11話 逆再生
机の上には、ミライのペンケースがある
その中には
カッターナイフも入っている
「え?ちょっとツバサ君?」
カッターを手にしたツバサにミライは焦ったように声をかける
「…」
カチカチカチ
先から刃が飛び出す
ツバサはそれをじっと見ている
「ちょっとちょっとツバサ君、怪我するのは無しなんでしょう?」
ひきつる笑顔でそう言うミライにツバサは答える
「ふふ、さっきは園田さんがペン刺そうとしてたのに、僕が自分で傷つけようとすると止めるんだ?」
「それは、だって」
モゴモゴと言いよどむミライにツバサは小さく笑いを漏らす
「大丈夫だよ、僕、園田さん信じてるし」
「えっ」
シャッ
ポタ
ポタ
言うやいなやツバサは手の甲にカッターの刃を滑らせる。
赤い雫がノートに落ちる。
「あ、」
ポタ
ポタ
なおも雫が落ちる
「見て、園田さん」
ツバサの言葉に、傷口を凝視すると
血が止まり、まるで逆再生のように傷口が治り始めた。
5秒後、そこには何事も無かったような綺麗な肌があるだけだった。
「うわ、きもっ」
思わずつぶやいたミライの言葉に、ツバサは苦笑する
「ひどいよ園田さん」
「いや、ごめんね、ちょっとリアルで見ちゃうとさ」
「いや、まあ僕自身もちょっと思うところはあるし、、良いけどね」
中身が元日本人の二人にはこの光景は結構衝撃だったのだ
血のついたノートを破りクシャクシャにした紙をゴミ箱に投げ入れる
「ナイスシュート」
ツバサが笑ってそう言う。
「えへへ、よし、それじゃ確認も済んだし次に、進めても?」
「うん、大丈夫だよ。」
「じゃあこれから、少し私の意見、と言うか考えを話すね。まず、明日からは私達特別クラスに行くわけだけど、ツバサ君は一応その回復力のチートがあるからなんとか大丈夫だと思う。」
「うん」
「でも不死身じゃ無いから無理はしないでね」
「え?そうなの?」
「うん、確か人工精霊には核があって、それを破壊されたら流石に即死だよ。」
「え?それってどこにあるの?」
「…ごめんアニメではそう言う話出てきてないんだ。一応核の話はふんわりあったんだけど、まずアニメのツバサってクソチート野郎だったからほとんど怪我しないし、怪我してもすぐに治るくらいの怪我しかしてなかったんだよね」
「クソチート野郎…」
「いや、そこに反応されるとわりと困る。
でね、まず戦闘もほとんどしないんだよね、ツバサって。」
「ええ?主人公なのに?」
「ハーレムメンバーがさっさと敵倒しちゃうからね。」
「あぁ、それで…」
遠い目になったツバサを尻目に続ける
「後はライバルキャラ達も結構敵バンバン倒しちゃって、ツバサはほとんど最後のいいとこ取りみたいな感じなんだよー。」
「へー」
「だからこそ!ハーレムが必要なのです!」
ビシリと指を突きつけるとツバサは真っ白になっている
「いやー無理じゃないかな?早速詰んでるよねこれ」




