第1話 第100回 世界征服プロジェクト会議
第1話 第100回 世界征服プロジェクト会議
「よく集まってくれた、魔族の諸君!!」
「今日は、記念すべき、世界征服プロジェクトの、100回目の会議だ!!」
魔王様の大きな声が、地下のアジトに響きわたった。
「人類を滅ぼし、魔族の楽園を築こうではないかっっ!!」
「その手始めに!今度こそ『スカイツリー』を、破壊するぞ――っ!!!」
いいぞ―――っ!!
破壊せよっ、『スカイツリー』!!
盛り上がる魔王軍。
……いっつも、気合いは十分なんだよな、魔王様。
しかし、なんで『スカイツリー』にこだわっているんだ?
もうやめたほうがいいと思うけどな。
前回なんて、開始五分で勇者が飛んできて失敗したじゃん。
もう、目をつけられてるって。
オレ(ヴァルディス・ストラウス)は、周りに合わせて適当に手を叩いた。
100回目も会議して、99回ダメだったってことだろ?
また、勇者にやられるのが目に見えている。
魔族の会議に出席しているけど、好きで来ている訳じゃない。
代々、魔族でも上の階級だったから、成人と同時に出ることになっただけだった。
そもそもさ……、
人類滅ぼした後のこと、考えてるの?
こないだの戦いだって、ビルやら、電車やらが破壊されて、人類は、必死になおしていたっけ。
あれをつくる技術、どう考えても魔族にないでしょ?
征服するなら、綺麗なまま残しておいて、再利用したほうがよくない?
それに……、
魔族、人類ほど、働けるの?
食料だって、人類が作ったものを、夜中に拝借(泥棒?)して手に入れているのに、人類いなくなったら、食料なくならない?
――人類の作った、フルーツパフェとか、シュークリームとか、最高だよな。
あれが、食べられなくなるなんて絶対に嫌だ!
どう考えても、世界征服にメリットはなさそうな気がする。
――まあ、どうせ征服する力なんてなさそうだし、このまま会議を眺めていたらいいか。
そう思っていたのに。
突然、魔王さまに目をつけられるなんて、この時のオレは、想像すらしていなかったんだ。




