第25話 ~運命を壊す者(ほぼ説明回)~
マロン「あれ? 前回「次が7章の最終話」とか言っていなかった?」
クー「……言ってた。けど文章の長さから分けたみたい」
マロン「……相変わらずグダグダね」
作者「ホントすみません」
「「「「「──受け継いだ光~~~~♪」」」」」
……って結局佐夜、最後まで歌ってるし!(ズビシッ)
色々な意味でこの世界に閉じ込められていた魂(亡霊)達が螺旋状に描きながら天や元の世界に還っていく様を某・スマでブラザーズのゲーム(殆ど言ってる)のED風に乗せて男子共が歌う。最初は「ダメだろ!?」とツッコんでいた佐夜も途中から耐えきれずに一緒に歌ってしまい、女子達からツッコまれる。
ォォォォォォ……………
「逝った……か」
「……ですね」
「リオ達が出来るのはせめて来世で幸せになれる様、祈るしかないからね」
「だな。結局は運に任せるしかないけどな」
「うん」「はい」
逝った者達を愁んでいるのかちょっと元気が無いリオとアニカの頭を撫でて宥める。ちょっと元気が出た様だ。
「では皆さん。そろそろ撤収の準備を────」
と、もうやる事が無くなった事で撤退準備をする様ティーナが指示を出そうとした。その時、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴgggggggggggggggggggggggggggggg──────────
「「「「「「「「「「うわああああああああああああっ!?」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「きゃああああああああああぁぁっ!?」」」」」」」」」」
猛烈な地響きと共に縦揺れの大地震が発生し、この世界に立っていた者達は皆流石に耐え切れずに倒れこんだり、尻餅を着く。それほど規模が大きいのだ。
「……(世界喰いを倒す時間)ギリギリでしたね。皆さん、早急に外界へ撤退してください!」
いち早く立ち上がったティーナがそう指示し、我に返った生徒達及び最終作戦に参加したベレッカとシャルルは慌てて自分の所持品を回収し、転送にてアルゴノート(もしくは機関の船の方)へ戻って行く。
「……もうすぐこの世界は崩壊するんですよね?」
「ああ、崩落・消滅などをひっくるめて『滅落』と呼んでるみたいだけど……どうした?」
「……いえ、何でもありません。とりあえず僕達も戻りましょうか」
「???」
明らかに何かありそうな感じの新にちょっと違和感を感じつつも佐夜は新と共にアルゴノートへ戻った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ハズさん。管理者権限を僕に貸してください!」
「え、何、急にどうしたんだ!?」
「さ、さぁ?」
アルゴノートへ戻って数秒もしない内に新はエグゼィからシステム奪還作業で疲れ倒れているハズに詰め寄る。
「って、あぁもう説明してる時間も無いですから恨まないで下さいよ!」
「ゑ!?」
と、何の説明も無く新はせっかく苦労して奪還したアンヴェのシステムコアをヘルゼムルに喰わせた。
「おい新何やってんだ!?」
「しっ、今は何も言わず僕に任せて下さい………っ!」
その一瞬の出来事から我に返った佐夜は新に掴み掛ろうとするが新はそれどころじゃないと言わんばかりにシステムコアを喰わせたヘルゼムルを自身の周りに展開し次の瞬間、誰もが驚く様な事をしだす。
「幻想界『アンヴェ』展開。地上損傷率96%、維持エネルギー残量3%、外殻膜損傷率65%ですか。これでは流石に………お、還元物質率72%? ……これならイケるかも!?」
まるで管理人が展開させる様な感じで世界の現状情報をモニターに映していき、末期状態のアンヴェの状態を見た新はともかく、それを見た他の者達も「危ねぇ、ギリギリだった……」と、うっかり滅落に巻き込まれそうになったのをヒヤヒヤしていた。
「な、何で神でもないのに閲覧出来てるんだ?」
「さぁ?」
恐らくヘルゼムルが邪神だからだと思う。
驚くハズやクラスメイト達を知る目に新はボロボロで今にも少しずつ崩れていく世界の情報から『還元物質アテリア』を使い、一時的に滅落を止める。
「あの……新さん? そんな事をしても滅落は止められませんよ?」
世界の事をよく知る協会の教師であるティーナが何をしているのかは分からないけど新を止めようとする。何故なら基本的に滅落が始まってしまったらもう手遅れなのだから。
「……さて、それはどうでしょうか?」
「「「へ?(〇_〇?)」」」
しかし新はそんな事知った事じゃないと言わんばかりにアンヴェの還元物質や縮小・最適化、その他の機能を駆使し、何とかなりそうだと言う。
「……なるほど。よく考えたなぁ」
「え、どういう事ですかマスター?」
すると新のやっている事にいち早く気付いたゼロが眼鏡をクイッと直しながら感心する。
要はこういう事。
新の持つヘルゼムルは強奪の化身、もとい邪神(?)。対象の持つスキルや機能を奪って(コピーでも可)自身の能力をUPする事も出来るが、それだけだと他のスキルテイカーでも同じである。
