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異世界無双禁止規定(ステージ オブ グラウンド)『緩』 ~歌姫神と称された少年のあれこれ~  作者: 浅葱
第8章 I WANNA THE WORLD ELEVEN
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第14話 ~天罰の行方~

マロン「く……っ。このクワッパ強い!?」

ハーマン「うぬ……。この正確な操作、一体誰が操作してるのだ?」

剛「『IPPEI』って奴らしいぞ」

マロン「アイツかー!?」


 IPPEIこと一平は機関のボスです。


 リーンゴーン~~~♪


 結婚式会場で盛大な鐘がなる。


 そう、今日は()の結婚式。


 あの人と永遠に結ばれる日。


「さやや、結婚おめでとうー!!」


 教会の扉が開き、リオの祝福の言葉と共にワァーっと他の人達も祝福の言葉を投げかけ、ウェディングドレス姿の新婦佐夜と新郎の男性が慎ましながらも照れ臭そうに腕を組み、幸せそうな顔で階段を降りて来る。


「みんな………ありがとう~~~~~っ(涙)!!」


 そして定番のブーケを投げながら佐夜は皆に大感謝し、美里佐夜の物語はここで完結。










 ふぃん。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「お~い。戻ってこーい!!!」

「痛い!?」

 誰かに思いっきり太腿の内側をつねられ、佐夜は我に返った。


「はっ!? ここは誰? 私は何処!?」

「うん、そのテンプレ台詞が出る様なら大丈夫だな」

「どれだけ混乱してたんだお前?」

「え、健太? それにるなも?」

 何故かウェルダンにいる筈の健太とるなが佐夜を正気に戻す。ちなみに先ほど佐夜の太腿を抓ったのはるなだ。健太が下手に触ればセクハラ(?)になりかねないからである。どっちも男だけ………いや、今、佐夜は女の子だった。


「それで? さっきから何か譫言うわごとで結婚がどうとか言ってたが……相手は誰だー?(・∀・)」

「ふぇっ!?」

 どうやら変な世界に行っていた(?)時のセリフが漏れていたらしく太腿を抓っていた月に聞かれた模様。思わず顔が真っ赤になる。乙女か!


 (………そういや、相手の顔は見てなかったな?)

 絶望妄想(?)の中とはいえ、相手が誰だったのかは佐夜にも分からない。


 というかすっかり佐夜が女の子側に立っているが、佐夜は男だからな。今の所。


 ニヤニヤしながら問いかけて来る月の質問には答えず(というか答えられない)、何故この2人がここに居るのかを逆に聞く事に。

「単にこっちが人手不足だからというのと危機回避能力が高い俺達2人が呼ばれたんだ」

「え、健太はスキルがあるから分かるけどるなは?」

「あ? アタシは単に勘でトラップを避けているからデス数が少ないという事で呼ばれただけだ」

「あ、ホントだ。まだデス数が百も逝っていない!?」

 超危機回避能力スキルを持つ健太のデス数は未だ41回に対し、そのスキルが無いるなも罠を直感で避け続けているらしく、まだ86回しか死んでいない。

 それに加え、健太(と月)の活躍で全9面のウェルダンステージの内、7面までクリアしたらしく、残りは2面のみ。これだけなら後の人達で何とかしてもらおうという事で2人が呼ばれたらしい。


「でも2人だけだと全然足りないんじゃ?」

「ああ、だからヴァン先生(センコー)機関オルガンに協力要請を掛けたらしい」

機関オルガンに?」

 そういえば健太とるな以外の人達が見当たらないなぁ、と佐夜は周りを見渡そうとした。その時、




「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!(大泣)」

「っ!?」

 すぐ近くに聞き覚えのある人の泣き声に佐夜はビクッとなり、その方を見ると、




「良がった………っ。本当に良がっだぁ~~~~~~(超泣き)」

「はいはい、大丈夫………大丈夫だからね(呆れ)」

 機関のヤンキーであるやすし(本名『大江野やすし』)が分裂(?)して個別化(?)した佐夜に憑いていた筈の喜屋武美里を力の限り思いっきり抱きしめ、美里も内臓や骨がミシミシ悲鳴を上げて激痛が走るがやすしの気持ちも分かるので、少々呆れながらも大泣きするやすしをあやす。

