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「なんか、そしたら八目君に目がいっちゃうようになってさ。…真面目で、いつも一生懸命で、控えめに見守ってくれて。そういうの見てたら元気になれたんだ。…だからその…今日のあの発言はどうしても許せなくて。」


結果、助けられちゃったんだけどね、と笑う、街灯に照らされた先輩の顔。



――どうしよう、先輩、大好きだ。

――そう、思っていていいんですよね…?



「それにね、正直最初は苦手だったけど…好きだよ。クモ。」



八つの目から零れ落ちそうになる涙。


先輩は、「遅くなっちゃったし、帰ろっかー!」とベンチから立ち上がると、照れを隠すように僕の手の一つをとった。



「…ね?」



『…は、はいっ…!!』









今日も定位置で、カチカチカチ。

椅子に座り、8本の腕でキーボードを叩く。


でも、8個もある目のうちの1つだけがデスクトップ。

その他の7つの目で、ななめ向かいの先輩を見た。




――前と違うのは、視線に気付いた先輩が、僕だけのためにこっそり笑ってくれること。







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