第4話 ~合流とお蔵入りの曲~
ここでベリアルと合流します。
後、佐夜の性格(口調)も治っていません(笑)
佐夜達は銃殺される闇落ちしたヒーロー達に心を痛めるも、止める事も出来ないし、舞華と提供者との問題もあるので後ろ髪を引かれつつも佐夜と正義の2人は舞華を追って魔界へ通じる穴に飛び込み、赤暗く染まった空とそこら中にあるギロチンが特徴な……想像していた通りの魔界に到着する。
「何か……どこかのゲームで見た魔○村みたいだな」
「そうだね……ごほん、そうだな」
そう、例えるなら槍とトランクス一丁で悪魔達と戦うあの人が出てきそうな場所に近い。アルフィーニの魔王領とは規模も次元も違う。無法地帯と言えば分かるだろうか?
「で、ここまで来たのはいいけど肝心の舞華の奴はどこ行ったんだ?」
「う~ん…魔界だけに辺りの瘴気が凄くてどこにいるのか探知出来ない……」
舞華の事を良く知らない正義は佐夜に探ってもらうが、佐夜も魔界特有の瘴気の所為で舞華の場所が特定出来ず、人差し指をこめかみに当てながら唸る。
「ならしょうがない。飛んで空から探すしかないか」
「いや、それは止めた方がいいよ」
「? 何でだ?」
「だってほら……」
舞華の穢れを探るのが難しいので、飛んで探そうとした正義を引き止めて物陰に隠れて前方を指す。
そこにはゾンビの様に徘徊している闇落ちヒーロー達の姿が。
「このまま空飛んで見つかれば確実に撃ち落とされるって。相手は腐っても異能持ちだからねっ(どやっ)」
「誰が上手い事言えと……」
『ゾンビ状態』と『腐っても』というフレーズを掛けた佐夜がドヤ顔して正義が呆れる。
「じゃあどうすんだ? 前方にいる連中とは正直戦いたくないぞ。色んな意味で」
「う~んそうだね……でも多分、舞華はここを通ったと思うんだ。確証はないけどこの先の奥に凄い穢れを感じるからね。舞華かどうかまでは分かんないけど」
「って事は、だ。あの連中は舞華を追って来た俺達の邪魔をする為に用意された障害って訳か?」
「そう考えればこの配置にも納得がいくと思う。それに魔界っていう割には全然魔物がいないし」
「あ、ああ…確かに全然……っというか全く魔物の姿や気配が無いな」
雰囲気はバッチリなのに魔物がいないのは闇落ちヒーローが全部倒したのだと2人は推理するが……実はこれ、転送に失敗して魔界に来てしまったベリアルがほぼ全部やったという事を2人は知らない。
ドドドド………
「「ん?」」
すると後方から何やら地走り音が聞こえ2人は後ろを振り返る。
ドドドドドドドドドドドドドドド──────
「あれは……」
「え、ベリアル…さん!?」
そこにはベリアルが猛烈な勢いでこちらに向かって走ってくる姿があった。
「佐ー夜ぁ────!!」
しかも何故かトランクス一丁の状態で………。
「アーサーかアイツはっ!?」
「っていうか何で僕達のいる所が分かるんだろうねあの人……」
トランクス一丁のベリアルを見てとあるゲームの槍人を連想させる正義と、ここに来たばかりなのに速攻で居場所を探知された佐夜が眉を顰める。
「佐ぁ────夜ぁ─────────!!!!」
「つか声でかいっ」
「ベリアルさん、しー、しぃーっ!」
2人で人差し指を立てて口に当て、ジェスチャーで黙る様に訴えるが、佐夜の事しか頭にないベリアルは目をハートにして突っ込んで来る。
「おいおい、このままだと色んな意味で危険だぞ!?」
「止まって! ベリアルさん止まって!」
最初は大声を出すが故に闇落ちヒーロー達にバレるから黙らそうとしたが、今度はこちらに激突&佐夜の貞操の危機が出て来た為、なりふり構っている場合じゃないので2人も声を上げてベリアルを制止させようと試みる。
しかし、
「佐ぁ────夜ぁ─────────!!!!」
「うっわっ。駄目だ、呼びかけじゃ止まらん」
「って何で剣を構えるのさ正義!?」
「仕方ないだろ。このままじゃお前、ナニされるか分かったもんじゃない」
「そりゃあ…そうだけど……」
佐夜成分(?)が不足している今、このまま突っ込んでこられた場合、佐夜が無事でいられる保証はないので正義がベリアルを止めるべく剣を構える。勿論殺す気は無いが、強めに攻撃しないと気絶なんてさせられない。故に手加減が難しい。
「すわぁ────やぁ─────────!!!!」
「っ、来るぞ!」
最早何を言っているのかすら理解不能のベリアルに正義の構える手にも緊張が走る。
するとそこに、
「させるかオラァッ!」
シュッ───ドゴンッ!!
「───がふっ!?」
「「は?」」
佐夜と正義の元まで後3~4メートルの所で突然横から現れた者によってベリアルは横腹部に飛び蹴りを食らい、身体をくの字にしたまま盛大に横に吹っ飛んだ。
────ドォーン!
