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第23話 ~最後の一撃(後編)~

作者「や、やっと終わった………」

マロン「いや、どうやらまだみたいよ(ネタバレ)」

作者「にゃあああああ(叫び)」


クー「……まだあるんだ?」


『ttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!!!!!』

 一度捕らえた筈の獲物を奪われた怒りからなのかエグゼィが発狂を促す黒板を爪で引っかいた様な咆哮をする。アニカの精神世界ではこれで新が狂気に冒されたが今は神玉の効果で狂気に冒される心配は無いが、流石に黒板引っ掻き音は脳に響く為思わず両手で耳を塞ぎたくなる。

 勿論これは地上で待機しているメンバーもあらかじめ加護を施してある為狂気に落ちる事は無い。


「………ところで佐夜さん。貴女、攻撃型アタッカーではないですよね?」

「うん? あぁ、どっちかっていうと支援護型だな。なんで、俺は攻撃しない」

「はぁ!?」

 一緒にエグゼィに攻めるとか言っておいて攻撃しない宣言に新は思わずキレそうになった。


「言ったろ、俺は基本的に単体での攻撃力は殆ど皆無なんだ。だから普段は遠距離からの牽制かバフでの支援魔法をやるんだけど近距離でも出来る、いや寧ろ近距離でしか効果が無いスキルがあるのさ」

「近距離でしか効果が無いスキル?」

「あぁ、行くぞ『背中を押す(フォレスト)』」

「がはっ!?」

 そう言うと佐夜は新の背後に回り込み、両手で思いっきり背中を叩き(というか強く押し)、新に2%のダメージが入る。


 コォォォォォォ──────


「痛たた……って、これは─────」

 いきなり背中を叩かれた事を抗議しようとした新だが、文句を言う前に自身に添付された効果に気付く。


「『背中を押す(フォレスト)』。これはスキルを受けた者を一時的に攻撃力を2~3倍にするスキルだ。といってもその後効果が切れたらしばらく攻撃力が半減してしまう諸刃のスキル。が、アレを倒せれば問題無いだろ」

「ですね。ですが出来れば事前にそれを言ってもらえませんかねぇ?」

 ウインクで言う佐夜に少々キレ気味で受け答える新。だってしょうがないじゃん、時間が無いんだから。


『JJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK!!!!!!!』

「ぅゎ、JKとか言ってる」

「女子高生なんですかねぇ? って馬鹿なツッコミはさておきまた触手が出てきましたよ!?」

 またもや大量の触手が出て来て2人を捕まえようとするエグゼィ。ここで新が迎撃するのは簡単だが佐夜のバフを受けた状態で迎撃すると効果が切れ、本体への攻撃する時に攻撃力が半減する恐れがあるので迂闊に手出しできない。


「大丈夫。アレ位ならティーナで何とかなる!」

「何とかて」

 だが佐夜は自分の仲間を信じているのか新に真っ直ぐ落ちる様に指示。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「信用してくれるのは嬉しいですがキチンと説明してあげて下さいよ全く……」

 佐夜の「何とかなる」というセリフが聞こえたのかティーナは呆れ声と共に無数の破魔矢を発射し、エグゼィの触手を射抜いて当たった触手と共に破魔矢も消え、吸収されるのを防ぐ。


『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAQQNN!!!』

「な……っ!?」

 どうやら周りの触手は囮だったらしく本命は本体から新達へ伸びる超太い触手。ティーナは撃った後の術後ラグの所為で一瞬硬直し、再び構える頃には間に合わない上、最後に残った太い触手はそう簡単には消せそうにも無く下手に撃つと逆に吸収される恐れがある為、ティーナはあえて2射目を構えなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ってちょっと佐夜さん。何か太いのが来てます!?」

「う~ん。ティーナじゃこれは無理みたいだな。でも大丈夫、こちらが手を出さなくても残ってるのが太い触手(これだけ)ならあの人がいる」

「あの人?」

 直径3メートル位ある触手が迫る中、佐夜は落ち着いて地上で待機している人を見た。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「う~む……。魔法などの特殊な攻撃は吸収される故魔法が使えない私が選ばれたのだが、まさかこの為に呼ばれたとは………」

