2話
「それにしては、何か統一感がないような…風呂の湯は残してるし、買い物袋もそのまんま、けど映像だけは偽装?」
西原は考えるように言いコーヒーの残りを飲みながら、タバコに手を伸ばした。それに気付いた祐斗が、キッチンから灰皿を持ってきた。
「あ、悪い…向こう行くよ」
「いえ、こっちで話しながらでも…窓少し開けたらいいんですから」
祐斗の言葉に甘え、西原は火をつけた。冬四郎と山上もタバコをくわえた。3人は揃って煙を吐き出した。
「分からねぇなぁ…」
「けど、むっちゃんが連れ去られてから4日目って事は、分かったんじゃないですか?」
「だな。早く何とかして見つけ出さないと、精神的にも弱ってくるだろうからな」
はぁと煙を吐き出しながら山上は言った。
「俺とした事が…落ち着いてないのは俺の方だったな。悪かった」
落ち込んでいる山上は、煙と一緒に溜め息を吐いた。だが、顔をあげるときっと目を細めた。
「大丈夫ですよ。諦めてない限りは何とでもなるはずですからね…それより、今日はしっかり身体を休めないと。お食事、何かお持ちしましょうか?」
京井はそう言うと、立ち上がった。そして、携帯でどこかに電話を始めた。自身の店に電話をし、今朝持ってきたように弁当の用意をさせるようだ。