そしてそのまま断層に頭から突っ込んだ。
「っと。危なかったなお前等」
「え、やすしさんっ!?」
「何でお前がここに?」
全く想定していなかった人物の登場に2人が驚く。
そりゃそうだ。出会って短いとはいえ自分に関係ない事はやりたがらないやすしがここに来たんだから2人が驚くのも無理はない。
「何でってそりゃあお前等の保護に決まっている。ったく余計なイベントを発動させやがって……」
そう言いながらやすしは頭をガリガリとかく。
「それで? 当の舞華はどこ行った?」
「多分この先だってよ」
「でもこの先にはあの人達がうろついているし……」
「ああ、あいつ等か」
何とか闇落ちヒーロー達にバレなかった佐夜達は物陰から様子を窺う。
すると、
「むがぁっ!!」
断層に埋まっていたベリアルが復活し自分の身体を引っこ抜いた。
「あ、拙い。バレる……いやもうバレてるか」
闇落ち状態とはいえ腐ってもヒーロー。復活した魔人ベリアルの魔力に反応し、ドンドン集まってくる。
「おいおい……流石のアイツもこの人数だと危険じゃないか?」
「あ、でもそのおかげで前方の道が空いたよ」
「ああ……って、俺が蹴った奴、お前等の知り合いなのか? 今更の話だが」
「本当に今更だよ……あの人は魔王将軍ベリアル。真桜の部下だった人だよ。何でここにいるのかは知らないけど」
ベリアルの目的が佐夜だという事に当の本人の佐夜は気付いていないが、それを知っている正義の冷汗が止まらない。
「知り合いなら仕方ない。おい正義、俺が佐夜を舞華の所に連れてくからお前はアレの手助けをしてやれ」
「何?」
後から来たのに勝手な事を言われて眉を顰める正義。
「俺なら何かあった時、佐夜と舞華を連れてすぐに撤退出来るからな。その間に後方で奴等を倒しておけ」
「……まぁ、いいけどよ。俺じゃあ2人同時に撤退できるか分からんしな。でも連中は自我が無い。手加減出来るか自信がないぞ」
「もうこの際生死は問わんさ。闇落ちした人間の狂気からの回復はあまり見込みが無いからな。人によってはいっそ一思いに殺してやるのも救いになるだろ」
「……とても世界を監視している組織の人間とは思えないセリフだね」
「うっせ。綺麗事だけじゃあ生き残れねーよ俺等の世界はな。……下手に気を抜いたらこっちが死ぬ羽目になるからな」
やすしがそう言って黄昏る。過去に何かあったのだろうか?
「ぬぅっ! 何だ貴様等は、俺様と佐夜の感動の再会を邪魔するな!!」
「「「「あー、ああああああ!!」」」」
ズガーン、ズガーン!!
「さ、じゃあ作戦開始だ。行くぞっ」
「おう」
「うん」
そして3人は物陰から出て、行動する。正義は闇落ち英雄達に取り囲まれているベリアルと協力し、無力を図る。佐夜とやすしは開いた前方を通り、舞華の元へ一直線へ向かった。
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「くぅっ!?」
自分と同じ闇落ちしたヒーローヒロイン達を既に10人くらい倒した所で舞華の身体が悲鳴を上げる。既に舞華の狂化は解けており、理性が戻っている。戻っているが故に痛みで身体が悲鳴を上げているのだけども。
「流石、ボクの最高傑作だよ舞華。複数の闇落ち英雄達を相手にちっとも劣らないね」
痛みに耐えていると、少し離れた木の上でピックル(3巡目)が無表情で舞華を褒め称える。
「でもそろそろ限界だよね? 息も上がっているし、戦っている内に穢れも薄れてきたから魔力も底を着きかけてるよねー?」
「ちっ」
そうなのだ。普通の魔法少女だった時は『穢れ』なんて物は無かったのだが、闇落ちして以降、ここまで激戦するのは初めての事なのだが、舞華の魔力が『穢れ(瘴気)』に直結している事が先ほどわかり、自分の穢れが薄れてきたという事はつまり、魔力切れが近い証拠なのだ。しかも普通の魔法少女の時とは違い、相手にも当然穢れ=魔力が見えるので、舞華の穢れが薄れてきた以上、残りの魔力が少ない事までバレている。
「じゃあそろそろ最後の仕上げとしてあの娘達に相手してもらおうかな?」
「っ!?」
そう言って提供者ノーンのアバター、ピックルが召喚したのはかつて舞華が魔法少女の時に一緒に戦った昔の仲間達。
ここに来る前にピックルが言っていた行方知れずになっていた仲間がそこにはいたのだが、舞華が驚いたのはそこではなく、
「な、何でモモと可憐……聖花にロロット、亜紀までそこにいるの?」
魔法少女を強制引退させられて行方不明にはなっていない筈の仲間までそこにはいた事に流石の舞華も驚愕する。
「ん? ああ、それは簡単な話だよ。元の世界にいるあの娘達は僕が用意した複製で、ここにいる娘達が本物だよ?」
「複製……偽物?」
「そ。だから複製達はみんな病院で記憶障害みたいな扱いを受けているよね?」
