第27話 ~無自覚なNPCの恋?~
今回も短いです。はい。
………え、前フリは無いのかって?
剛とかハーマンは今、帰省中なんよ。お盆なので。
『GAAEァAあEえ$亜EァEぁえぇE@阿あEEえェEEE××E絵EァEEアEエえぇE#Eぇあァ─────ッ!!!!!(怒)』
「ぅおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「やばいやばいやばいでござー!!」
「真っ赤な巨大顔面が追って来る!?」
『うっほーwww』
「何か1匹ゴリラが混じってる!?」
「いいから走れ! またショック死したいのか!」
「アレは正直クルよなぁ!」
佐夜達がひろしの友人らしき人物を看取ってるその際中、東島含む覚助達(東島、覚助、御剣、詩紗、蒼太朗、琢磨、優李、リベッタ、メメットとその他数名)は初見である赤鬼達(総称)から二手に分かれて必死に逃げていた。
「「ぎゃああああああああああ!!?」」
「「いやぁあああああああああああああああああああ!!!(超悲鳴)」」
「あー、向こうのみんな捕まったのか……っ」
「接触しすぎてトラウマにならなきゃいいけど……南無南無」
「正直佐夜達を尊敬……」
捕まった者達を南無南無する優李に他の者達も真似する。
一応ラスダン凸前に佐夜達と情報交換してレボリューションで何があったのかは聞いていたがまさか精神攻撃して来るとは思っていなかったのだ。精々ネットでやるホラゲーみたいな物だと思っていたからだ。実際、赤鬼系はネットで配信されていてはいるがネットの時とは比べ物にならない位怖い|(佐夜談)。
「ん? あ、おいそこのアンタ、ここで何やってんだ早く逃げろ!」
「………ん?」
すると美人に目が無い覚助が呑気に道端で佇み、目を瞑りながら煙草を吸っている女性を発見し逃げる様に言う。するとその女性は自分に声が掛かったので目を開けて覚助と目が合い、次に例の赤鬼に視線を移すが焦る様子も無く呑気に欠伸までする始末に覚助は「ちっ、何やってんだ……っ」と舌打ちして方向転換し、白髪ポニテの女性に近付く。
「おい聞いてんのか!? ここにいたら奴等に襲われるんだぞ!」
「そうね。……で、アンタ達この先に進みたいの?」
「……そうだ。けど複雑に入り組んでいてどこが出口に繋がっているのか全く分かんねぇんだ」
迷いの森よろしく複雑に入り組んでいるので入る事は出来ても出口、つまり先には進めずに今までずっと最終的に赤鬼達に捕まって奇声を浴びせられるのだ。このままでは誰かのSAN値が無くなるのが早い。
「そ。じゃあ先に進みたいのならこのステージ内にある13色の宝石を集めて私の所に持って来なさい。そしたら何とかしてあげる」
「本当か!?」
まさかここにゴ-ルへのヒントがあったとは思わなかった覚助はすかさず皆に強制一斉通話モードで伝える。
するとほんの数分後───────(あ、おー。あ、おー。)
「えっと………早かったわね」
「ああ………正直時間掛かると思っていた俺も」
本当は宝石を持ったまま例の赤鬼に接触すると手に入れた宝石は元の場所に戻る仕組みだったらしいのだが、ここでなんと優李達の連携で『死にそうになったら他の誰かに宝石を託す』作戦が役に立ったらしく、おまけに元々冒険者のリベッタが偶々見つけて回収していたのが9個もあったので後はほんの4個だけ探した結果、ほんの数分で全部集まったのだ。これには正直NPCの女性(?)もビックリだ。
「何だか拍子抜けでござるがこれでようやくボスの元に行ける……」
「ああ、事前情報だと赤鬼の時のボスは『死神騎士』っていう攻撃力半端無い奴らしい」
「ただでさえ攻撃力1でも死ぬのに1億とか意味分からん」
「ええ、気を付けないといけないわね……」
ダメージ判定の数値などはこの世界では無意味だが、無駄に数値化されて出た数字を見た佐夜達の反応を見るにどれだけ凄いのか、ある意味興味がある。
「うん、全部あるわね。じゃあはい、これでステージクリアよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「「「「「「「………はい?」」」」」」」
