこの上なくうれしい。しかし新しい着ぐるみの方は、そう思ううべきではないことくらい承知しているのだが、前の方が断然好きだ。そっちのほうがかわいい。
でも好きの方が上なんだけど。
次にまた言葉が発せられる。失望?するわけないだろう?
読んでいただきありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
回想という苦肉策がとうとう終わりを告げました。このまま頑張って引き伸ばします!
ギャグのやり方をどなたか…




