表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-狩るモノ-  作者: 幹藤 あさ
48/542

2話

席を譲った山上は、すっかり冷めてしまったコーヒーをすすった。隣には晃が立っており、心配そうに冬四郎を見ていた。


「室内に居たからむつもすぐに反応出来ずにって所なんだろうな」


「でしょうね。それにしても…むつがあっさりと連れてかれるとは。マンションですから、大声出したり暴れたら物音で不振に思う人が居るはずです」


「あぁ…資料見たけど。近隣の住人は何も聞いてないって言ってたな。夜中でもないのに」


「それだけ、素早かったのか…何か色々とおかしいですよね?京井さんの推測通りなら、むつは黙ってされるがままだった」


「少なくともそうなるな。声も上げず暴れもせず…相手が人間だとしてもやばけりゃ暴れるだろ。報知器鳴るくらいの事はしそうだけどな」


山上が苦笑いを浮かべたような顔で言うと、晃も認めざるを得ないのか苦々しく頷いた。2人共、むつの力も性格もよく知っているだけに、あっさりと連れ去られた事が意外で仕方ないのだろう。そして、そこがどうしても引っ掛かっている様子だった。


「山上さん…私は冬四郎の言った通り、あまり自由が効くわけではありません。出来る限りの協力はしますので、むつの事をよろしくお願いします」


「あぁ。預かってる側からしたら、こんな事になって申し訳ないと思ってる…何とかする」


へらっとした適当さを常にまとっている山上が、今回ばかりは真剣な眼差しだった。細く鋭さの感じられる目には、本当の鋭さが宿っている。晃はそれを見て、昔一緒に働いていた頃を思い出したのかぞくっとしていた。


「えぇ、任せました。ばたばたで申し訳ありませんが、もう失礼させて頂きます」


きっちりと腰から折るようにして、頭を下げた晃はちらっと冬四郎を見て、何も言わずにそっと出ていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