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第11話 ~不毛な争い&元凶者登場~

今回は短めです。

「えーっと……佐夜、大丈夫か?」

「………」

 佐夜が目を覚まし己の胸部に出現した謎の脂肪と、股間にある筈の物がない事にビックリして絶叫を上げたと思ったら今度は真っ白になり、見かねた正義が声を掛ける。が、返事がない。


「ダメね、返事がない。ただの女の子の様だ」

「っ、()は男!」

「……どこがたよ」

 佐夜から返事がない事を良い事に、テンプレをアレンジしたセリフを言う舞華に本人がツッコむが、生憎あいにく、今は本当に女の子になってしまっている為正義にツッコミ返しされる。


「ふ……ふふふふふふふふふ─────」

「……何だこいつ、急に不敵な笑みを浮かべやがって」

 すると急にベリアルが気持ち悪い笑みを浮かべ、正義が引いた。


「佐夜を正式に嫁に迎える時、最悪養子でも取ろうかとも思ったが、これなら合・法・だ!」

「何を考えてんだお前は!?」

 どうやらベリアルは佐夜が女性化した事を心から喜んでいるみたいだ。


「と、とりあえず佐夜。お前の身体の変化については向こうに戻ってからリオ達かさかい達と相談しろ。いいな?」

「……分かった」

 未だ意気消沈しているものの、(物質界に)戻れば世界の事を色々知っているリオ────この場合ゼロの方が詳しいか、ゼロに聞けば元に戻れるかもしれない。


「───そうと決まれば早速既成事実を。佐ー夜───っ!」

「っ、うわあああっ!?」

 するとさっきからぶつぶつ呟いていたベリアルが急に佐夜にル○ンダイブで飛び込んできた為、急に視界の目の前に現れた裸の男(いつまで裸なんだ?)にビックリして咄嗟に避ける。危ない危ない。


「ごはっ!? な、何故避ける!?」

「誰だって避けるわ、んなもん! 一体何がしたいんだアンタは!?」

 急に身の危険を感じた佐夜は落ち込んでいたのにも関わらずオコる。


「それよりも佐夜、アンタ性格戻ってない?」

「ん? あ、そういえばそうだ。戻ってる!?」

「……今度は身体の方に異常が出ているけどな」

「それ言うな! せっかくちょっと忘れかけていたのに!」

「いやいやいや、そんなに大きいおっぱいの存在を無視できないでしょうに」

 同じ女の子の舞華がパッと見た所、佐夜のバストサイズは軽く見積もっても『D』はある。下手すると『E』の可能性も………。

 今は戦乙女ヴァルキリー状態フォームなので舞華もそこそこ(B)胸はあるのだが、純粋な女の子である舞華が佐夜に胸で負けているとか、どういう事なん? 的な感じで若干佐夜を恨めしそうに見つめる舞華。


「ワンモア、トライ!(←?)」

「いい加減にしろ!」

「あまぞんっ!?」

 すると再びベリアルが佐夜に飛び掛かり、丁度佐夜の近くにいた正義が横からベリアルを殴り佐夜へのルートから逸れて地面とキスする。


「ったく、お前は佐夜の心が好きなのか、それとも(女の)身体が目的なのか?」

「ぺっぺっ。俺様は佐夜という人間に惚れたんだ。身体が目的ではない」

「じゃあ何で今襲うんだ?」

「いやいや、襲うとか………」

 溜息を付きつつベリアルを諭す正義に舞華が頬を引き攣らせる。男が男を襲うとか不毛すぐる。いや、片方は今女の子になっちゃっているけども。


何故なぜ今と言われたら、それは佐夜の身体が何時いつ男に戻ってしまうか分からないからだ! ならば既成事実を作るなら何時するというのだ!?」

「『今でしょ!』 ───はっ!?」

「何やってるのよ佐夜あんた……」

 ベリアルが前フリをした所為でうっかり乗っかった佐夜がいつぞやの流行語を言い、舞華が呆れる。どうやら舞華がいた世界でも同じ言葉が流行ったらしい。


「ほらぁ! 佐夜もこうして承諾しているのだぞ!」

「ち、違っ、今のはつい乗っちゃっただけで承諾したつもりは……」

 すると当然『流行語』なんぞ知らないベリアルが勘違いし、佐夜が慌てて否定しようとするが、


「というわけで、とぉー!」

「う、うわぁ!?」

 三度佐夜に飛び掛かるベリアル。今度は距離が近いこともあって避けられずに佐夜は押し倒される(これは犯罪です)。


「ふっふっふ、佐夜よ。今度こそ魔王城での告白の返事を貰おう──くぼたっ!?」

「死ねコラァ!」

 押し倒され、2人の距離が超近い状態でベリアルが魔王城にいた時にサヤに愛の告白した時の返事を貰おうとした直後、絶望に陥っていた筈のやすしがいつの間にか復活して横から思いっきりベリアルの横腹を蹴り上げてふっ飛ばす。