 今でこそ美里を失い、やさぐれてしまっていたやすしだが、もう取り戻せないと思っていた愛しき人がまさかの復活を果たした事で人目を気にせずに泣き付く。まるで子供の様に。

 その光景を温かく見守っていた他の帰還の人達もあえて再会の邪魔はしない。


 なのであの2人は放置で。下手に声を掛けると何されるか分かんないし。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ニケ「すまんサヤ! イング達にサヤの身元がバレてしまった!」

佐夜「ぅお!? 謝るのは分かるけど抱き着く必要は無いだろ!? いいから離れてくれっ」

ニケ「おっとと。つい女の子をハグする時に出る癖が」

健太「まぁ、今の佐夜は女だからなぁ」

るな「いや理由になって無いだろ」

 ニケは仲の良い女子に挨拶する時には大抵ハグをする癖がある(ノンやロロとか)が久しぶりに会った佐夜が男だという事を忘れていたらしい。つっても健太の言う通り今は女の子だから別にいいのか。


勇治郎「おっす、久しぶり。相変わらず乙女してるな」

佐夜「乙女してるって何!?」

グラス「普通の女の人より女の子っぽいって意味っす!」

健太「じゃあ女の子じゃん」

ルイ「おーいえー(=_=)/」

佐夜「女の子じゃない!」

るな「今は女だろうがアホ」

佐夜「俺は男だぁ!」

勇治郎「………どこがだよ?」

 収集付かねぇ。



 閑話休題なんだこれ

 

「なるほど。俺との記憶おもいでは思い出してないけど謎の7人目がSAYAというアイドルの等身大ポップを見て大体の事を思い出した、と」

 勇治郎が健太と月、ルイを連れてティーナ達の方に行き、ニケから詳しい話を聞く事に。


「ああ、多分それでサヤに天罰が喰らったんだと思う」

「なるほど。それなら納得だ」

 美里が佐夜から離れたのに佐夜の身体が女の子のままなのにはこれで理由が付く。


「でもそもそも何故美里さんが俺から離れたんだ? 俺を常時女体化するだけなら別に存在を分ける必要も無いだろうし、天罰なのにあれじゃあご褒美になってるぞ?」

「た、確かにそう言われてみればおかしいニャ」

「語尾」

 佐夜に指摘されて思わずニケから猫語尾が出た。


 確かに今まで佐夜は自分の事を一貫して「男だー!」と言っているので美里が憑依し、表に出て来る時点で十分罰ゲームになっているのだが、その美里をわざわざ佐夜から引き剥がす意味が分からない。


「あの……佐夜さん? ちょっといいかしら?」

「え、ああ……アンタも居たのか」

「………まぁね」

 すると今度はどこにいたのか勇治郎の彼女である平泉ゆかりが声を掛けてきた。ちなみにゆかりは陰陽師である。どうでもいいが。


「ちょっと貴方達の話を聞いてちょっとある仮説が成り立つのだけど聞いてくれるかな?」

「あ、ああ分かった」

 影薄扱いされてちょっと傷付いたゆかりだったがいちいち落ち込んでも時間の無駄なのでさっさと先ほどまとめた仮説を話す。


 要はこういう事。


 佐夜が女体化したのは天罰でまず間違いない。

 だが禁忌を犯して佐夜との記憶を消去された事に対し、完全ではないとはいえ一部の記憶を取り戻した罰としてはいくらなんでも軽すぎる。だってゆかりは天罰を喰らった人物を知っているから本来ならこんな物(・・・・)では済まされない。


 ………だとしたら佐夜に行く筈の罰は一体何処に行ったのか?


