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交差する時間

※時間アレルギーの方はご遠慮ください(嘘です)

 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク

 時間が経過する音が刻々と刻まれていく。一秒ごとに変わる風景。雲行き、窓から見える人、空の明るさ、人の心、全てが時間の概念で動き、それはこの音が指し示してくれる。

 人間が捉えるにはあまりにもアバウトなモノであるのに、それを逐次緻密に指し示してくれる『時計』。アバウトなものを緻密に示す矛盾多き存在だ。

 それ故にときに心惹かれるものは多いのかもしれない。

 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク

 幾重もの刹那が繋がって時が過ぎていく。


 ここは古い時計塔。中は大掛かりな仕掛けが動作していて駆動音が激しく高鳴っている。だが、近くに行って聞かない限りそこまでの騒音でもない。

 あたりを見回すと外から見える大きな時計とは別に時計が数百、もしくは数千はあるかもしれないと思われるほど時計が置かれていた。それら全てが時計塔に繋がれていて、大掛かりな仕掛けはこれら全ての時計を動かすためのモノだった。

 チクタクチクタク

 一つの仕掛けからなる全ての時計は全てが同じ時を刻み統一されて音が鳴り響く。

「これはすごいな」

 時計に興味を持ったことの無い僕ですらそう感じた。

 ただひたすらに錯雑とした金属の連結を背景として、僕は歩き続けていた。

 ここは何処か?

 僕にも分からなかった。

 脳内は時計塔の事ばかり考えて現在自分が何処にいるかなんてまったく考えもしなかったといった方がいいだろう。

「ん?」そんな呆けている僕の目の前に何やら棺のようなものが見えてきた。徐々に近づいていきそれが、本当に棺であることは間違いなかった。

 そのまま歩き棺の目の前に立った。

 棺は上の桶が横に外されていて中身が丸見えになっていた。遺体を収納するというのにこれ如何に、と僕は一人でここの管理が杜撰なことに腹を立ててみる。だが、中身は気になるから見ちゃう。

「女の………子?」

 いやいやいや、あまりにも非現実的すぎる。

 僕がそう思ってしまうのも極自然なものだった。

 なぜならその棺の中には、食い終わったカップメンなどお菓子の袋が散乱し、眠って頭を埋める場所にはふくよかなネコが一匹気持ちよさそうに座っていたのだから。

 さらには、そのネコを枕代わりにして眠る少女が一人。艶のあるスミレ色の髪は短く、外套を一枚羽織床に伏していた。身長から見るに子供のようだがこんな古い時計塔に一人カップメンと一緒に居る子供いるだろうか。いや、居るんだけど。

 これを異常事態と感じない人物は居ないだろう。いたとするならばそいつは同属だ。きっとそいつの家も同じ感じになってるから気をつけろ。

 何やら少女がもぞもぞと動き出し何かを喋りだした。

「う~ん、う~ん、お寿司、お寿司が、いやカレーじゃったかな、う~ん」

 うなされているご様子だ。お寿司とカレーを間違える状況が分からないがその二つを間違えてる時点で緊急事態だ。だが、やはりこの謎の少女に出くわしてしまったことに僕は一番緊急事態を感じていた。

「起こすべきか、否か………」

 緊急脳内会議が僕の脳内で開かれた。

 議会の結果

「おい、大丈夫か。お昼ごはんの時間だぞ」

 お菓子やらカップメンで少し臭う棺の中に手を入れて少女を揺さぶることにした。

 ゆさゆさ

「起きろー」

 ゆさゆさ

「お・き・ろ!」

 面倒になってしまい外套を掴んで思いっきり引っ張ってやった。

「んぁ~?ハンバーグにはやっぱりデミグラスよりやっぱりカレーなのぉ」

 確かに美味しそうではあるがそんな質問をした覚えは無い。

 と心中で回答していた僕だがそんな余裕はどこかに消えていった。外套を引っ張った勢いで少女は外套が外れてあられもない姿になっていたのだ。ズボンは履いているものの上半身はどうやら何も着衣していなかったようだ。

