第17話 ~協会と機関の相違点~
本編前にも書いてありますが、全てのヒーロー&ヒロインに提供者が絡んでいるとは限らないです。あくまでそれに混じっているという感じです。(ライフレンジャーがその例)
ピンポンパンポ~ン────(ベルガイア・ブリッジにて)
透「提供者とヒーロー&ヒロインは必ずしも関係しているとは限りませんのでご注意を」
義信「『本物』も存在しているので、そこら辺は誤解の無いようになっ」
正義「……モニターに向かって何言ってんだ?」
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舞華が心の中で女性だと思ったら男の娘(?)だった佐夜に裸を見られて辱められ、提供者とリオによる『魔界』の接近警報により楓と勇治郎に緊張が走った。
その2日後、
「ANGYAAAAAAAAA!!!」
「BUSYAAAAAAAAA!!!」
日本の太平洋側の神奈川&千葉辺りに2体の怪獣が現れた。一体は蛾みたいな奴でもう一体は恐竜をデフォルメ(若干ゆるキャラ化)にした感じの奴だ。
で、当然自衛隊やら軍が出動するが、相手が巨大すぎて全く歯が立たず、謎の破壊光線によってふっ飛ばされる軍人達。
すると当然、この場面にあの英雄が現れる。
「変身!」
ピカッ!
「デュワッ!」
───来ーたぞ、俺らーの──(ここから先は自主規制)
どこからかお約束の歌が聞こえた様な気がしたが聞き流し、変身アイテムで巨人化&変身した青年が怪獣2体と対峙する。
ダァンダァン、アンギャアア、ドガガガガガガガ、ドォーン!
ビビビビビビb、ゴオオオオオオ、ピ────、ドカーン!ギャオオオオオ!
案の定、戦闘が行われている場所が工場地帯&山岳地帯なので山は崩れ、原発などの発電所は踏み潰されて放射線が漏れ放題。工場なども薙ぎ払われて車などが派手に宙を舞い、それを掴んだ超巨人が飛び道具として相手の怪獣に投げつけるなど、とてもまともな戦いじゃない上に環境破壊が凄まじい。
正義の味方なのに一緒に街を破壊してどうすんじゃ!ってツッコミたい。
「ドッカン、ドッカンとうっさいわっ!!」
というかそれらにツッコんだのは真桜だった。両手に魔力を込め小型のブラックホールを出現させる『ダークネス・ヒューリア』を怪獣に投げ、
「「GAAAAAAAAAAAA!?」」
ゴゴゴゴゴゴ………と擬音を立てながら小型のブラックホールに吸い込まれる様に2体の大きな怪獣は消滅した。
「デュ、デュア!?」
戦っていた筈の怪獣がいきなり消滅した事で超巨人(というかもう『ウル○ラマン』でいいじゃん!)が戸惑う。
「貴様もじゃ。いつまで街を踏み荒らしとるんじゃ」
「デュアッ!?」
流石にこの巨人は殺す訳にはいかないので、ただの魔力玉をぶつけて強制的に変身を解除させた。
「お疲れ真桜。相変わらずの魔王無双だね」
「うむ。手応えが無さ過ぎるわい」
戦闘とは言えない戦いを終えた真桜に駆け寄ったのは女物を身に纏った佐夜。……何故そんな明らかな女物を身に纏っているのかというと、単純に舞華からの罰として、しばらくは女物を着る様に当の被害者から言われたのだ。
ちなみに今はハイウエスト系の服に亜麻色の髪もストレート&横編み込みを施したどこぞのお嬢様風な恰好になっていて、街を歩けば絶対───いや、逆に声を掛けづらくなるくらい注目を集める存在になるだろう。
勿論、この時に撮られた写真も後に総理や各国のお偉いさん方に配布され、各国の会議室が血だらけの展開になるのが目に見える。
「じゃあ佐夜、真桜、グラス、街の修理お願いね」
「はいよ」
愛沙がユフィを連れて怪我人の治療へ向かった。
現在ここへは錬成術が使える佐夜とグラス、怪獣を一撃で倒せる&魔力補充要員の真桜、そして怪我人治療の為の愛沙とユフィの計5人が来ている。
残りのメンツ(舞華は闇落ちの反動で社宅で療養中)は別の現場に向かっていて、そこには魔法少女と仮面の人がブッキングしてしまい、少々ややこしい事態になっているそうだ。
スオオオオオオォォォォォォォォ──────
元々持つ佐夜とグラスの魔力だけではとてもじゃないが街を直すほどの量は無く、そこで真桜の持つ魔王の魔力を佐夜が変換し、グラスに手渡しで譲渡。そのままグラスと共に街をあっという間に修復し終えた。漏れ出した放射能については真桜がプチブラックホールで処理済み。
「はー。やっぱりサヤっちは有能っすねぇ」
「何突然?」
細部にまで修復を施す事の出来る佐夜を見てグラスが溜息を付いた。
