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第5話 ~それぞれの動き~

う~ん……急いで書いたのでちょっと文章に違和感がある様な無い様な……。

「ここが舞華(あのアマ)の終着点じゃねぇ。てめぇの終着点だ」


 ドンッ!


 ジ○ジョ立ちで提供者のアバター、ピックルを指すやすし。

 ※:ちなみにジョ○ョ立ちのモデルは某有名なスター○ラチナの人。


「まさかここまで簡単にヒーロー達を突破してくるなんてね。流石、世界を管理している人達は違うねー。で、どのくらいヒーロー達を殺したのさ?」

「あ? そんなの聞いてどうするんだアホ。精神が崩壊している奴等からすれば殺してやる事で救いになるが、壊したてめぇは謝っても許されねぇ」

 ケラケラ笑うピックルにメンチを切るやすし。……ヤンキーが小動物を指差して睨む光景とかシュール過ぎる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「……まだ着かないのか(苛々)」

「まぁまぁ、イラつくなよ。豆食うか?」

「食わん。ってか何で呑気に豆食ってんだお前?」

 亜空間で襲撃してきた世界破壊者達を撃退し、部下の艦で『ミシバ・イクロ』に向かうヴァンとつよし

 だがエルシオンやサイエンGO、ベルガイアとは違い、この艦にはトレーニングルームや娯楽等が無い為、剛は暇を持て余していた。ヴァンはこういうの慣れている為、ダルダルとソファーで横になりながら甘納豆をモムモムする。暇人かっ。……あ、暇人か。


「ヴァン隊長、四月朔日さん。少し宜しいでしょうか?」

 ヴァンがゆるゆるし、剛が少し苛々していると、この艦の責任者の男が話しかけてきた。


「どうした、現場に着くまで後5~6時間ある筈だが何かあったのか?」

 甘納豆の袋を閉じ、座り直すヴァン。先ほどまでの緩み切った顔が一瞬にして仕事人の顔になり、それを見た剛が少しヴァンの評価を上げる。


「えっと……それがですね。この先の予定路を少し離れた所で妙な特異点が確認されたのでその報告を」

「特異点……ブラックホール的なやつか?」

「いやいやいや、亜空間でブラックホール(それ)が出現したら大惨事になるがなっ。で、その特異点は何なんだ?」

 とんでもない事を言う剛にツッコんだ後、艦長に問う。


「何と言いますか……物ではなく、正規の手順で行われていない不自然な転送が行われた世界ばしょがありまして」

「それって誰かに知られるとマズいと思った奴が追跡防止ジャミングの為、隠蔽転送をしたって事か?」

「いえ、もしそうなら特異点として計器の異常は出ない筈です」

 そう言って艦長は特異点が出たと思われる場所と計器のフラグが記されたプリントを2人に見せる。


「って事はそれをした奴が何か下手をうって追跡防止ジャミングを上手く出来なかったか───」

「何かに急ぐあまり、隠蔽それを忘れたって事か。どちらにせよアホな奴だ」

 ヴァンの言葉を引き継いだ剛がプリントを飛行機の形にして飛ばす。何やってんの?


「ああ。で、艦長。君はこの件どう見る?」

「はい。その事でもう一つ知らせておきたい事が………」

「「ん?」」

 艦長はそう言ってタブレットを取り出し、とある画像を2人に見せる。


「おい、これって特撮ヒーローと魔法少女(プリ○ュア)……か? それにしてはみんな何か様子がおかしい気がするんだが」

「様子というよりはコレ、自我が無い様に見えるな。それに剛、こいつらはお前と同じ穢れを纏っている」

「確かに……俺ほどじゃないが結構な穢れを纏っているな。って事はこいつらも世界破壊者コードブレイカーなのか?」

「いや、おそらくその手前だろう。準破壊者セミブレイカーってとこか」

 剛が「自分とこいつらが同じ……?」という疑問をヴァンが否定する。


「それでですね。自分が調べた所この者達は転送に漏れた者達かと。そしてここから転送された先については追跡防止ジャミングされており、何処へ転送されたかは分からないのですが、逆にここへ(・・・)転送されてきた()経路ログの解析が完了しました」

