1-4
「次はどちらへ?」
「備品管理室へ」
速歩きするアレッタさんに、普通に歩く私。気分は親鳥の後を追う雛である。まあ身長としては逆なんだけどね。
アレッタさんは身長が小さい分歩幅も小さくて、速歩きされてもついていけるんだけど、話しかけても全然こっちを見てくれない。それが悲しい。
「どのようなご用事ですか?」
「あなたの服を見繕いに」
「私の服?」
私の服装といえば、昨夜から変わらず膝上丈の白のワンピースにかぼちゃパンツだ。確かにこれだけだとちょっと肌寒いけど…。
「それ、下着姿ですから」
「えっ!?」
「…うるさいです」
ごめんなさい。すいません。
え、じゃあ私いま下着でふらついてる変態じゃ…。
更に言うと、私下着姿でギルバートさんと一緒に寝てたってことじゃ…。
「アレッタさん、いえ、アレッタ先輩」
「……なんですか」
「わたしに常識を教えて下さい!」
歩くスピードを少し早めて、アレッタ先輩の行く手を阻む。その勢いのままアレッタ先輩を見上げるように膝を折り、胸の前で手を組んで祈るように頼むと、はあ、と一息吐いてアレッタ先輩が答えた。
「私に頼むような内容ではないと思いますけど」
「でもアレッタ先輩しか頼れる人がいないんです!」
ふん、とアレッタ先輩はそっぽを向いたけど、私は折れずに見据える。
そのままじぃっと、じぃぃぃっと…
「分かりました、分かりました! ではまずはきちんと服を着てください。ほら急ぎますよ」
どうやら私が勝ったらしい。私を避けてずんずん歩き始めたアレッタ先輩の跡を、先程の雛のようについていった。




