第15話 ~泣き虫舞華と金髪灼眼~
戦闘が終わり、別れと再会が待っています。あ、後、編集してSSも付け加えています。良かったらどうぞ。
純粋の乙女しか使えないという聖花の聖剣を用いて佐夜(女)と舞華は幽霊となってまで提供者と戦うと言った聖花と共に『深い闇からの卒業』を放ち、遂に元凶のノーンを撃ち果たした。
「舞華、終わったな……」
「ええ、終わったわ……」
上空でノーンと一緒にグラデュエーション砲(仮)を喰らってそのまま成仏している男性ヒーロー達を見上げながら佐夜と舞華は呟く。
(これでもう……本当に思い残す事は無いわ……)
「っ、聖花!」
その2人の後ろで呟きながら成仏しかけている聖花に気付いた舞華が後ろを振り向く(ついでに佐夜も)。
(ふふ、何て顔をしているの舞華。そんな泣きそうになって)
「だってぇ……っ」
つい先ほど聖花が死ぬ時に別れは済ませた筈なのだが、今度は成仏。現状の死んで魂の状態ならまだお話くらいは出来るのだが成仏するという事はつまり、この世から完全にいなくなり絶対的な別れになるからだ。
また泣きじゃくる舞華を聖花は抱き寄せ舞華の背中をポンポンと叩き、
(舞華、貴女はもう一人じゃないから大丈夫よ。そこの娘(佐夜の事)がいるし、他にも向こうに頼りになりそうな男の人達が貴女を見守っているし)
「それでも……それでも悲しすぎるよっ」
(あーもぅ。ホント、泣き虫な所は治らないね貴女は)
一向に泣き止まない舞華に苦笑する聖花。その舞華の横にいる佐夜はこの時点で聖花以外の幽霊達は皆、光となって天に昇って行くのが見えている。既に成仏したのだろう。残りは聖花だけだ。
(ほら、もう泣くのは止めて前を向いて。じゃないと私、安心して逝けないわ)
「うぅ~~。(ずびびぃー)」
どこから出したのかティッシュで舞華の鼻をチーンってする聖花に、それを見ていた佐夜も同じ事を思ったが、ここで口に出して2人の邪魔をするのは良くないと思い黙って見ていた。
(舞華)
「……うん。もう大丈夫」
そう言ってゆっくり聖花から離れる舞華。そして2、3歩後ろに下がり、
「今までありがとう聖花。私、みんなの事、もう絶対忘れないから!」
涙で顔を晴らしながらも無理矢理笑顔で送り出す。
(うん。私……私達も舞華の事忘れないからね。大好きよ)
「私も……私だって……っ」
聖花から最後に好きと言われて舞華が再び感極まって泣きそうになるが堪えた。
(……じゃあ今度こそバイバイ。私の一番大切な友達────)
「~~~っ」
そして半透明だった聖花の身体が足先から光となって消えていったものが遂に顔まで到達し、今度こそ聖花は成仏した。みんながいなくなった事で堪えていた涙を我慢する事が出来なくなり、舞華は声を押し殺して泣いた。
「舞華、泣きたい時は泣いた方がいい。じゃないといつか、泣きたい時に泣けずに心が壊れるって言ってた」
そんな舞華を佐夜は舞華の正面に周り優しく抱きしめて慰めた。ちなみにその言葉は以前アイナに言われた言葉で、密かにイングにも同じように抱きしめて慰めた事がある佐夜なのだがこれは誰にも言えない。
「う……うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ──────っ!! 佐夜ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~っっ!!」
「……はいはい」
佐夜の胸元でわんわん泣く舞華の涙で佐夜の胸元がびしょ濡れになり、Eカップの胸が透けて見えるのだが、そんな事、女の子初心者の佐夜が気付くはずがない。
※:性転換した後、大きくなった胸がキツイという事で戦闘用に改造したブレザーの上着を脱いでいる為、白シャツが透けています。
そしてようやく舞華が落ち着いてきた頃になってヴァン達が合流する。
「終わったか?」
「え、ええ……ちゃんと決着は着けたわ」
ヴァンの言葉に顔を泣き腫らしたのに気付いた舞華が顔を隠して答える。
「つか何とか勝ったのは良いけどよ。見ててハラハラしたぞ。いつ死んでもおかしくなかった感じだっただろ奴の攻撃。もし本当に死んだらどうするつもりだったんだ?」
「どうもしないも、俺は最初から勝てると思ったから金(禁)の誓約を掛けたんだが?」
正義のジト目にしれっと答えるヴァン。
「例え仮に俺が奴を処分してもよかったが、それじゃあこの場に死んで漂っていたヒーロー亡霊達が満足せず成仏出来ない可能性があったから同じ被害者である舞華に任せたんだ。そりゃあ正義の言う通りヤバくなる事も承知していたが、劣勢になれば必ず亡霊達が力になるって信じてたからな」