 ティーナの削った触手の中から出て来た太い触手(というより棒)を見て信長こと詩織が太刀を抜刀の構えで呼吸を整えて脱力し、


漸華せんか御留おとめ流『桜花一閃(袈裟切り)』!!」

 魔力や気を使わない飛ぶ斬撃を用いてあんなに太かった触手を斜めに切り取ってふっ飛ばした。


『FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFXXXXXXX!?』

 いきなり下方からの攻撃に気付いたエグゼィは切り取られた太い触手の再形成と共に大量の目を地上にいる詩織に向けて攻撃態勢に入る。


「何をこっち見ている。『之挫ゆきざ』!」


 ドパンッ!!


『ぺなkぅrbtmdhcbwくd-!!?』


 大量の目に見つめられて気持ち悪くなった詩織はお手製の片手単発式散弾銃『之挫』でエグゼィの目を潰し、絶叫とダメージと共にエグゼィに隙が生じた。


「私の出番はこれで終わりだが貴様への攻撃はまだ終わらん。そうだろう覚助、リベッタ」

 詩織は呼んだ2人が高くジャンプするのを見上げてそう言った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「お、次はリベッタに……覚助!?」

「何で驚いてるんですか?」

「いや、だって出撃メンバーに覚助入ってなかったし?」

 超物理攻撃オンリーメンバーを選出した筈なのに何故か覚助までもリベッタと同じタイミングでの攻撃モーションに入っていた事に佐夜は驚きを隠せない。確かに覚助も物理攻撃が多いが剣は殆ど飾りで通常は拳で戦っている故、エグゼィには直接触れると危ないからって今回メンバーから外していたのだが何でそこにいる?


「あぁ~、多分それはアレですよ。貴女に良い所を見せたいのでしょう」

「だから俺は男だって言ってるのに……」

 覚助は何時まで佐夜に幻想を抱いているんだろうか?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「うおおおおお、行くぜぇ!!」

「ちょ、アンタ気合入り過ぎやしないかい!?」

 勢い余って爆発しそうな覚助をある意味心配するリベッタ。いつもは優李達に心配さ(ツッコま)れる側なのに今回は逆の立場である意味新鮮だ。


「とぅ!」

「って、もう既にいない!? 全くどうなっても知らないよ!」

 我慢しきれなく勝手に先行した覚助を追ってリベッタも跳躍する。


 2人の位置は丁度エグゼィを挟んだ反対側で詩織はその2人の90度ズレた位置にいる。


金虎こんこ星霜さいそう龍・剣術、『斬刃・無化卦吏むかけり』!!」

「『極・森羅追討』!」

 詩織が自分に視線を向けて隙を作っている隙に90度横から2人でクロスするかの様に袈裟切りでダメージを与える。


『あbcでfgひjklmnおp!!?』

 一瞬の隙を付かれて左右の横から斬り付けられたエグゼィは黒い液体を噴出しながら悲鳴を上げる。


『(殺)────────っ!!!!』

 そして初めて大きなダメージが入った事で怒ったのか無数もの魔法陣が同時展開される。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「え、ちょ、これ非常にマズイですよ!?」

「だな。このまま術が作動したら確実に死ぬな」

「呑気に言っている場合じゃないですよ。防御しなくてはっ」

「大丈夫だって。その為に無理してここに来た奴がいるから」

「え、無理してって………まさか!?」

 佐夜のセリフに心当たりがあるのか新は()を見上げる。


「そう……。出番だアニカ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「はい、お任せください佐夜様」

 佐夜から指名(?)を受けたアニカは目覚めたばかりで少し体調が悪いというのにも関わらずこの時の為に無理してメンバーに加入し、いざというこの時の為に魔力を温存していたのだ。


