第13話 ~決戦・その2 再会~
サイトに繋がらなかった時は流石に焦りました(-_-;)
「さ、真桜。都合良く(?)領内が混乱している今の隙に逃げるよ」
「う、うむ。いよいよだな!」
皆がそれぞれ戦っている時、メイド服のままの佐夜と真桜が脱出しようと扉に近付いたその時─────
バァン!!
「ヘブンッ!?」
「さ、佐夜!?」
運悪く扉の開閉部の間合いに居た佐夜が開いた扉に激突し、真桜がビックリした。
「真桜! 真桜はここ!?」
「え? あね……お姉ちゃん!?」
そして扉から入って来たのは正義とベリアルの戦いをスルーしてきた愛沙だった。ここで突然自分の姉が入って来た事に真桜は驚きと動揺を隠せない。
「ま……真桜?」
「な、何、お姉ちゃん?」
真桜を見た愛沙は思わず真桜を二度見し、ジリジリと真桜に近寄る。そんな不審な行動を取る愛沙に、これまたジリジリと後ずさる真桜。
「真桜─────!!!」
「うわぷっ!?」
ジリジリと近寄ったり遠ざかったりと埒がいかなくなったのか、愛沙は真桜に飛び掛かりそのまま真桜を抱きしめ、愛沙の大きな胸に顔が埋まった真桜が変な声を出す。
「ま────お───────!!!」
「お、おねえ……ちゃ………くるし……離…して………」
感極まった真桜の姉、愛沙がぎゅうっと真桜を抱きしめるが、抱きしめる力が強すぎるのと真桜の顔が愛沙の胸にすっぽりと埋まった為、窒息死になりかける真桜。抱きしめる愛沙の腕をタップするがその当人は感動で気付かない。
「痛つつ………。誰だよ、いきなり扉開けたの……って、愛沙?」
ドアトラップから回復しつつある佐夜が鼻や額を押さえつつ真桜の方を見ると愛沙が真桜をがっちりとホールドし、愛沙の胸の中で真桜が暴れていた。
「ま────お───────!!!」
「……………」
「……何、この状況?」
感極まっている愛沙に対し、遂にぐったりして気絶した真桜を見て、佐夜はこの状況についていけなかった。つか、魔王が胸の中で窒息死とか笑えない……。
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「何、アレ………」
ウサ耳美女のリアが部下と共にユフィと戦っている最中に瓦礫の下から現れた謎生物を見て唖然とした。
見た目的には大きな地竜なのだが、その背中から大きな触手が何本も不自然な感じで生えていて、その触手が周りにいた魔王領の住人や建物の瓦礫、その他の物を次々と捕食し、どんどん大きくなっていく。
「『(寄生触手)キメラタクルス』!? それに寄生先のあれって……『恐竜』!?」
唖然と混乱を起こしているリア達に対し、暴れている生物の正体を知っているユフィが珍しく大声で驚いている。
「どうしてあんなのが恐竜に………?」
そして何故本来生息している世界が違い、出会う筈のない寄生触手と恐竜が共存(?)しているのか、ユフィの頭上にハテナマークが乱舞する。敵前にして呑気だな?
「ユフィさん、混乱してないで戻って来て!」
「はっ!? え、ひなちゃん? どうしてここに?」
気付けば住人達を転移で避難していた陽菜々がユフィの腕を引っ張って謎のキメラから遠ざける。
「どうしてって……アレを見たらそれどころじゃないよ!」
「そ、そうね………」
暴れ狂うキメラ(?)を指差してて陽菜々が言う。そりゃそうだ。アレをどうにかしないと避難どころか自分達も、そして佐夜達にも被害が出る可能性がある。
と、なれば話は簡単。倒せばいい。……んだが、どうやって倒そうか?
