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17-1

2月.

新年の雰囲気が消え、すべてが元に戻ったような気分になり始める月。

しかし、2月の中心には無視して通り過ぎることのできないとんでもない日がある。

それはバレンタイン!!

恋人がいない人にとっては奇跡のトランプカードになるかもしれないが、逆に絶望のジョーカーカードになって戻ってくることもある決戦の日!

しかし、多くの人が勘違いしていることがある。

それは、既婚女性にとってこの日は重要ではないということ!

違う!!

この日こそ、私の女としての魅力が死んでいないことを証明できる日!

既婚者でも油断できない日なのだ!

だから私は今、作っている。

愛を込めたチョコレートを!!!


「ふぅ...これくらいでいいかな?」


最適な状態で適切に溶け、完璧な質感を持つようになったチョコレートに自然に笑みがこぼれる。

私が今日挑戦するチョコレートはまさにチョコレートトリュフ!

フランス発祥のチョコレートで、本来の名前はショコラ・ド......

え...ショコラ・ド......ショコラ...次は何だっけ...?


「何か素敵な名前があったようですが!!」


夫がチョコレートトリュフと呼んで以来、その名前が脳裏に焼き付いて離れない。

私の夫はチョコレートの名前まで暗殺してしまう暗殺者なのか!!

とにかく...

私はチョコレートを溶かしていた火を消した。

チョコレートトリュフを作るために溶かすチョコレートは、あまり熱すぎてもいけない。

どうせ冷蔵庫で冷ましてから取り出すのだが、熱すぎると冷却に時間がかかるから。

私は適切に溶けたチョコレートを小さな容器に移し替えた。


「チョコレートはどう?」


ちょっとトイレに行ってきた本日のゲスト。

そうだ。

実は今日は私だけではない。

今日、私と一緒にバレンタインチョコを作っているのは...

アカネさんです!!


「もう全部溶けたよ!」

「そうなんだ! ナッツとココナッツはもう手入れを済ませたから...冷めるまでちょっと休憩しようか?」

「コーヒーでも飲む?」

「いいね~!」


バレンタインの一日前に集まってチョコレートを作った後のエスプレッソ一杯の余裕。

女性らしさ溢れるこの雰囲気がたまらなくいい!


「結婚生活は幸せそうだね、ひまり。 家の中に夫と一緒に撮った写真がいっぱいだよ。」

「あ、やっぱり新婚さんだからね。」

「私もひまりみたいに幸せな結婚生活を送れるかな?」

「もちろんだよ、アカネ!! アカネは私よりずっときれいだから、もっと幸せになれるよ!?」

「ふふっ、幸せは外見で決まるもんじゃないわよ、ひまり...。」

「あ...。」

「でも、ありがとう。ひまりがいなかったら...婚約はなかった話になりそうだったから。」

「え? それは...。」


アカネは左手をあげて指を広げた。

四本目の指から銀色に輝く誓約の証。

間違いない。

あれは婚約指輪だ!


「あの日......ひまりちゃんの言葉を聞いて、勇気を出せたの。 一生を共にすると約束した人に、何かを隠し通すわけにはいかないでしょ? だから、私の職業を彼に話したんだけど......。」


涙に濡れた声。

目頭が赤くなったアカネはそっと流れ出た涙を拭いた。


「そんなの全然関係ないって言ってくれたの!あの日......ひまりちゃんに出会えて本当に良かったわ、ありがとう。」

「おめでとう、アカネ!!」


アカネを抱きしめるために食卓の向こう側に行くと、アカネは待ってましたとばかりに抱きついてきた。

私を抱きしめる腕に力が入った分、アカネの感謝の気持ちが伝わってくるような気がした。


「結婚式はいつ?」

「今年の6月に上げることにしたよ。」

「本当に!?6月に結婚式の日程を決めるのはすごく大変だと思うけど!!? じゃあ6月の花嫁になるんだね!? 本当にうらやましい!!!」

「ひまりのおかげだよ、ありがとう。」

「いや...私は何もしてないよ...。」

「ところで...ひまり? どこからか焦げ臭い匂いが......。」

「え?あ!!きゃあああああああああああああ!!!」


炭になってしまったチョコレートを思わせる匂い。

チョコレートトリュフに装飾用の模様として使うホワイトチョコレートを溶かしていたことをすっかり忘れていた。

慌てて駆けつけて火を消したが、当然ながらホワイトチョコレートは摂取したら遠い旅に出てしまいそうな姿に変わっていた。


「ああ...ダメだ...。」

「ふふっ、大丈夫だよ、ひまり。また溶かせばいいんだから。」

「あれが最後だったのに...?」

「え? まさか...用意してきたホワイトチョコレートを全部使ったの?」

「うん...。」

「......。」


アカネは無言で答えた。


「コンビニ...行ってこよう、ひまり。」

「はい...。」



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