1-3
そうして今日も各部屋の掃除を始めていく。
そういえば、小中学校の頃はすっごく掃除頑張ってたなあ。学年ごとに“こんなこと頑張りましたよ”って伝統を作る行事みたいなのがあったの。私達はとにかく静かに掃除する、っていうの頑張ってたなあ。
高校、大学生ときて見る影もなくなっちゃったけど。
「サクラ、そっちお願い。」
「はーい」
こうして協力して働くのも楽しいよね!
私には、こういう作業みたいな仕事のほうがあってたのかもしれない。
そんなことを思いながら、アレッタ先輩に任された窓の高いところの拭き掃除を開始する。先輩には脚立を使っても届かない所らしく、先輩より背の高い私が来てから掃除できないかと実は楽しみにしていたらしい。小さく迫り出したバルコニーに脚立を置いて、実際に見てみると、すごい量の砂埃が溜まっていた。
「先輩、拭き掃除の前に柔らかい箒みたいなもので掃いたほうがいいかも」
「分かった。取ってくるから大人しくしてて。」
「はーい」
脚立の脚を抑えていたアレッタ先輩が離れていくのと同時に、天板に座り込む。
脚立って気をつけないと危ないって聞くもんね。ちゃんと大人しくしていますとも。
少ししてアレッタ先輩は小さな箒とちりとりを持ってきてくれた。どちらも片手に収まるくらいの使い勝手の良さそうなものだった。
「水魔法かけておいたから、埃は舞いにくいと思う。」
「さすが先輩、手際がいい!」
「お世辞言わなくていいのよ」
「ほんとのことですぅー!」
先輩の頭の回転の速さはすごいと思うのよね。褒められて然るべきものなのに卑下するなんて。…もっと褒めてその気にさせないと!
アレッタ先輩へのやる気を込めて、だけど窓は傷つけないように丁寧に砂埃を落としていく。あとは残った汚れを丁寧に水拭きと空拭きすれば、さっきの汚れなど見る影もなくピカピカである。
「この調子でぱっぱといきましょう」
「はい!」
一部屋分掃除するだけで雑巾が砂色になるくらいだったから、相当汚れが溜まっていたのだろう。ワンフロア終わる頃にはへとへとになっていた。