「きゃあああああああ!!?」
「いやあああああああ!!?」
「「っ!?」」
そんな事を考えていたら突如悲鳴が聞こえてきた。振り向いた2人が見たのは、リアの部下数名がキメラを退治しようとして触手に絡め捕られていた。
「ロシュ、ティティ、メリア! ……ちっ、触手が邪魔です!」
「っ! ひなちゃん、あの子達の回収お願い! 招来【アリエル】!」
「ええっ!? 3人も!? ってあわわわ─────(焦)」
リアが捕らえられた3人を助けようとするリアだが、そのリアにも触手が回ってきた為、中々助けに行けない。
それを見るや否や、ユフィは陽菜々に回収指示を出して天使【アリエル】を召喚(招来)した。
その召喚(招来)されたアリエルが放った衝撃波で絡め捕られていた3人の触手が千切れ、3人が落下する。その落下の途中で陽菜々が転移&転移で移動しまくって3人を回収した。
「……何故貴女達が先ほどまで戦っていた私達を助けるのです?」
信じられないものを見るような目つきで言うリアに、
「元々、私達と貴女方が戦う理由は無いんですよ。私達の目的はどうやらアレの送還……は無理そうなので駆除ですね」
苦笑しながらユフィは手元にある端末の情報と、現に暴れているキメラを見て言った。
最後の送還対象は物質界から召喚された『恐竜』なのだが、どこで寄生されたのか分からない寄生触手が付いているんじゃもう送還は無理。あんなものを元の世界に送還したらドエライ事になってしまうからだ。(名古屋弁)
「「────にゃあああああああ! へぶっ!?」」
「「え?」」
するとリアとユフィの横にある階段からリオとチャアが(マンガみたいに)取っ組み合いながらもみくちゃになり転がって来て2人の前でべちゃってなった。
「「あ痛たたた………」」
「「………何をやっているの貴女達?」」
「あ、ユフィさん、この娘が……」「だってリア、こいつが……」
「「言い訳しないの!」」
「「あひぃ!」」
馬鹿みたいな事をやっているリオとチャアを叱りつける大人の2人。この光景だけを切り取れば仄々(ほのぼの)コメディっぽいのだが現状、今はすぐそこでキメラが暴れまくっているので呑気に遊んでいる場合じゃない。
「ユフィさん、回収終わりましたー……ってりっちゃん?」
キメラの触手に捕まってたリアの部下3人の回収を終えた陽菜々がユフィの所に戻って来ると、そこには敵と一緒に怒られているリオの姿があった。
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「うおおおおおおおお!!」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬう!!」
一方、魔王城内の一角では正義とベリアルが不毛な争いをしていた。
ガキィン!
「「はぁ、はぁ、はぁ………」」
勇者である正義と、その正義に敗けてから鍛錬を続けていたベリアルの実力は拮抗してて、両者ともなかなか互いにダメージを与えられない。
「あ、相変わらず憎たらしいほど強いな……」
「お、お前こそ……あの時より全然強いじゃないか……」
両者とも剣を杖にして肩で息をする程、激しい攻防をしていたのだが流石に少し疲れた様だ。
「何だ魔剣師よ。まだ勇者と戦っていたのか?」
「全くだ。使えないのにも程があるぜ」
するとどこからか現れた魔族らしき者達がベリアルに声を掛ける。
「魔導士に暴君か……今更何しに来た?」
ベリアルが舌打ちしながらやって来た2人に問う。
この2人は魔将軍の魔導士と暴君を司る、ベリアルと地位が同じ者達だ。
実は剛が流星を魔王領へ仕掛けて街のあちこちに被害が出ている間、この2人を含む幹部の者達は皆、避難していたのだ。
街の住人達を放っておいてだ。
「何、とはまた異な事を言う。我が領に侵入した者達を抹殺に来たのよ」
「……攻撃された時、真っ先に逃げてた奴等が言っていいセリフじゃないな」
逃げた奴らが今更やって来た事に苛立ちながらベリアルは悪態をつく。
「そもそもよー。頑丈な魔王領がこう簡単に壊滅的被害を被ったのは領内にスパイがいるかもって噂だぜー?」
「スパイだと?」
暴君が言った言葉に一瞬、佐夜を思い浮かべたベリアル。
「……あー、あんた等、話の途中で申し訳ないんだけどよ。多分スパイ云々は関係ないと思うぜ?」
「「「………は?」」」
「どういう事だ?」とばかりに正義を見る3人の将軍達。
「確かに俺の仲間が領内に侵入して色々とアレコレしていたけどよ。それが突然急に第三者がやって来てこの様さ。なので魔王領内の惨状は俺等の所為じゃない」
ゼロから世界破壊者について軽く教えてもらってた正義が魔将軍達に伝言ゲームが如く、軽く説明する。
「そうか、我が領をこんなにしたのはそいつの所為であったか。だが───」
「そうだな。そんなの関係ねぇな」
「え゛? んぐっ……!?」
理解を示した魔導士と暴君の2人だったが、何故か関係ないと言い、正義へ殺気を飛ばす。
「たかが人間にここまで領内を破壊されたのだ。『誰が』じゃなく『人間』がな」
「───だからよ。てめえらがこれをやっていなくても、てめえを殺す事には変わりないって事だ。当然の話だけどな」
「……ちっ、ここに来て最悪の展開だな……!」
殺害予告をされてようやく息を整えた正義が剣を構える。相手は3人。しかもベリアルと同じ将軍クラスだというなら不利どころか死すら覚悟しなければならない。
しかしここで正義にとって予想外な事が起きる。
「って事はよ。魔王様のメイドの奴はスパイじゃなかったって事か?」
「そうじゃのう。だが、奴も『人間』。いつ寝返ってもおかしくはない」
「ならついでに『殺しとく』か」
「な……何だとっ!?」
暴君と魔導士のやり取りに反応したのはベリアル。
「おいおい、どうした魔剣師。……まさかお前、あの女に気があるのか?」
「そ、そそそ……そんな訳……(赤面)」
「顔真っ赤にして否定しても意味ないのぅ」
「ぐ、ぐぬぅ………(赤面)」
同僚の2人にからかわれ、ベリアルが苦悶する。
(魔王……っていうか真桜のメイドって佐夜の事だよな……って、はあああ!?)