「信じてたって、確信じゃないのかよ……」
更に続けて言うヴァンに佐夜の頬が引き攣る。
「ん? ウホッ!?」
すると一緒に来たベリアルが佐夜を見てゴリラみたいな声を上げる。その視線は佐夜の顔ではなく、
「さ、さささ佐夜。む、胸がす、透け……(鼻血)」
ベリアルに続き佐夜の胸を見たやすしが鼻を押さえ、2人して佐夜の透けた胸をガン見する。
「っ!? み、見るなボケ!!」
ブスリ!!×2
「「ぎゃあああああああああっ!?」」
そこでようやく自分の胸が舞華の涙で透けている事に気付いた佐夜が顔を真っ赤にしてやすしとベリアルにダブルピースで2人の目を潰す。
「め、目がー! 目がぁぁぁー!?」
「あ、愛が……EYE(目)が痛いーっ!?」
恥ずかしがった為、手加減せずに全力で目潰しした為、某・ラッキースケベ後の対処よりもダメージがデカい故、2人共目から血が出ている。いささかやりすぎ。
ちなみにヴァンと正義は合流した時から気付いていた為、佐夜と話す時はさり気に視線を外している。以外に紳士なのだが出来ればベリアルとやすしが気付く前に佐夜に言うべきだったので今、別の惨劇がここに生まれた。
「と、とりあえず佐夜、これを羽織っとけ」
「え、あ、ああ。さんきゅ……」
ヴァンが『次元収納』と呼ばれる空間に手を突っ込み、大きめの上着を佐夜に渡し、女の子としての羞恥心からなのか未だに顔を真っ赤にした佐夜がそれを受けとり羽織った所で今までどこかに行っていた剛が合流する。その手に何かを握って。
「お、おい剛、そいつって……っ!?」
剛が握り持っているモノを最初に見た正義がギョッと飛び退く。
「「え? ……っ!?」」
正義が飛び退いた事で佐夜と舞華もそれに気付き息を飲んだ。
「……どうやら本当に他の提供者が紛れ込んでたな」
最後にそれを見たヴァンも溜息を付く。
ちなみに佐夜に目潰しを喰らった2人は未だに目を押さえながら地面でのた打ち回っている。それほどのダメージなのだ(反語)。
「あははー、掴まっちゃった♪」
剛に耳を兎掴みされながらケラケラ笑う小動物に舞華の額に青筋が入る。恐らくその笑う姿がピックルと被って見えるのだろう。
「それで、お前のマスターはどのジャンルの提供者だ?」
「ん? ボクのマスターは『アクション』の提供者だよ」
「アクション? 格闘・戦闘系か?」
「そうだね。ボクのマスターは戦闘経験(勿論異能力者持ち)がある人材募集して、その人を必要としている世界へ派遣し戦わせ、それを収録するのがボクの役目だね」
「……まさに人材派遣「だな」」
その小動物の名前『ヨツハ』がマスターの仕事の事を隠す事無く話し、その内容がまさしく物質界で普通にある『派遣』に近い物なんだと正義と剛は思った。
「まぁ、普通はそれが提供者の役目なんだけどな。ノーンが異常だっただけだ」
「そだね。ノーンって言うマスターの人は同じ提供者間では特に酷評と言われ続けていたらしいね」
「じゃあ何でもっと早く処分しなかったのよ!?」
「ま、まぁまぁ舞華、落ち着け」
提供者が全部ノーンみたいな者ではない事が分かっても酷評という悪い噂が出ているのにも関わらず何故もっと早く対処しなかったのかと喚く舞華に佐夜が宥める。現状、舞華の精神状態は脆く、キレやすいのだ。
「それはな舞華。今までにも提供者や協会、機関の間でも奴を捕らえようとしていたのだが、ノーンはかなりの用心深い奴でな。ステルスやジャミングなどを何重にも重ねて、捕まらない様にしていたんだ。しかし今回は何故か奴が焦った為、セキュリティーに穴が出来、捕らえる事が出来たんだ」
「……つまり私があいつと直接戦う事が出来たのは偶然じゃなかったのね」
「そういう事になるな。もし奴のセキュリティが普通に働いていたら俺達は奴に気付く事無く、あいつも俺に捕まる事も無くこれからも惨劇を作り続けていただろうさ」
ある意味ノーンが自分で蒔いた種で自滅したとも言える。あの亜空間でキャッチした特異点はまさに闇落ちして転送から逃れた人達からのSOS信号だったからだ。そこから同じような信号を発しる世界を捜索し、剛に闇落ちして操られている人達をやむなく殺し(剛の証言では既に自我が戻らなかったそうなので)、マスターであるノーンが業を煮やして立体映像を佐夜達の前に立てた事でようやく長年掴めなかったノーンの場所が分かり捕らえる事が出来た。
というのが今回の顛末。
「それで、君は何しに来たんだ?」