「だってっすよ? いくら錬成術だからって普通、そこまで細部への修復なんて出来ないっすよ。おまけにサヤっちは魔力変換や他の属性への変換(火・水・風・土)まで出来るんすから、同じ錬成師として劣等感を感じてるんすよ!」
「出来るけどさ一応。でも威力は全然低いよ?」
そう、錬成術で四属性魔法は使えても所詮、それ専属の使い手にはかなり劣る。火炎魔法で言うと精々火炎放射器程度の威力しか出ない。所謂器用貧乏みたいなやつだ。
「それに他にも隠し玉はあるしね」
「なんですってっ!?」
何故か驚き方がオネエになるグラス。
佐夜が持つオリジナル技としては『ストック魔法』だ。これは【レニアナ】に居た時、マナとタックの協力の下に出来た錬成術関連の魔法で、直径1~3cm程度のガラス玉(勿論これも錬成術で作れる)に魔法が使える者の魔法をそのまま封じ込める事が出来るのだ。
んでマナが得意としていた『エクスプロージョン』や『ハリケーンストライク』などを大量にストックしていた佐夜だったが先日【アルフィーニ】での『冷酷』との戦いで全て消化してしまい、手持ちの大魔法ストックはもう無い。
一応自分の魔法でもストックは出来るが威力は低いのでストックの意味はないが、今いるメンツの中で唯一ストックの出来る魔法使いは真桜がいるので、少しづつではあるがまた溜めていっている。
「はー、ホントに協会の人材にはユニークな人が多いっすね……」
「いやいや、僕は協会の者じゃないんだけど」
「あ、そういやそうだったっすね」
自分達の組織の人材と比較して何故か落ち込んで羨むグラスに佐夜が否定する。
「……協会と機関、か………」
勇治郎やルイ、拾われたというニケが所属する機関と、ヴァンやゼロ達が所属する協会、昨日社宅で全員が集まった時の内容を佐夜は思い出していた。
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「そういえばずっと思ってた事があるんだけど」
「「「「ん?」」」」
時刻は丁度お昼を回ったところ。
佐夜(と愛沙)が作った昼食をみんなが食べ始めている時に、エプロンを外しながら佐夜がふと疑問に思っていた事を聞く。
「ユフィさんや陽菜々が所属する『協会』と、勇治郎達が所属する『機関』。これって何がどう違うの?」
「もあ~(ごっくん)……それか。やっている事はほぼほぼ同じだからあまり違いは無いな」
「そう、ですね。強いて言うならトップ……代表同士が不仲といった所でしょうか?」
「代表同士?」
勇治郎とユフィが食事を中断して言う。
「協会なら『如月マロン氏』、オイラ達の機関のボス『笠間文一郎』。この2人は何かと昔から顔を合わせる度に喧嘩ばっかするっす」
「喧嘩って……子供じゃないんだから」
「いえ、むしろ喧嘩するほど仲はいいのではないかしらね?」
こちらも食事を中断して「やれやれ」と溜息を付くグラスに愛沙の頬が引き攣り、ユフィが微笑む。
「え、じゃあ何? 2人が喧嘩するから組織も2つあるって事?」
元々同じ事をやっているのなら組織は一つで良い筈だ。
「いや、組織は元々一つだったらしいんだが、マロンと文一郎、この2人の組織方針が違い過ぎた結果分裂したって話だ」
「組織方針?」
いつの間にか食事を終えていたやすしが腕を組みつつ話に入ってくる。
やすしの話によると、世界の管理者は基本的に『神』なのだが、機関が管理する世界には管理人の『神』はいないらしい。
最初は居たらしいのだが、管理人である神がその世界を見限って放置したか、または今回の様に何者かに殺された後、機関がその世界の権限を受け継ぎ世界を管理し、異常があればその世界に常駐している派遣員が対応するというものだ。
ここで協会と機関の違いは、協会の場合だと管理人の神が不在の場合、神界から新たな神を就任させ、協会が管理する世界で神でも対応出来ない程の異常があればすぐさま協会に連絡が入り、ヴァン達協会の者が対応に伺う、所謂現実世界でいう『セ○ム』みたいなものと考えればいいらしい。
「いや『セコ○』て」
「じゃあALSOKでもいいよ?」
「「どっちでもいいわっ!」」
ルイがどうでもいい事を言うのでつい愛沙とツッコミが被った。
「つまり管理者が『神』か『人』かで互いにやっている事は同じってことか」
「ああ、けどそれぞれには利点と欠点があるのさ」
「利点と欠点?」
やっと食べ終わった勇治郎がティッシュで口を拭きつつ言う。
