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腐男子佐木の妄想記※

 番外編で出てきたモブA佐木君がもし腐男子だったらなネタです。

 佐木君のBL妄想がいろいろと酷いです。苦手な方はバックしてください。


 自分達以外誰もいない教室。突然唇に触れた柔らかな感触に、総司そうしは目をみはり目の前の人物を凝視した。頭の中が真っ白になり何も考えられない。視線の先には、つい先程までいつもの様に楽しく雑談に興じていた幼なじみがいた。その顔は真っ赤に染めらていて、何ともばつが悪そうに目線をそっぽにむけている。上半身を机に乗り出しているため顔が妙に近かった。


「お前が可愛いのが悪い。」


 独り言のように呟くと挑むような視線を総司に向けてくる。


「オレお前のことこういう意味で好きだから。覚えといて。」


 明日から覚悟しとけよ。


 それだけ言うとかけるはカバンをひっつかみ逃げるように教室から出て行った。


 今の…キス?


 残された総司はただ呆然とそれを見送った。

















 


「……き。」


 翌日から積極的に総司にアプローチしだす城戸きど。そんな城戸に戸惑いつつも無自覚ながら少しずつ絆される総司。


「…さき。」


 しかしある日クラスの女子と二人で楽しげに歩いている城戸を目撃する総司。何故かイラつきもやもやとする自分を自覚し狼狽える。あいつは幼なじみで親友で確かに好きだけど恋とかそう言うんじゃなくて…。友情と恋の狭間で揺れ動く心。


「お~い。佐木~。」


 んだよ。うっせ~な。今いいとこなんだよ。


 それ以来自分の感情が分からずまともに城戸と話せなくなる総司。すれ違う二人。しかし我慢できなくなった城戸に問い詰められて、遂に総司は自分の感情が恋心であると認めるのだった。そして思いを通じ合った二人はそのまま……アーーッ!


 不器用世話焼き苦労人×無自覚天然ドジっこぷまいです。



「おい!佐木!」



 肩を掴まれオレは急速に現実に引き戻された。ヤバい妄想しすぎた。周囲を確認すると、そこは無人でも何でもなく微妙にざわついた放課後の教室だった。

 目の前では今までオレに妄想ネタを提供していた相澤総司あいざわそうしが、のぞき込む様にしてオレの様子を見ている。横には妄想のもう一人の主役であった城戸翔きどかけるも立っていてこちらを訝しげな目で見ている。

 そうだった。奴らがじゃれ合いながら話してるところを見てついつい妄想が暴走しちゃったんだった(テヘペロ☆)オレは慌ててそれまで必死に妄想をメモっていた携帯をかたした。


「わり。何だ?」


「何だ?じゃねぇよ。部活行こうぜ。」


 げっもう時間ヤバいじゃん。主将キャプテンに殺される。


「お前。もっと早く呼べよ。」


「何回も声かけたっつぅの!早く行くぞ。」


 じゃな、翔。


 総司は城戸に軽く声をかけオレを置いて歩き出した。オレも城戸に軽く手を上げ挨拶すると総司を追った。









 誤解の無い様に言っておくと、オレ佐木優さきすぐるは腐男子であって同性愛者ではない。オレは女の子が好きだと声を大にして言っておく。そもそも男相手じゃ【自主規制】(ピー)ないしな。何気ない日常生活の中で同姓同士の恋愛のあれこれをニヤニヤ妄想するのが好きなのだ。

 その点において相澤総司という人物は大変俺を満足させる存在だ。初めて出会ったときの興奮は忘れられない。


 総受け要員キタコレーーー!!!


と叫びださなかった自分を褒めてあげたいくらいだ。今でこそでかい図体になってしまったが、あの頃は涼しげに整った美少女フェイスに小柄な体をしていて加えてあのドジッ子属性。興奮するなという方が無理だろう。

 総司はそのドジッ子ぶりで毎日何がしかのネタを提供してくれた。階段ですっ転んでたまたま通りかかった生徒会長に助けられたり、体育祭で熱射病にかかり教師に介抱されたり、部活のロードワーク中にすっ転んで後輩に背負われて帰ってきたり。ちなみに全員それなりにイケメン。オレの妄想はとどまるところを知らずニヤつく顔を抑えるのに苦労した。


 しかし中学二年になるとオレの妄想には必ずといっていいほど邪魔が入るようになった。総司の妹(みやび)ちゃんだ。それまでオレの推しメン(推してるイケメン)であるところの城戸の役割のほとんどが彼女に奪われたのだ。

 彼女は総司に何かあるとどこからか現れてイケメンとイチャイチャ(オレ視点)している総司をフォローし回収していくのだ。(コレが城戸だったら三角関係ぷまいですな妄想ができたのに。ギリィ)本人自覚なしだがその際しっかりとフラグを建設していく一級フラグ建築士でもある。

 しかも彼女はオレの推しメン城戸が総司に近づくのをいやに邪魔するのだ。オレの妄想ネタがぁぁぁぁぁ。全員ノーマルなのは分かってる。分かってるんだ!でも妄想くらいいいじゃないか。だって腐男子だもん。誰か腐ったネタください。





 さてそろそろ部室に着く。今オレのブームは年上鬼畜女好き攻め。オレは女の子が好きなはずなのに、何故かドジなあいつが気になって…な主将キャプテン×総司。今日はどんな妄想を提供してくれるのか。楽しみで仕方ない。



 しかしこの時オレは気付いていなかった。どうやら我が校腐女子の皆様はオレさえも妄想ネタにしているらしい。


 背筋に寒気が……


 オレは自分を抱きしめるようにして二の腕をさするのだった。

 これ続けていいんですかね?私だけが楽しいような…。

 また思いついたら書きます。気が向いたらお付き合いください。

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