「まさか……美里さんに?」

「多分だけど……ね」

 佐夜とゆかり、あとニケも3人で美里とやすしの方を見る。ちなみにまだやすしは美里を抱きしめたまま号泣している。気持ちは分かるけどそろそろにしないと今度は圧死してしまうぞ。


「………今思えばアニカの件も納得してなかったけど天罰の事を含めれば辻褄が合うか」

「アニカって半蔵さん達が言っていたピンク髪の子?」

「ゼロとリクと一緒だにゃ」

「だから語尾」

 1度口走ると中々元に戻らない様だ。


 そういえばアンヴェにてアニカから悪魔・アンデッド系の闇属性を剥離し、佐夜のDNAを付加して転生させた時、いくら佐夜が女神と関係があるとはいえ、実際に神の力を発現させていない以上、あの時点で只の人間の遺伝子だけではアニカがあんな事になる筈がない。

 ※:実際その後のゼロの調査で佐夜の遺伝子を調べてもアニカ問題は結局迷宮入りしたままなのだ。


 ………多分、あの時点で既に佐夜は天罰を喰らっていて、その天罰を喰らった佐夜の情報を組み込んだ結果何とかアニカが転生に成功したのではないか、と考えた。

 となれば本来喰らうべき天罰(軽め)は佐夜、アニカ、美里の3分割に別れて佐夜本人への被害が減ったんじゃないか?


「アレ? でも結局美里さんが俺から離れた原因が分からないな?」

 それにアニカはともかく、美里に行った天罰の力はどうしたんだろう?


「恐らくだけど美里さんが佐夜さんから離れた、というよりは佐夜さんがデスった時気絶した所為で佐夜さんに憑いていた美里さんが剥がれたんじゃないかと。それにこの世界は今、アイワナ時空になっていて、個々の魂が非常に不安定になっているの。実際佐夜さんと美里さんが分裂したのならデス数も一緒になるか半分こになる筈だけど……実際美里さんのデス数は『0』よ」

「た、確かにアイワナなら何でもアリなのか」

 言われてみればこの世界は何でもアリで、千デスを越えない限りはいくらでも復活できる。


 それが例え、既に死ん(・・・・)でいる者(・・・・)だとしても、だ。


 けど『この世界がアイワナ時空と化す前に死亡した人間が復活した』という事例や情報が無い以上、やはり美里が復活したのには佐夜が関わっている事は明確だろう。


「ま、何にせよ、これでようやくやすしの心は救われた訳だ」

「ああ、正直あれから心配していたから良かったよ」

 こっちに戻って来て話を聞いていたらしい勇治郎が優しい目でやすしと美里を見つめる。多分勇治郎もやすしの事が気掛かりだったのだろう。だっていつもずっと不機嫌そうにしていたから。




「zzz」

「ただいま」


 そして泣き疲れたやすしは立ったまま寝てしまい、美里が抱き返したままようやく帰還の挨拶をした。








 と、まぁ、この状況でこの回を終わっても良かったのだけどそれは問屋が卸さない。


「「「「「「「「うわあああああああああああああああ!!?」」」」」」」」


「「「「「っ!?」」」」」


 綺麗な終わりをするのかと思ったら今度は皆がいる場所の後方、つまり5面から大勢の男子達が何故か皆女装をしており、更に男大好き『阿部さん』集団はともかく、少数ながらも4面の多種赤鬼達や3面の青鬼達が一挙に押し寄せてきており、現場は大混乱となった。



阿部さん軍団「「「「(BGM)や・ら・な・い・か?」」」」


 やりません。



マロン「ふ………アイワナやろう」

剛「勝てないからって諦めたな」

ハーマン「うむ。よくよく考えたら遊んでいる暇は無い。ふぬぁ!」


 呼吸、たのしい。

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