「あ……その…すまん」

 目を横にそむけて謝る。

 だが、少女はひるむ様子も見せずに外套を直し棺から起き上がってこちらに向き直った。目を擦って眠そうな姿はまさに子供そのものだ。

「まったく、何日待たせることやら。おぬしで最後だぞ」

 黄色いメトロ帽が良く似合いそうな少女はやはり容姿どうりの幼い声で印象は子供そのままだった。

「待ってた?僕を?カップメンすすりながら?」

 理解不能だ。

「別に何を食っててもよかろう!カップメンは文明が生んだ生活堕落品なのじゃ!」

「だったら、それに頼るなよ!ってんなことはどうでもいいんだよ。待ってたってのは一体なんなんだよ。それと……ここは何処だ」

 冒頭、僕はここが何処なのかと言ったが実際に僕はここが何処なのか入り口が何処にあるのかすら知らなかった。ただ、途中に窓など一つも無かった。あるのは時計とそれを動かす仕掛け達だけ。自分の居場所を突き止める方法なんてこれっぽっちも無かったって事。

「んあ?おぬしここが何処だかも知らずに入ってきおったのか?なんだか、管理も杜撰なものだの」

「ああ、ちょうど僕もさっきそう思ったところだ」

「ほう気が合うのぅ。まぁ知らんのなら教えてやるしかないの。ここは『時間の交差点』と呼ばれる場所じゃ。詳しく説明すると時間があれだから簡単に説明させてもらうぞ。ここはとある争いを始める準備場所みたいなもので、これからおぬしはその争いに加わってもらう。普通ならここに来るのは本人の了承を得てからなのだが、ここまできたら後戻りもできんしおぬしは強制参加じゃな」

「は!?争い!?なんでまた僕がそんな訳の分からん争いに巻き込まれなきゃなんないんだよ!その管理ってのは誰がしてるんだよ!?」

「死者の中から選りすぐってここに連れてくるようにしているから死神じゃな」

 ……僕の耳は節穴だ。まさか死神が僕をこんなところに引きずりこんでこようとはな。精神的ダメージとともに少し深呼吸をして心を落ち着かせてみた。

「死者ってどういうことだよ!!僕死んだの!?嘘だろ!?確かに昨日夜更かしして家の片付けをしすぎたかもしれないけどそんなんで死ぬの!?」

 別に明日期末試験だからってオールしようとしたが結局部屋の片付けして終わったとかそんなかっこ悪い理由じゃないんだよ?いやほんとだって信じてよ。

 そんな期末試験のために死んでしまった僕は深呼吸して落ち着けるほど冷静には居られなかった。

「わ、わしは知らん。おぬしがどのような理由で死んだにせよ、ここの『時間の交差点』は一方通行じゃ。そもそも承諾なしでここに来た者など初めてじゃ。して、ぬしの名は?」

 僕の気迫に気おされながらも今の状況を変えることをできないのだと悟させようとする謎の少女。

「名前?三木草みきくさ 戦太郎せんたろうだ。お前の名前は何なんだよ」

「戦太郎か。言いにくい名前だからセンでよかろう?わしは、アイオーン。センが守るべき重要拠点のあるじじゃ。ちなみにこの周りの時計たちはわしの軍勢一人一人の生きる時間を示しておる。むやみやたらに触れたりして壊したら一人死ぬから気お付けておけ」

 どういう意味を込めてにやりと笑みを零したのか不明だがこの時計塔がたくさんの人を動かしていることは分かった。もともと触れる気も無かったしな。

 だがこうも意味不明なことが多いと頭痛がしてくる。

 現在の自分の状況を確認してみよう。

 1.僕は死者

 2.争いに参加するらしい

 3.時計塔は多くの人々を動かしている

 4.帰りたい

 5.夜更かしはイケナイ

 以上の項目が僕の脳内を苦しめている。

「とりあえず、カップメン一個もらって一時間ぐらい小休止させてくれないか?」

「カップメンはわしのじゃからダメ。時間も押しているしそろそろセンも仲間達のもとに送るぞ」

 そういって徐に立ち上がったアイオーンは先ほどからふざけた表情だったが険しい顔に変わった。

「ちょ待てよ!争いってなんなんだよ!」

「それも、行けば分かる」

 冷徹な一言で返された。

 そして、棺からアイオーンは降りて僕の肩に触れようとした。うん、触れようとしたんだ。小学生並みの身長のくせにね。

「………………くそっ」

 小さく怒りを表したと思いきや

 ゴンッ!

 怒りは僕の弁慶の泣き所に集約した。こいつ……。

 だが、触れられた瞬間僕は意識を失いその後何がおきたのか分からなかった。

有名なファミレス○ニーズには、カレードリアなるものがあってですね、米の上にハンバーグその上にカレーさらにその上にチーズを掛けるという料理があってですね、僕的にデミグラスハンバーグより好きです。ただそれだけです………

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