「ごほっ………き、貴様…何をする!?」

「それはこちらのセリフだ。人の()を勝手にNTRな!」

「誰が嫁だ!?」←佐夜のツッコミ

 ベリアルはベリアルだけどやすしもやすしだった。


「あー、ありゃあやっぱりまだ正気に戻ってないな。佐夜と美里の区別が付いて無いし」

「そもそも佐夜(の姿)が女の子っぽいからこうなるのよ」

「それは今に始まった事じゃないだろ……」

「……そうね」

 佐夜を挟み取り合うヤンキーと(パンイチ)細マッチョ。それを遠巻きに正義と舞華は呆れるしかない。



≪………やっと繋がったと思ったら今度はお取込み中かな?≫

「「っ!?」」

 すると今度は突然スピーカーごしで若い男の声が聞こえ、正義と舞華は周りを見渡す。が、声は聞こえど姿や気配などは感じない。ちなみに佐夜とやすし、ベリアルの3人は未だお取込み中で若い男の声に全く気付いていない。


≪あっはっは、こっちだよ≫

「空か!」

 声のする方向、上を見上げるとそこには男とも女とも言えない実に中性的な奴が宙に浮いていた。そいつを見て正義は少し違和感を感じる。


≪はじめまして、かな? 僕は提供者エンターテイナーの『ノーン』、君達がさっきまで相手していたピックルの飼い主(マスター)だ≫

「お前が……?」

「この騒動の元凶……っ」

「あ、おい舞華!?」

 自己紹介をしたノーンに正義は警戒だけで構えるが、実際に大被害に遭った舞華は我を忘れて正義の静止も聞かずノーンの元に跳んで攻撃を入れようとした。

 が、


 スカッ─────


「な……っ」

≪あはははは。無駄だよ、僕の姿は君達にも見えるけど、僕への攻撃は一切通らないからね≫

 ものの見事にノーンの身体をすり抜けた舞華は絶句し、ノーンに嗤われる。


立体映像リアルヴィジョン……ってやつか?」

≪ご名答ー。厳密に言うとちょっと違うけど、まあ似たようなものだからおKおK≫

 空に浮いていた時から感じていた違和感に正義が疑似正解をだしてノーンが笑う。


「おいお前達、敵が来ているのにいつまで戯れてるんだ!」

「え?」

「は?」

「何?」

 正義が後ろを見ずに遊んでいる(様に見える)3人を怒る。ちなみに正義は見ていないがその時やすしとベリアルは互いにクロスカウンターを入れていて佐夜がアワアワしていた所だ。


≪……こんな連中に僕の選りすぐりの戦士おもちゃ達はやられたのか。ちょっとショックだね≫

「という割には全然残念そうに見えないな。って事はまだ何か隠してるだろ?」

≪へぇ。流石勇者様。中々さといねー≫

「………」

 どうやら正義の事もバレているご様子。なら迂闊に手出し出来ない。


≪このままお喋りに興じてもいいんだけど、これは収録(・・)しているからね。って事で君達の次の相手を召喚するよ!≫

「またかっ!」

 わざわざ敵の大将が出て来た事でまた何かあると思っていたが、まさかのまた他力本願で敵を召喚するらしく、正義がツッコむ。


 パァァァァァァァァ───────


「くっ、みんな来るぞ!」

「「「「っ!」」」」

 地面に魔法陣の様な物が浮かび上がり、現状この場で唯一真面(まとも)な正義が皆に警戒する様に声を掛け、敵の出現に注意する。


 するとそこから出て来たのは、

「んを? 何だここは?」

 やすしのぶっきらぼうさの何倍もあるような金属アクセサリーを沢山たくさん着けた黒服の男がそこに居た。

 ……いや、よく見ればその男の足元には既に事切れているヒーロー達や壊されたアンドロイド達が沢山転がっていた。


「……ん? お前は正義とベリアル? 何でここにいんだ?」

 すると正義達に気付いた男が正義とベリアルを見て呟いた。


「いや、それはこっちのセリフだぞ────剛」


 そう、その魔法陣(厳密に言えば違うが)から現れたのは紛れもなくあの世界破壊者コードブレイカー四月朔日わたぬきつよしだった。


≪………誰?≫


 そしてこの場で一番驚いたのは、己が呼び出した物と違う者が出て来た事に眉を顰めたノーンだった。


 今回はここまでだお!

ここで剛が合流。

そして次回はヴァンも合流します。

とある人物を連れて。

では。

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