「いきます。『破邪の魔法(ソロ・キャンセル)・エグゼィ』!!」


 カッ───────────────


『っ!?』

 魔法陣が発動する寸前でアニカのディスペルマジックが効果を発揮し、エグゼィの魔法は不発に終わる。


 ※:ちなみに余談だが、アニカがアンデッドから女神の使徒へ衝撃のジョブチェンジを果たした事に生徒達は勿論、あの冷静なゼロやゼクターですらも椅子から転げ落ちるくらいの衝撃だったらしい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「佐夜さん、新さん、今です!」

「おう!」

「はい!」

 大ダメージからの魔法陣不発にいるショックで動きが止まったエグゼィを見てティーナがチャンスだと言い、2人は再び急降下する。


 ドォゴォォォォォォ─────


「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお─────!!」」

 一瞬の隙を付いた攻撃で新と佐夜はエグゼィを押し潰し、『○』から『U』の形にする。このまま押し潰せばこちらの勝ちだ。


『wwwwwwwwwwwwww(笑)』

 だがそうは問屋が卸さない。


 先ほど新が単身で攻撃した時は普通に耐えていたエグゼィだが何故かこの時に限って『U』の字に潰れていた事に瞬時に気付くべきだったのだ。


「んなっ!?」

「しまった、罠か!?」

 そう、エグゼィはあえて潰された様にし、2人が真ん中辺りまで来た所で『U』の字から再び『O』の字に戻り、2人を捕まえたのだ。おまけに脱出出来(・・・・)ない様(・・・)に『◎(2重丸)』どころか3重、4重と厚めに囲い、2人を吸収する気満々である。


『qqqqqqqqqqqqqqqqqwwwwwwwmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm(笑)』

 取り込んだ2人の代わりに、しまった顔のティーナや、迂闊顔の詩織、「佐夜ー(泣)」と叫ぶ覚助に、またもや犬○家になっているリベッタに向けて勝利の笑み(?)を浮かべるエグゼィ。


 そして取り込んだ2人を吸収しようとした時、

「これで勝った、とでも思ったか?」

「全くね」

『っ!?』

 エグゼィは自身の上に乗っていた声にギョッとする。


「忍者特有の術を味わうがいい。『空蝉』」

「そして『認識誤認ミスディレクション』!!」

 上に乗っていた半蔵、そしてベレッカが術を発動した瞬間、中に取り込んだ筈の2人の材質が変異し、柔らかい肉から固い金属片(・・・・・)の感触に代わる。


「ああ、ちなみに空蝉……身代わりの術といっても変わったのは丸太(・・)ではないからな」

『?????????』

 エグゼィが半蔵の言葉が解っているのかは不明だが混乱している様だ。


「正解は………私達ゼリアとハルマが共同で作った特製の『メタン水素爆弾』よ!」

 ビッと人差し指を下に向けて言うベレッカにエグゼィは訳も分からずビクッとした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「メタン水素?」

「何か名前からして凄そうな代物っぽいですね」

 空蝉とミスディレクションの術のお陰で窮地を脱した2人は再びティーナの近くに表れて呟く。

 ちなみにメタン水素爆弾はメタンKという可燃性の物質に水素、その他を混ぜて作った物で、爆発の規模は小さいが威力は凄まじい超危険な物だ。おまけに爆発するには酸素が必須なのだが、これは酸素が必要の無い故に多様性はあるだろうが同時に悪用されたら犯罪が多発しそうだ。


 ドォオオオオッッ!!!


『GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!?』

 2人を取り込んだと思って厚く囲ったのが災いと化し、エグゼィは自身の内側から致命傷と思われるダメージを負って絶叫を上げ、爆発の勢いも厚く包んでしまっている為に逃がす事が出来ずに内側から焼かれる。のた打ち回ろうにも鎖に繋がれている為、左右に身動きが取れない。

 おまけに致命傷の所為か、形も歪になってますます不気味さが増した。


「そして最後にあいつの登場だ」

「あの人? あぁ、彼ですか……」

 佐夜の示す先にいた人物を見て新は「ホント、美味しい所を持って行きますねぇ」と苦笑した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「いっくしっ!? ……誰かが噂してんのか?」