「ヒーロー達の転送先は追跡防止ジャミングで分からないのに、転送される前に現れた物の経路ログは分かっている……なるほど、この矛盾が特異点になっているんだな艦長」

「そういうことです。追跡防止ジャミングの技術があるのにも関わらず、転送の前後でその技術が使用、不使用された事により微弱な電磁波、及び不完全な転送によるヒーロー達の取り残し、そして────」

「取り残されたヒーロー達の穢れと矛盾で生じた微弱な電磁波が反応し、特異点になった───って事でいいのか?」

「お、おう……良く分かったな」

 結論を剛に待っていかれた事とそれを剛が理解できていた事にヴァンはビックリ。


「で、それが分かった所でどうするんだ? まさかまた寄り道する気じゃないだろうな?」

 実は世界破壊者達の撃退をする為に部下達と別れてからその後、3、4回くらい寄り道をしているので、剛の機嫌が悪いのはここからきている。


「さぁな。それは各所の状況を聞いてから判断するさ。それに───」

「それに?」

 機嫌が悪くなる剛を適当にあしらい、ヴァンはスマホを取り出す。


「この場でこういうイベントが起きた時、なるべく参加した方が後々(のちのち)他の誰かを助ける事になるんだぜ。それとこのヒーロー達がこんなに穢れまくりにして闇落ちさせた犯人は恐らく提供者エンターテイナーだろう」

提供者エンターテイナー?」

 ここにきて新たなワードが出て来た事に剛が眉を顰めながら首を傾げる、ヴァンが説明する。

 ※:提供者エンターテイナーの説明は第三章で行っているのでここでは省きます。


「──ああ、分かった。じゃあ俺達はこちらからのアプローチで事に当たるわ」

≪ん、俺が今物理的に動けないからそちらは頼んだ≫

 スマホでゼロと話すヴァン。電話の向こうのゼロが何時いつもよりもテンションが低い。


「で、結局寄り道すんのか」

「ああ。でも今回は寄り道と言うより別ルートでリオ達や機関のメンバーのサポートに入る、と言った方がいいか」

「別ルート?」

 ヴァンの寄り道ではなく別ルートという言い方に疑問を持つ剛だが、この後の行動でその疑問は解決する。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「どう舞華、回復した?」

「え、ええ……。あんた、何でも出来るのね……」

「いやいや、何でも出来る訳じゃないよー。それにこの魔力は真桜から念の為にと言われて受け取った物だからね。……本当に使うとは思わなかったけどね」

 やすしが舞華に代わり、闇落ち英雄(ロストヒーロー)達を軽くあしらう中、体力と魔力が切れてヘロヘロになった舞華を佐夜が真桜から受け取った魔力を変換して舞華に渡す。ちなみに体力の回復には幻想界レニアナとアルフィーニでゲットしていたポーションを使用して舞華の体力を回復した。


 ちなみに本当はやすし、闇落ち英雄(ロストヒーロー)達を軽くあしらわないでさっさと殺して楽にしてやろうとしたのだが、何故か舞華が「私がやるから殺さないで!」と言って止めようとしたが、それには無視して連中を殺そうとしたやすし。