佐夜が『男』だと唯一知っている正義はベリアルが佐夜に好意を持っている事に驚愕した。
(いや、あの暴君とかいってた奴は佐夜を『女』だと言ってた。ならこいつも佐夜が『男』だとは知らない筈……)
佐夜のあの容姿を見て誰も『男』だとは思わないだろうな~っと正義は思考しつつ、剣は構えたままだ。そうしている間にも将軍の3人の話は続く。
「確かに人間にしてあの美貌……胸が残念だから俺の好みじゃねーしな」
「ワシはむしろあの状態でもう少し幼くした方が好みじゃ」
「いや、そんな事は聞いてない」
暴君と魔導士の性癖にどうでもよさげなベリアル。
(そこんとこは人間と変わらないのな……)
そして蚊帳の外で話を聞いていた正義もそんな事を思った。
「けど残念だなー。あの子が魔族だったならともかく人間じゃなー」
「そうじゃな。先ほど『魔王様の部屋に向かって行った小娘』同様、殺さねばなるまい」
「なんだって!?」
「ちっ……!」
暴君(巨乳好き)と魔導士のセリフに正義とベリアルが反応。ベリアルは佐夜(以下略)だが正義の場合、『魔王の部屋に向かった小娘』というセリフが愛沙を指している事を瞬時に察知した。
「愛沙と佐夜を死なせてたまるか!」
「我が嫁、佐夜を殺させる訳にはいかない!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「「んん?」」
正義とベリアル、互いに『佐夜』の事で反応し、顔を見合わせる。ベリアルは正義と佐夜が知り合いだという事に反応し、正義はベリアルの『我が嫁』というセリフにだ。
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「かはっ!?」
その頃、魔王領の外にある谷底の壁にゼロがめり込んだ状態で吐血していた。
(ちっ。これでも割とそれなりに鍛えたんだがな……)
組織内で世界破壊者に対抗できるのは神であるマロンと、天使のヴァン、そしてまだ登場はしていないゼクターだけ。
能力者でもなく、魔法も使えない、気も操れないゼロは暇を見つけては己の肉体改造や武器・兵器の開発製造を行い、自分や義信などといった無能者でもせめて『時間稼ぎ』くらいは出来ると思っていた。
だが結果はどうだ?
銃などの攻撃は初撃移行、全く当たらず、回避も最初殆どギリギリだったが、後半はほぼまともにくらいし、もう既に7、8回は壁にめり込まれた。
「くうっ………!」
「……まだやる気かよ?」
よろよろと壁から出て来たゼロに対し、剛は退屈そうに『木の棒』をポンポンする。剣ではなく『木の棒』をだ。正直舐められてるのは明白だろう。
「仕方ない……か。正直アレは使いたくなかったんだがな………」
そういってゼロは懐からカプセル型の薬を取り出し、口に含む。
「む? まだ何か企んでるのか?」
不審な行動を取るゼロを見て剛は少し警戒する。
ガリッ!
「く……~~~~~っ!!!(苦痛)」
薬を服用した事でゼロが全身の痛みに苦しみ、声にならない声を上げる。
「………薬を飲んだくらいでこの形勢をどうにかなるとは思わないが……ここはいっその事、気絶させるか」
いつまでもダラダラする程暇じゃない剛は苦痛に歪むゼロに近付き、『木の棒』を振りかぶる。
スカッ─────
「………はへ?」
だが、振り下ろした木の棒は空を切った。
ジャキ────
「っ!?」
そしてその直後、剛の後ろで気配がし、剛は瞬動でその場所を移動する。
バァン、バァン、バァン!
「くっ、よっ、はっ!」
だがそんな剛の移動先をゼロが連続で狙い、剛もそれをひたすら回避する。
「はぁ、はぁ……お前、一体何をしたんだ?」
先ほどとはまるで動きが違うゼロに戸惑いつつ剛は距離を取って問う。
「なぁに、ちょっと身体能力を上げる薬を服用しただけだ(勿論副作用は出るがな)」
銃を構えてゼロは先ほど服用した薬について説明する。
先ほどゼロが飲んだのは身体能力は勿論、思考・演算能力をも急激に上げる事の出来る薬物なのだが、実はこれ、まだ試作段階程度にしか出来ていないので、副作用が半端ないのだ。
実はこれ、義信も服用したのだが、義信に渡したのが2倍のやつで、それでもこの世界破壊者には通じなかった故、ゼロが服用したのはその2倍を遥かに超える5倍のやつだ。正直非常に危険である。
「なるほど。確かにそれくらいしないと俺には届かないよな」
身の危険を冒したゼロに対し、ニヤリと笑って木の棒を肩に乗せる剛。
「……別にお前に届くとか届かないとかどうでもいいさ」
「? どういうことだ?」
薬の副作用(頭痛)に耐えながらゼロは言う。
「俺はここでお前の時間稼ぎを出来ればそれでいいのさ!」
痛む頭を押さえつつ銃を構えるゼロの姿はまるで厨二病を患ってる奴っぽかった。
次回に続きます(当たり前)




