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14魔法が使えるもの

アルスレット様が驚く勢いでかけよってきた。

「大丈夫か?」

「ええ。アルスレット様が守ってくださったのですか?」

「ああ、間に合って良かった。」

「申し訳ございません。団の不和によりこのような面倒を、、、おこしてしまい。」騎士団長は、ひざを折り、頭を垂れた。

「軍規に照らし、今回の当人たちに罰則を」

「はい。ただちに。」


「レティーシア、ちょっと来い」

私は、急に手を引っ張られ、騎士団の控室に連れ込まれた。ど、どうしたんだろう。


「手を見せろ」

私は、両手を差し出し手のひらを見せた。

「そうではない。反対だ。」

アルスレット様は手をつかみ甲をまぢまぢとと見た。

「君は、魔法が使えるのか。」

「魔法ですか?いえ、使えません。」

「洗礼式では、どうだった?」

「えっと、田舎では洗礼式はおこないません。」

「そうだったな。」


アルスレット様の話は、こうだ。

この世界は、男神キースによって作られた。男神キースは、人間の女性と家族になり、子をもうけた。その子供の子孫が、この国の王を引き継いでいる。その子は、神の力をわずかながら引き継いだ。それが魔法の始まりらしい。だから、魔法の力は王族になればなるほど、強い。長い歴史の中で、神の力は、代を経るごとに弱くなったが、それは、周辺貴族へと広がっていった。つまり、王族に血がちかいほど魔力は強く、平民は、ほとんど魔法が使えないのもそれが理由だ。たまに平民に魔法が使えるものが居ても、それは、貴族のご落胤とか先祖返りとか言われるらしい。

そして、貴族では、ある程度、魔力を持って生まれるので、洗礼式で、魔法の才華を問う儀式を行うらしい。平民はほとんどしない。そりゃそうだ、平民が魔法を発揮すれば、貴族とのかかわりがあると証明するようなもので、厄介ごとにしかならない。


「それと私の手になんの関係が・・」

アルスレット様は、ご自分の白い手袋を外した。すると手の甲に文様が薄く浮かび上がっている。

「これが、魔法を使えるものの証だ。この文様が大きく繊細なほど、魔力の力が優れている。そして、魔法を使うと浮かび上がってきて、また消える。」


私は、動揺した。その文様は、私の胸にあるものと同じだったからだ。

でも、はっきりせねばならない。

「そ、それは、手に現れるものなのですか?」

「ああ、手の甲に現れる。文様の大きさなどを見れば強さはすぐわかる。だから、魔法を使うものは、その時だけは手袋をする決まりだ。」

「でも、私は手に文様はありません。その文様は、普段は、消えているものなのですか?」

「ああ。しかし、先ほどの攻撃魔法を受けた時、君の体が光輝いた、それは、魔法の発動と似ている。もしかすると、君は魔法の力を持っているのかもしれんな。まだ、確証はないが、、、。文様が手にあったならば、間違いないはずなのだが。しかし、訓練もせずに魔法も使えるわけがあるまいし、魔力があったとして、文様がすぐ浮かぶわくけもあるまい。とりあえず、持ち越しだな。」


私は、混乱した。手の文様が胸にある。でも浮かび上がったり、消えたりはしない。薄いけど、ずっと胸に刻まれている。


「アルスレット様。その文様に意味はあるのですか?」

「これは、王族の文様だ。古くは、男神キースの文様だったと言われている。」

「で、では、貴族の力のあるものは、皆、王族の文様を持っているということですか?」

「文様は、魔力に比例する。正確には、ほとんどの者が欠けた文様を持っているという意味だ。完成された文様を持つ者は、直系王族でも数世代に一人だ」


どういうことだろう。私は王族にゆかりのあるものなのだろうか?私の文様は欠けてない気がする。


私が、あまりに不安顔で思案していたのだろう。

「どうかしたのか?君は、魔法が好きなのだろう。もしかすると、君にも魔法が使えるチャンスがあるのかもしれないぞ。」

私は、顔をあげて、作り笑顔で

「ええ、楽しみです。」

と答えた。そのあとのことは、覚えていない。


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