まず協会の場合の欠点は、各世界の神に対応できない事案が発生し、協会へ連絡を入れるも、時と場合によっては協会の者がその世界に着く前に間に合わず、世界が滅ぶ事が少なからずある。
そして機関の場合、管理する者が『人』なのでどうしても物欲や権力、支配力に溺れる者も少なくない。故にその所為で滅んだ世界もまた少なからずある。
後、協会と違い、組織の者が常時常駐するのでどうしても人手が足りないのも機関の欠点なのだ。
「じゃあ利点はその逆?」
「若干違うが概ねその通りだ」
協会の利点は各世界を『神』で管理させるため、組織の人手が減るのを防ぐ事が出来、それ故それ以外の未調査世界での調査がスムーズにすむ。
機関は逆に人手は足りなくはなるが、それぞれの世界に派遣している、もしくは管理者が『人』なので、何かが起こってもすぐに対応が出来る。そして機関が管理している世界は主に『現実世界』が多い。
「後、保護した次元迷子……この場合は佐夜さんが当てはまりますが、協会の場合は保護した後、元の世界に戻すまでは協会が預かります」
「逆に機関は保護した者の性質に合わせて近くの機関が管理している世界に預ける事になっている。佐夜みたいに連れまわす事は無いな」
「いやいや、ニケとリアさんがいるじゃん」
「にゃ?」
ユフィと勇治郎の言葉に佐夜が異を唱え、まだ食べていたニケがビクッとなる。ちなみにリアは今、お風呂を楽しんでいる。
※次元迷子────空間(次元)の歪み(穴)などに入り込んで世界の外に投げ出されてしまった者達の総称。佐夜とニケ、リアがこれに当てはまる。
「あー、確かにニケも次元迷子に当てはまるんだが、ニケの場合、強い上にボスが保護して勧誘したからな。通常の次元迷子だったら普通の対応をするさ」
「(もぐもぐごっくん)……だね。むしろ元の世界に収まるのは嫌さね」
自分がいた世界を飛び出し、機関の者と色んな世界を旅したニケにとって元の世界に戻されるのは窮屈だろう。
※ちなみに愛沙、真桜、ここにはいないが正義の場合は『召喚』で来ているので『送還』されれば帰れない事は無い。
そして協会と機関の組織に加入するにはやはりニケみたいに保護されるか、スカウトされて入ってくる場合が多い。協会は保護されての加入が多く、機関はスカウト多い(ニケは特別)。
「両方の組織については分かったけど、みんな互いのトップが仲悪いのにその部下同士がこうして交流するのはいいの?」
「その点は問題無い。いくら喧嘩しようも優先順位は世界の安静。普段は確かにあまり会う事も喋る事も無いが、厄介な事案に対してはこうやって組まないと事は片付かない」
「そっか……って僕のオカズが無い!?」
ようやく両組織の内容を理解した佐夜が食事を再開しようとしたが話が少し長かった隙にニケが佐夜のオカズを掻っ攫っていったのだ。
「しょうがない。もう一回作りますか……」
「あ、アタシもおかわり」
「……はいはい」
相変わらずよく食べるニケに苦笑しながら佐夜は再びキッチンへと向かう。
「あ、そういえばリオから佐夜さん宛に渡された物がありました」
「え、リオから?」
「はい、これです」
「……写真? ってこれはっ」
フライパンを掴む前にユフィに呼び止められ、リオから渡された写真を見る。
「うおぉっ。メイド姿とか、また似合うなー」
「う……(ポタポタ)」←鼻血を出すグラス
「ふんっ……(赤面)」←メイド好きのやすし
「佐夜ってば、もう何でもアリね」←溜息のルイ
「アタシは過去にこういうの見てるけど、その時よりも色気が増してる様に見えるね」
「僕に色気なんて無いよ!?」
機関側の5人に褒められて(?)否定する佐夜。
「うむ。あの頃が懐かしいわい」
「あの頃って、まだ一ヵ月も経ってないよね!?」
「綺麗です」
「そうね、ホントにもう佐夜は女って事で良いんじゃない?」
「良くないってば!」
「……本当はアンタ、女なんじゃないのかい?」
「楓さんまで!? って何時の間にここに!?」
協会側と真桜、愛沙にまでそんな事を言われる。
「じゃあ、賛否を取るわね。佐夜が『女の子』だと思う人~」
「「「ん」」」
「「「「「「「はい」」」」」」」
「全員!?」
ニヤけた愛沙が悪ふざけで賛否を問うと、全員が佐夜を女の子認定した(笑)
「もうみんななんて嫌いだ~~」
うわ~ん、と泣きながら佐夜は部屋に引きこもってしまった。どうせすぐに出てくるんだろうけど。
「………佐夜さんが泣いていましたけど何があったんですか?」
風呂上がりでリビングへ来たリアが不思議がっていた。
次回は冒頭で再びアルガド爺さんが登場します。




