MOGUMOGU、PAKUPAKU、SHITAI
掲載日:2026/10/06
朝のチャイムが鳴り響くホームルーム
眠たいまま席についた
ノートに描かれたレシピの続きは読めていない
なぜなら判読できない文字で綴られているから
まともに書けないほど
母の手は弱り果てていたのだろう
ちょうどランチ前の調理実習
取りあえずたまごをかき混ぜて溶いた
簡単そうに見えることほど
案外うまくいかない
レシピ通りに従ったところで
美味しいものができる保証もない
ならまずはアイデア出しから
レシピの続きは創作力で補う
似たり寄ったりじゃ味気ない
アレンジを効かせてスパイシーにしよう
「これが私の最高傑作」って言えるぐらいまで
正解ばかりを探していたら
きっと今日があっという間に終わってしまう
焦げたところも悪くないと
笑える少しの妥協心も必要なのだ
別に不味くはない
多少なりとも母お手製のオムライスを真似ることはできた
それでも満たされないお腹のまま
母のレシピは物語を描いたものではないかと考える
書き出しは愛情込められたオムライスを頬張るシーンから
泣きたくないのに悲しくなる
口に出してしまわないように
最後のページへ想いを書く
今は捻らず素直なわがままでもう一度
"お腹が空いたよ"