「それは勿論ノーン様VS被害者達を撮影に来たんだよ」
「……だろうな」
「ヴァンの言う通り、みんなでフルボッコしなくて良かったー」
正義の質問にヨツハはそう答え、佐夜がホッとした。もし舞華や佐夜だけでなく、みんなでノーンをボコボコにしていたらきっとその映像が撮られていただろう。そう思うと寒気がした。
「で、結局こいつどうすんだ?」
「う、うわぁぁぁぁ! 振り回さないでぇ~~~~」
すると大人しく黙っていた剛が兎掴みしているヨツハをグルングルン回し、ヨツハが悲鳴を上げる。
「とりあえず処分する気は無いから放してやれ」
「ん? 分かった」
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
ヴァンに放す様に言われて剛は放すが、回している時に放した為ヨツハが飛んで行ってしまった。
2分後─────
「酷いよ。振り回した挙句そのまま放して飛ばすなんて~」
「ん、すまん」
プンプン怒るヨツハに全然反省してない様子で謝る剛。
閑話休題(久しぶりに)─────
「じゃあ何だ? お前は敵じゃないって事でおK?」
「おKおK」
「………」
その後、色々質問してこのヨツハが敵ではない事を確認する佐夜だが、舞華はこういう不思議小動物にトラウマがある故、ジッと睨んだまま自分から会話すらしない。
「くっ、酷い目に逢った……」
そしてようやく目へのダメージから回復したやすしと、
「ふっ、佐夜のEYE(愛)を感じたぞ……」
未だ血涙を流しながらベリアルが起き上がった。少なくともあの目潰しに愛はこもってない。
仲間からの不意で受けたダメージから回復した2人がみんなの元に合流して、物質界へ戻ろうと話していた。
その時、
「ダーリーン──────っ!!!」
「「「「「は?」」」」」
遠くから聞こえてくる女の声にベリアルを除く5人が疑問を抱く。「ダーリンって誰に向けて言ってるんだ?」と。
「この声はまさか………」
するとこの声の主に気付いたベリアルが顔を真っ青にして声のする方を見ると、
「ダーリーン──────っ!!!」
「んなっ!?」
金髪灼眼のゴシックドレスを着た若い女性が崖からジャンプし、それを見たベリアルが驚愕した。
ドシャッ!
「ぐあっ!?」
そしてその金髪灼眼の女性はそのまま驚いて固まっているベリアルにダイブして押し倒した。
「だ、大丈夫か?」
「む。貴方方は何方ですの?」
ベリアルを押し倒した女性を含めて2人に声を掛けると、押し倒した女性に逆に聞かれた。
「俺達は君が押し倒している奴の仲間なんだが、君はベリアルとどういう関係なんだ?」
「私? 私は────」
相手を刺激しない様、ヴァンが余所行きの話し方で対応するとこの金髪灼眼の口から出た言葉が、
「私はこの魔界の女王! このベリアル様の妻ですわ!」
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・。
「「「「「は、はああああああああああああっ!?」」」」」
金髪灼眼の発言にみな、今日一番の声を上げた。
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~SS~
リオ「むぁー! 最近また出番が無いよっ!?」
ルイ「出番って佐夜達と別れてからまだ1日も経ってないじゃない」
リオ「それは物語の中での話! リアルだともう一ヵ月ももがもがっ」
ルイ「はいはい。メタな発言は止めなさいって」
平然とメタ発言を言うリオにルイが口を押えて黙らせる。
ルイ「それで? 出番が無いからどうするのさ?」
リオ「ふっふっふー。それは、これだー!」
とリオが指差す先には佐夜が歌っていた武道館がある。
ルイ「え、まさかリオ。アンタ……」
リオ「そう! さややの妹分(?)であるリオ達が歌えばファンが増える。つまり、出番が増える!」
ルイ「いやいや、そう簡単にいくわけないでしょ───って勝手に舞台に上がるな!」
何が妹分なのか意味が分からないルイを知る目に勝手に舞台へと上がるリオ。ちなみに愛沙達は今、ここにはいなくいるのはリオ達と、何故か頼まれて残されたテレビ関係者達。
リオ「さぁルイ。リオ達の衝撃デビュー、いっくよー!」
ルイ「ええっ!? ちょっ、ちょっと待ってリオ────」
そしてそのまま即席でユニットを組みテレビ関係者達を巻き込んでリオとルイの男の娘ユニットがデビューしたとか、しなかったとか。
この金髪灼眼の女性がベリアルとどういう関係なのかは次回に続きます。
では。