そこに差があるとすれば、ヘルゼムルは曲がりなりにも『神』なので当然強奪だけでなく他の一般には無いユニークスキルや神(が使える)スキルも持っている事だ。多分エグゼィを倒す際に『管理者権限』か『代行者』のスキルを奪ったのだろう。そうでなければそこの世界の管理人以外の一般人が内部にアクセス出来るはずがない。
勿論、内部にアクセス出来るからといって滅落中の世界を直す事は基本出来ないが、今現在アンヴェにアクセスしているのはハズではなくヘルゼムルこと新である。
新は先ほどティーナが言っていた様に還元物質『アテリア』で一時的に滅落を止めてはいるがこれは1回こっきりしか使えない上、効果も10分程しかない。
本来はまだ避難出来ていない住民を逃がす為の緊急措置なのだが、別に新は残っている北の国の住人の為に時間を稼いだ訳ではない。
「アンヴェの全体積を34%にまでカット、続いてその分穴だらけの外殻膜も縮小して穴を塞ぎ、残りの亀裂はアテリアで埋める」
つまり、アンヴェを小さくして滅落を防ごうとしているのだ。勿論これは残っている北の国の住人の為ではなく、メアリーの願いでやっている事だ。
「壊れた循環機能は体積をカットした際に還元したアテリアで修繕&アップデートし、壊れる原因となった人間の『魔法』の使用も削除する事で世界を運営する為のエネルギーコアも壊れる心配が無くなる」
元々この世界は昔いた他の人型生物&魔物のエルフ、ドワーフ、オーク、ゴブリン、その他が世界を汚す汚染物質を循環して上手い事回していたのだが、数百年前に人間が人型の生き物を殆ど絶滅させてしまっている為、汚染物質が溜まりまくって循環機能もパンクし、エネルギーコアにも穴が開いた事で水は腐るは魔物は突然変異するわ、東西南北で異常気象が起きて雨も殆ど降らなかったり雪ばかり振ったりし、食料を求めて他国へ侵略する為に異世界から人間を召喚しまくって外殻膜に無数の穴が開いて呼んでもいないのに大勢の異世界人が迷い込んだ挙句、重大な事故も多数起きる結果となった。(長ぇ……)
故に新は絶滅した生き物の復活は無理でも世界が壊れる原因となったもう一つ『魔法概念』そのものをシステムから削除した。これによりこれ以降、この世界では人間魔物問わず一切の魔法が使えなくなった。
「続いて異常気象が続いている北の国の吹雪気象をアテリアで通常気温20℃前後に正常化。同時に残っている雪は全て水に変換し大きな湖に流し込む。これで寒さと水不足、植物栽培問題は解決」
そもそも北の国の住人が他国や異界人に対して厳しいのは単に寒さと食料問題から来る精神的苦痛なのだ。南の国と比べて植物が育たないし輸入ルートも雪で覆われている為に殆ど食料が供給されない。そりゃ精神的に病むわ。
だがそんな異常ともいえる気象が改善されれば今はともかくいずれ心にも余裕は出てくるだろう(多分な)。
「す、凄いですね………」
「あぁ、流石世界破壊者。この絶望的破滅な運命を見事壊しやがったな」
「………え?」
てっきり残してきた北の国の住人を回収するのかと思っていたティーナだが、まさか短延命をこんな使い方するとは思わなかったらしく、興味津々に見ていたら横でゼクターが気になるセリフを言った為、ティーナは固まった。
「『運命を壊す』? お父さん、それってどういう────」
「そんな事よりほれ、もうすぐアンヴェが再誕するぞ」
「っ!?」
気になるセリフの意味を聞きたかったティーナだが、それよりも滅落寸前の世界が再び蘇る光景を見ようとモニターの前に行く。
カッ─────────────(世界が光りに包まれる)
「「「「「「「「「「おおおおお~~~~~~っ!!」」」」」」」」」」
そしてタイムリミット手前、9分が過ぎ、全ての縮小・最適化が完了して新がエンターキーを押すとボロボロだったアンヴェが光りに包まれ、光が収まるとそこには地球並みの星が映っていた。
世界の規模は前より大分小さくなってしまったが、千年もすれば元の形に戻るだろう。それに魔法概念も削除したので例え戦争してもそこまで大幅な世界異常は出ないだろう(核とか作らなければの話だけど)。
・・・・・・・・・・・・・・・。
「ん? ちょっと待て。魔法概念を消し、おまけに元より人型生物は人間以外ほぼ存在しないって事はこの世界、『物質界』になってるんじゃないのか!?」
「あ………」
しかし、ここである事に気付いた義信がそう言うと当の本人はすかさずアクセスパネルに書いてあるカテゴリーを見る。
そこにはこう書いてあった。
幻想界アンヴェ⇒物質界アンヴェ(大体西暦800年くらい)
「ま、まぁ滅落状態から奇跡の復活しただけでも良しとしましょう、か?」
「ああ、どうせ放っておいても滅落していたんだ。それをどう救おうがそいつの勝手だ」
「そ、そうですか。なら良かったです」
色々削除した結果勝手に世界カテゴリーが変わって怒られるかと思った新だがゼクターは溜息をしつつも容認した。
作者「さて、次こそ本当に7章の最終話だ!」
クー「……次章こそ私とヴァンの出番」
マロン「く……っ、私の出番は何時になるの?」
作者「さ、さぁ?」
マロン「ぬぁー!」
ではまた。




