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2-4-4

「猫? どんな子?」

「いや、あいつは俺が探さないといけないんだ。だから手伝いはいらない。気持ちだけ受け取っておくよ」

「そう、アタシじゃ力になれないのね」

「そういうことだな」


 やっと諦めをつけてくれたか、とノゾミは胸をなで下ろした。だが、彼女はそれが不満だったようだ。

「ちょっと、そこは『そんなことないよ』って言って、一緒に探すパターンになるところでしょ!」

「パターン……?」

 どうやら、彼女はどうしてもノゾミの力になりたいらしい。そんなに人助けが好きなのだろうか。


「お前は、何で――」

「ショウでいいわ」

「その……ショウは、何で、初対面の奴にそこまでしたいって思えるんだ?」

「言ったでしょ、アタシは世界中の皆を幸せにするの。目の前の少年ひとり助けられないで、世界の幸せとか言ってられないわ」

 困ったことになってしまった。ここで適当に猫を探してくれなんて言ったら、本当に見つかるまで探し続けてしまうだろう。ショウはかなりしぶとそうに見えたから。


 だが、ショウがミコトを探すのもどだい無理な話だ。

「ほんとに、大丈夫だから。これはどうしても俺一人でやりたいんだ」

「そう、そこまで言うなら、アタシもこれ以上は干渉しないけど……」


 ようやくショウを説得できたようだ。これで集中してミコトを探しに行ける。

 早く死ぬために。早く、この世界に別れを告げるために。


「それじゃ、アタシはもう行くわね」

 ショウはおもむろに立ち上がった。

「どこかに行く予定があったのか?」

「ええ、駅前でごみ拾いのボランティアをしに行くの。それまでちょっと時間が空いてたから」

「ボランティア?」


 ボランティアなんて、ノゾミからはかけ離れすぎている存在だ。その言葉を聞くたびに、なぜそんな面倒なことを好んでやる人がいるのか分からなくなる。

「そう、ボランティア。人の役に立てるのって、素敵なことじゃない。アンタも来る?」


 やはり、ショウはノゾミとは対極の位置に居るようだ。

「遠慮しておく。久し振りに外に出たから、休みたいんだ」

「分かったわ。それじゃあね」

 ショウは下駄をカラン、コロン、と鳴らしながら去っていく。その音はショウの姿が見えなくなっても尚、ノゾミの耳に響いてきた。

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