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次に見たアレッタさんは、先程服を持っていった時とはとはうって変わって、頭のてっぺんが辛うじて見えるくらいの大きな布のかたまりを持っていた。
よろめくその姿に、慌てて助太刀に入る。
「大丈夫ですか?」
「…あなたにも労働力になってもらうつもりですが、まずはベッドメイキングをしておきます。」
今のここには余剰を出しておくほど余裕はありませんから、とまたもそっけなく返される。
持っていたのはベッドシーツらしい。
こうして近づいてみると、私の胸くらいしかなく、随分と小さい。年下説が濃厚かも。
愛想がいいとは言えないが、聞けばきちんと返してくれる。てことは、恥ずかしがってるのかな。仲良くなるには、まずは話をしてみないとね。ベッドメイキングをしながら、話を振ってみることにした。
「ギルバートさんって、多忙な人なんですか?」
「はい。」
「お風呂はいる時間もないなんて、相当忙しいんですね」
「昨日はそれほど忙しくはなかったはずです」
「そうなんですね。そういえばギルバートさん髪長いし、切ったほうがお手入れしやすそうですけど」
あの美しい長髪に惹かれた私としては悲しいが、現実的にはありだと思う。むしろ男性で長髪って珍しいし目立つんじゃない? ここでは普通なのかなあ?
「長いことによる利点があるんです」
「利点…ですか?」
「聞きたければご本人へ直接どうぞ」
「あ、はい…」
うーん。返ってくるには返ってくるけど、切り捨てられてる感が否めないなあ。語気もなんとなく刺々しい。
これは嫌われているか、仕事中は会話をしたくないか、機嫌が悪いか、このへんだな。
今までの態度からすると嫌われてる可能性が高い…。
ここでの人間関係がほぼ皆無な私としては、なんとか仲良くなっておきたいんだけど、なんで嫌われちゃったんだろう。
「移動しますからついてきてください。」
「あ、はい」
ここでの仕事は終わったらしく、部屋を出ていこうとするアレッタさんに慌ててついていった。




