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久しぶりの再会

 今更ながら新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 本当に……本当にお待たせしました。更新再開します。

 引き続き本作に応援をお願いいたします。



 一週間後、伊達さんから連絡が来た。

 予定通り宇都宮ダンジョンということで、送られてきたチケットで新幹線に乗った。


 どうやってダンジョンまで行こうかと思ったけど、ホームを出たらタクシーまで手配されていた。

 本当に至れり尽くせりだな。

 

 宇都宮は風はすこし東京よりひんやりしているけれど天気は良い。

 ダンジョンの中で戦う時には天気なんて関係ないけれど……雨が降っていると何となく気が滅入るし、晴れている方が何となく縁起は良い気がする。


 檜村さんは遠くを見るようにタクシーの窓の外に目をやっていた。

 緊張しているのが隣の座っているだけで伝わってくる。


 このダンジョンが攻略できれば、檜村さんの三位昇格の要件を満たすはずだ。

 少なくとも、そうすればあのうるさい涛早を黙らせられるはずだ。

 どう考えても2位昇格を目指しますってタイプじゃないだろうし……というか動画を思い出すとまた微妙に腹が立ってきたな。


 タクシーが送ってくれた場所は大きめの駐車場だった。

 遠くにはショッピングモールらしき大きめの建物が見える。


「久しぶりですね、片岡君。檜村さんは初めましてですね。伊達睦美です」


 タクシーを降りたら、すぐに伊達さんが歩み寄ってきて挨拶してくれた。

 相変わらずスーツ姿が似合っている。


「お久しぶりです」

「はじめまして……今日はよろしくお願いします」

「皆さん!今日はゲストを迎えての戦いです。高校生乙類4位の片岡君と丙類4位の魔法使い、檜村さんです」


 伊達さんが言うと周りから拍手が上がった。

 前に仙台で戦った時の見覚えのある顔も結構いるな。


 駐車場の真ん中には人だかりができている。

 人垣の間から、ダンジョンの入り口らしき四角いキューブのようなものが見えた。

 ああいうのを見ると、今から戦うんだなって感じで気分が高揚する。

  

 駐車場には、緑色のチームカラーに染められた何台もの車と、テレビ局らしき車何台も止まっている。

 漆師葉さんはテレビ局らしき人たちのインタビューに答えているのが見えた。


 少し離れたところには宇都宮市役所と描かれた白いテントが貼られていてそこにも何人もの人がいた。

 なんか思った以上に大がかりだな。なんとなく富山のダンジョン討伐の時を思い出す。

 

 事前に聞いた話だと、なんでも最近は宇都宮では行方不明者が何人か出ているらしい。

 そして、その人たちの足取りがこのダンジョンで消えている、ということなんだそうだ。

 これだけ大掛かりになっているのはそれが理由なのかもしれない。


 

「そういえば人数、増えましたね」

「最近は防御、支援系、索敵の能力持ちを優先して雇用しています。

攻略まで待機しなくてはいけないサポートチームにとっては防御が硬く時間を稼げる能力は必須ですからね」


 伊達さんが満足げに言う。 

 なんかそういう話を聞くと本格的な会社って感じがするな


 よく見るとでかいキャンピングカーのような車とかも増えてるし、撮影スタッフらしき人たちもいたりする。

 揃いの緑のロングコートを着ている人も明らかに増えた。


「幸いにもその手の能力を持っている人はあまりパーティに入っていませんからね。いい人材が集まってきていますよ」


 伊達さんが嬉しそうに言う。

 報酬や功績点が山分けの現状だと、人数が増えればその分取り分が減ってしまう。

 そんなわけで、支援系の能力持ちはパーティから敬遠されがちだ。


 伊勢田さんの相棒である七瀬さんや藤村のように、防御系の能力持ちはいてくれるととても助かるのは間違いない。

 サポートチームはどうしても持久戦をしなくてはいけない。普通の時もそうだけど、そういう時にはいてくれると助かるだろうな。



「やあ、久しぶりだね」 


 声を掛けてきてくれたのは久しぶりの四宮さんだった。

 スーツ姿の緑のネクタイ、襟にはギルドのバッジをつけていた。今日は戦わないのかな。

 

「今日は俺は出番なしだ。今は前衛部隊の隊長職でね。会社で言うなら部長ってところだな。出世したってわけさ」

「今日のアタックチームの前衛は俺だぜ、片岡。よろしくな」


 そういって四宮さんを押しのけるように出てきたのは国分さんだ。 

 確か前はサポートチームの前衛をやっていてくれた人だな。デカいハンマーをぶん回してた覚えがある。


 前にあった時もかなりごつかったけど、それよりも体格が一回り大きくなったように感じた。

 国分さんがずいと手を差し出してくる。

 

 握手すると強い力で握られた。でも、前みたいな敵意のある感じじゃなくて力比べって感じだ。

 岩のように硬い大きな手を強めに握り返すと、親し気に笑いかけてくれた。


「俺も出世したってわけよ、ついに乙の五位だぜ」

「とはいってもだね、国分君、君は昇格直後だろう……無茶はするなよ、若人よ」

「うっせぇな。オッサンは後ろでのんびりお茶でも飲んでろや」 

 

 四宮さんが言って国分さんが言い返す。

 それぞれ言葉はきついけど、雰囲気は良いな。


「今年に春から正社員としてここで働いてるんだ。よろしく頼むぜ」

「当然あたしもアタックチームよ。片岡。腕はなまってないでしょうね」


 インタビューに答えていた漆師葉さんが声をかけてきた。

 今日もおなじみの金色の縦ロール風に巻いた髪、黒い軍服風のコートにミニスカートの長めのニーソックスだ。

 

 この格好は冬は寒く見えたけど、この季節では少し暑いんじゃないか、と思ったりもする。 

 でも汗一つかいてないな。


「ダンジョンマスターとやる時は俺がガンガン前に出るからよ、ちょい後ろから援護を頼むわ」

「任せたわよ、国分」

「おお、ばっちり俺に任せとけや」


 親し気に漆師葉さんと国分さんが言葉を交わす。漆師葉さんのほうが年下なんだけど口調が偉そうだ。

 国分さんは気にしてないようだけど。なんとなく雰囲気の良さが漂っているな。


 僕と国分さんの二人で前衛、中衛が漆師葉さん。檜村さんが後衛か。

 前衛が厚いのは正直言ってありがたい。正直言って連携には慣れてないから気を付けないといけない。

 

「そして、檜村さん。動画で魔法の威力は見せてもらったわ」

「頼りにしてますよ、丙4位。よろしくお願いします」


 国分さんと漆師葉さんが笑顔で檜村さんに会釈する。


「こちらこそ、よろしくお願いします……今回は私のために……」


 檜村さんが言いにくそうに口をひらくけど、漆師葉さんが言葉を制するように檜村さんの唇に指を当てた。


「そういうことは言いっこなしよ、檜村さん」

「そうですよ。俺たちとしてもこれはいい稼ぎですからね」


 国分さんが漆師葉さんが言って檜村さんが安心したように息を吐いた。

 横にいても少し緊張が和らいだ気がするな。



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