 しかしそこに佐夜が舞華を支持し、やすしを説得する事でやすしは凄く苦虫を噛んで、

「……ゎーったよ。ったく俺も甘ぇな……」

 と何だかんだ言い、舞華ではなく佐夜のお願い(・・・・・・)を承諾し、闇落ち英雄(ロストヒーロー)達を殺さず、軽くあしらう程度にまで手加減する事にした。


「「「「「蛾あ亜あああァあああ阿AAッ!?」」」」」

「いい加減、うぜぇ!」

 とはいえ、手加減しているといっても相手は怪我を諸共せずに向かってくるので何時ダメージ多過で殺してしまうかやすしにも分からない。


「ふぁ~~っ。ねぇ、何時までこんな退屈な事をやっているの? 殺すならさっさと殺ればいいのにー」

「なら雑魚ザコではなくてめぇが掛かってこい。瞬殺してやるからよ」

「おー怖い怖い」

 やすしが闇落ち英雄(ロストヒーロー)達を殺さず、ちんたら戦っていると、退屈していたピックルが欠伸して文句を言い出してやすしが反論し、両者がニヤリと嗤う。


「ん、と……ととと……」

「あ、舞華、まだダメージが残ってるよ。無茶したら死んじゃうって!」

 佐夜にある程度回復してもらった舞華がふらつきながらも立ちあがり佐夜が慌てて支える。


「無茶でもさ佐夜、私はあの娘達と戦わなきゃいけないの」

「何で? 殺さずに捕らえられれば解決するのに?」

「ううん……多分解決しないよ」

「え?」

 無理に戦おうとする舞華を落ち着かせてやすしにお願いし闇落ち英雄(ロストヒーロー)達を取り押さえさせようとする佐夜だが、舞華はそれを否定する。


「あいつは……ピックルは言っていた。あの子達が捕らえられ闇落ちした後、どんな事を行っていたのかを。度重なる異世界での争い事に強制参加させ自我を無くし、最早動く戦闘ロボットの様な扱いをしているのだと」

 佐夜に肩を貸してもらいながら舞華が歯を食いしばりながら言う。


 舞華が提供者に騙されている間、色んな事に利用する為に捕らえられていたかつての仲間達と、それ以外のヒーロー達の処遇についてピックルは闇落ち英雄(ロストヒーロー)達と戦う舞華に嗤いながら言っていた。


 正規ヒーロー達の邪魔は勿論、意味も無く街や人を破壊したり、

 異世界へ派遣し、国同士を戦争させる為のコマにしたり、

 はたまた色々な物語(・・・・・)に潜入させ、後々ワザと裏切ってその物語を滅茶苦茶にしたり、

 ヒーローが存在しない近未来にてマネキンみたいな扱いをされたりなど、


 とても人として扱われていない。その上、当たり前の様に人を何百人以上殺させたりと自我が無くなるのも当然な扱いをしたそうだ。 

「そ、そんな事が……で、でもそれは捕まえてゆっくり治療すれば何とか……」

「治療して自我が戻った所で佐夜。あんたなら自分の自我が無い時に、自分が人殺しをしていたと知ったらどう思う?」

「そ、それは……」

「耐え切れないでしょ? 私だってそうだよ。まだ人殺しにはなっていないけど、もしあの娘達と同じ状況に陥ったら絶対死にたくなるわ」

「舞華……」

「そしてそれは多分あの娘達もそれ以外のヒーロー達も同じ気持ちだと思う」

 話す内に提供者への怒りが湧き、アドレナリンなどで痛みが引いてきた舞華はこう言った。


「私ひとりで救う───この場合は殺す事になっちゃうけど、全員は流石に無理だけど……せめてかつて自分の仲間だったあの娘達だけは私がケリを付けなくちゃいけないのよ」

「……そっか、分かったよ舞華。でも、死んだら駄目だよ?」

「それは保証できないって。でも……少なくともあの娘達を救うまでは死ねない、ね!」

 そして舞華は再び戦場へと戻って行き、かつての仲間達を救うため命を懸けた戦いが始まる。


「さぁ、そろそろクライマックスを迎えようか!」 


 舞華が戻って来たのを見てピックルが黒い笑みを浮かべて言った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「そう! そこそこ、そこにこの配線を繋いで───配信っ!」

 武道館にて生放送に間に合わなかった為、時間切れで歌えなかった佐夜の幻の曲を聞いたリオ達一同は現場に残っていた番組&会場のスタッフ及び警備員たちを総動員し、各テレビ&ラジオ放送局、そしてヤーチューバーやノコノコ動画管理局へ手回しをお願いし、佐夜の幻の曲を送った。


「ねえリオ。本当にこれで闇落ちヒーロー達の動きが止まるの?」

 忙しなく動き回ってちょっと疲れているリオに愛沙が声を掛ける。


「多分ね。愛しゃんだって見てたでしょ? この場でこの曲を聞いた闇ヒーロー達が泣いて動かなくなった所をさ」

「それはそうだけど……本当に上手くいくかなぁ?」

「大丈夫。さややの詩を信じなさい!」

 そう言って無い胸を張るリオ。男の娘なので胸は皆無であるが……。


 そしてこの後、日本全土にこの曲が流れ、それが世界中に波及し、佐夜の曲を聞いた闇落ちヒーロー達がまたたくなく涙を流し、正規ヒーローや軍達との戦いを辞め、そしてようやく長かった『ミシバイクロ』での戦いが終わったのだ。


次回のテーマは『別れ』です。どういう意味なのかは次回のお愉しみという事で。

では。

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