「……でもそれは本物じゃないから記憶が無いって事?」
ここにきて更に衝撃の事実を知った舞華はフルフルと震える。
「その通り。大正解~。そして本物はこの通り、僕のコレクションになってもらったのさ」
「あんた……」
ケラケラ笑う外道に怒りが湧く舞華だが、身体の疲労や、魔力である穢れも残り少なく、怒っても穢れが湧いてこない舞華は奴を睨む事しか出来ない。
「さってと。じゃあ君達、舞華をボコボコにしちゃってね。あ、殺しちゃダメだよ。舞華も僕のコレクションにしたいからね」
「「「「「「「……………」」」」」」」
「誰があんたなんかの……っ」
ピックルの言葉に自我の無い闇落ち英雄達が静かに武器や構えを取り、舞華もそれに負けじと構えを取る。が、疲労で腕が震える。
「舞華、改めてここが君が辿るBADルートだよ」
「この……外道がぁっ」
ピックルがそう言って短い前足で舞華を指し、闇落ち英雄達が一斉に舞華に襲い掛かった。
「佐夜……」
舞華が最初闇落ちした時、佐夜は言った。「自分の納得できる最善の結末に変える為に僕は助けに来た」と。
提供者に騙され、仲間達が悲惨劇に陥り、自分もそうならない様、心のコントロールをしていたが、それも憎き外道の提供者が再来した事で己の精神が沸騰し、ふと我に返った時には既に魔界に突入し、自分と同じ闇落ちしたヒーローヒロイン達と対峙する羽目になった。
そしてピックルの挑発にまんまとハマり、今こうして窮地に追い詰められている。
「私を助けるなら……最後まで面倒見なさいよ佐夜っ!!」
構えたまま動かない腕や手を握りしめ、舞華は最後に残された味方である佐夜の名を叫ぶ。
その直後、
「『防護壁』!!」
ガガガガンッ────
「え?」
「何っ!?」
舞華の周りに土の壁が出現し、闇落ちヒーロー達の攻撃を防ぐ。この出来事に舞華は勿論、提供者も驚く。
「引力対象『舞華』」
「え、えええっ?」
続いて舞華の身体が見えない何かに引っ張られ、闇落ち英雄達からの攻撃範囲から出る。
「舞華!」
「佐夜!?」
そして引っ張られた先にいたのは先ほど舞華が切実に呼んだ佐夜と、引力で舞華を引っ張ったやすしがいた。
「舞華。お前はしばらく休んで回復に務めとけ。佐夜も舞華の看病を頼んだ」
「あ、うん。時間稼ぎ宜しく」
舞華を佐夜に任せ、やすしが棒飴を加えつつ、ジョ○ョ立ちで提供者を指差して言う。
「舞華の進むルートは書き換えた。バッドエンドに進むのはてめぇだ」
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佐夜と正義が去った後の武道館にて(リアとチャアは戦闘中)。
「もうっ! せっかくさややに頼まれて新曲持ってきたのにっ」
「え、佐夜のレパートリー、まだあるの?」
「どんだけスペックが高いんじゃ……」
リオの言葉に愛沙真桜姉妹が呆れる。
「こうなったら仕方ない。先に聞いちゃう?」
「「聞く」」
リオの持ってきたSDカードを機材に接続し、時間切れでお披露目出来ず幻となった13曲目(佐夜の音声入り)『たった一人だけでいい……』をスピーカーで流す。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
「「「~~~~~っ(大泣き)」」」
聞き終わった3人が号泣する。
「まさかここにきてパラードだとは思いもしなかったです」
「うわ~ん(泣)」
すると戦っていた筈のリアとチャアの2人もいつの間にか聞き入って涙を流していた。
「「「「「~~~~~っ」」」」」
そして自我が失われている筈の闇落ち英雄達も無表情ながらも涙を流して動きを止めている。
「あれ? 2人共、あのヒーロー達はどうしたの?」
愛沙が涙を拭きつつ2人に訪ねる。
「佐夜さんの歌が流れて1分くらいたった時、急に動きが止まってこうなりました」
「まさか佐夜っちの歌にこんな効果があるなんて~~」
愛沙の質問に涙を拭きつつ応えるリアとまだ号泣しているチャア。
「う……何て良い曲なんだ……」
「あわよくば生で聞きたかった……」
「佐夜たん。マジ神……」
「いや女神だよこれは……」
おまけに残っていた番組関係のスタッフ達もこれを聞き大泣きしている始末。
「うわっ。まだいたのねスタッフ達……」
「みんな泣いてるのじゃ」
「さややってホント、色んな人に影響を与えるよね~」
最初に聞いて泣いていた3人もようやく落ち着いた。
そして佐夜の歌声によって動きが止まっている闇落ち英雄達をリオがワイヤーで縛り、愛沙が回復させて、ゼロがいるサイエンGOに転送した。
「………もしかしたらさやや、本当に神の化身なのかも、ね」
リオはそう呟いた。
お蔵入りの13曲目についての設定ですが、執筆中に聴き流していたパラードの曲をヒントに追加しました。
では。