 佐夜と新に噂された多少重貴がクシャミする。


「まぁいい。こんな最後に大仕事を任されたんだ。しくる訳にはいかんな」

 と言って重貴は右手を握り、


「地に平伏せ『ゼット・グラビレイ』!!」

 親指を下にして右手を振り下ろすとエグゼィに超重力が掛かる。


 というのも何故重貴が最後になったのかと言うと、ダメージを与える前に重力魔法を掛けてしまうと文字通り吸収されてしまう恐れがあった為だ。

 故に致命傷を負い、形も丸形から凸凹になったエグゼィならば掛けたとしても超ダメージで吸収どころではないだろうというゼクターの分析で重貴が最後になったのだ。


『───────────────────────────────っ!!?』

 外と内側からのダメージ。そして上へ逃げようとした所での超重力によって地面へ叩きつけられたエグゼィは最早言葉にならない悲鳴を上げる。


 ………正直ここまで来るとイジメに近い物を感じるが、油断すると一瞬で戦況が変わる危険があるので手心は加えられない。


「さぁ2人共、トドメだ!!」

「えぇ!」

「おう!」

 重貴が重力を加えつつ、佐夜と新にトドメを促して2人は今度こそ最後の一撃を入れに急降下する。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「『ヘルゼムル・ビニオン』!!」

 佐夜が背中を押すなか、新は再びヘルゼムルでエグゼィを削る。捕食するのではなく削除する方だ。


 がががががががががががががががががgggggggggggggggggggggggggggggggggggggggg─────────


『@@@@@@@@@@@@@──────!!!』

 眩しいほどの強烈な光を放ちながらヘルゼムルがエグゼィを削ってゆく。


「く……っ。駄目です。これでは全てを消しきれません!!」

 だが全体の3分の1を削った時、新はこのままではヘルゼムルの方が先に力尽きる事を悟った。


「だろうな。ならコレ(・・)をヘルゼムルに与えたらどうだ?」

「え、何ですかそれ?」

 ダメだと言う新に佐夜が差し出したのは精神世界で使わなかった『鎮魂レクレイム弾×4発』だ。コレの成分は闇属性要素で出来ているので十分ヘルゼムルの栄養になりえるだろう。

 けど『鎮魂』というワードが意味する様に喰わせたらそのままヘルゼムルが消滅しかねないが故、作戦前に食べさせる事は出来ない。だけどこうしてどうしようもなくなった今、コレに頼るしか選択肢がないのだ。


「ええい、分かりました。このままだと確実に押し負けてしまうので遠慮無く頂きます。……これで負けたら恨みますよ!」

「その前に死んじゃうだろ。……けど大丈夫だ。だって俺は『女神』なんだろ? その女神が付いてんだ。なら負ける要素は無い!」

「自分で『女神』言いますか……」

「お前が勝手にカミングアウトするからだろ。いいからさっさと喰わせろ」

「あ、はい」

 と、自虐で言う佐夜に呆気に取られるが、今はそれどころじゃない。新は苦しんでいるヘルゼムルに鎮魂弾×4発を与えた。


【………。………っ!? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!?】

「あ、失敗した?」

「嘘でしょう!?」

 するとその直後にヘルゼムルが苦しみ、2人は超焦る。


【~~~~~~~~。…………っ!!!!】

 だが苦しんだのも4~5秒で、その後は何かヘルゼムルが自らの意志(・・・・・)を持ったかの様に動きが機敏になり、再びエグゼィを削除し始める。それも先ほどよりも勢いが全然違う。


「お、これでイケるな?」

「え、えぇ。これでやっとメアリーの遺恨が解消されます」

 ヘルゼムルがバージョンUP(?)したお陰で攻略の目途が立った2人は一瞬笑みを浮かべ、その後、


「「いっけええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ────────────!!!!!」」









『             n                』





 エグゼィは最後に小さく悲鳴を上げた後、ヘルゼムルに消滅させられた。


※:次回は違う視点からの戦闘です。もう少しお付き合いください。


作者「うぅ……早く終わらせないと」

マロン「長くなってもしょうがないしねぇ」

クー「………でももうすぐ終わりだからガンバ」


作者「はい、第7章もあと少しなのでもうちょっとお付き合いください」


 ではまた。

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