集めた宝石を確認した白髪ポニテは淡々と言いながら指を鳴らす。すると白髪ポニテの横に出口と思われし光のゲートが出現。だが皆はそれより白髪ポニテが発した言葉に耳を疑う。
優李「く、クリア?」
白髪ポニテ「ええ、クリアよ。お疲れ様」
東島「いやいやいや、ボスは? 死神騎士は?」
白ポ「いないわよ」
メメット「……簡単すぎない?」
白ポ「本当は私に話しかけてから宝石を集めるんだけどその前に殆ど集めちゃってたから早く終わったのよ」
琢磨(意味も無く変身中)「じゃ、じゃあもうこれで終わり?」
白ポ「そ。早く行きなさい。じゃないとここにファントム達が来るわよ?」
蒼太朗「ぅわぁあああああ逃げろー!」
そう言った途端遠くから奴等の地響きが聞こえ、蒼太朗の叫びと共に皆は次々とゲートを潜って先に行き。
「───っと、そうだった。ちょっと待って」
「ん、どうした?」
先に後輩達を行かせて最後に行こうとした東島だったが、潜る前に白髪ポニテに呼び止められる。
「少し前にここ『幽遊界』に迷い込んでファントム達からの追跡を振り切ったアホ顔で赤髪の青年を知らないかしら?」
「赤髪の青年? そうすけの事か?」
白髪ポニテの言っている奴がそうすけの事なのかは知らないが、今の所当てはまるのがそいつしかいない。「確かにあいつ、気を抜くとアホ顔だな」と思いながら東島はスマホでそうすけの画像を見せる。
「ええ、こいつよ。こいつにコレを渡してくれないかしら?」
「? これは陰陽師のアレか?」
そうすけだと断定した白髪ポニテは東島にどこかで見た事のある陰陽師が持っていそうな白黒の勾玉が合体した不思議な球体を渡される。何かオーラが出ているが悪い物ではなさそうだ。
「あいつね。1度だけならともかく、何回も幽遊界に迷い込んでしまうからいつ死んでもおかしくないのよ。これを持てば多少はマシになるかもねっ」
と、腕を組んでそっぽ向く白髪ポニテに東島はある既視感を抱く。
それは、
「お前………あいつの事好きなのか?」
「っ!? ば、ばっかじゃないの!? な、な、にゃんで私があいつの事好きににゃらにゃきゃいけにゃいのよっ」
「噛み噛みじゃねーか」
………どうやら図星の様だ。噛み過ぎて猫語になってるw
「にゃ、にゃに笑ってるのよ!? 早く行きにゃさい!」
「ぅを!?」
図星疲れて慌てる白髪ポニテにちょっとほっこりした東島だったが、最終的に怒りを買ったのか思いっきり突き飛ばされてゲートに入れられた。
「……全く。私はただ──────ただ?」
揶揄ってきた東島を追い出し1人になった白髪ポニテは頭を冷やし、冷静になって考えるとある矛盾に気付く。
(え、ちょっと待って!? あいつはただの試験体。なのに何で私はあいつの事を心配してんの!?)
幽遊界に存在すると言われる赤鬼達は基本迷い込んだ人を試験体と呼び、その試験体が死のうが生き残ろうがどうでも良かった筈だ。なのに白髪ポニテは何故かそうすけを意識していたのだ。それがどういった感情なのかは分からないがこれがきっかけでこの白髪ポニテの女性【桐生 命葉】NPCから自我を持ち、後々イニシエに色々と騒動を持ちかけるがそれは後の話。
『GYAAAAAA?』
『GYOEEEAA?』
『うほ?』
そんなモジモジしている命葉を見て周りのファントムや内藤さん、赤ゴリラも首を傾げていた。
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「お? 遅かったな。何してたんだ?」
「ん? あ~~~、何でもない。他人のプライバシーの保護って奴だ」
「「「「「?」」」」」
命葉に押し出される感じでゲートを潜った東島は近くにいた覚助に聞かれると一瞬躊躇ったが、恋の云々は他人が手出しして良い物ではないという考えにいたり口を割らなかった。割らなかったが何故か( ̄ー ̄)していた。
剛「いや、いるし」
作者「いたの!?」
ではまた。




