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第24話 修行(実戦)

戦いの続きです。

主人公が無双っぽいことをします。


少し長いですが、宜しければどうぞ。


2017/12/19 読みにくい箇所を修正しました。

 森の奥から魔物が大挙して押し寄せて来るらしい。


 それを生き残るのが修行だそうだ……。


「あ、あのー、ガル様?」

『なんだ?』

「うわ!!」


 ビックリした! 急に耳元で声がしたのだ。


『呼んだのはお主だろう?』


 すいません。……だって急に居なくなったと思ったら、耳元で声がするんですもん。


『すまんすまん。まあミルクといつもやっておるだろう? それと同じでよいぞ』


 はい。では……。そもそもなんで大群なんかいるんです?


『そんなもの、【神域】と【聖域】のせいに決まっておろうが』


 ……え?


『住んでいる場所を追い出されたのだ。怒り狂っていて当然だろう?』

 で、攻撃までされたもんだから殺しに来た、と。


『うむ。ま、そこまで強くないやつらだ。広域に展開する魔法を放っていれば、数時間でカタはつく。死ぬ気でで頑張れ』


 うううう。元はと言えば俺のせい、か。


 ……ふう。


 しょうがない。自分の尻拭いは自分でやるさ。



 ようやくやる気になった上で、周りを見渡す。

 森の中のため、暗く、視界が悪い。


「まずは木を切るか。えーと、木が切れるくらい鋭く威力がある風の刃。【風刃(ふうじん)】」


 ズバッ! と周りの気が切り倒される。

 よし、次々いこう。準備しないと。


 文字通り切り開いた場所は、ドーム球場ほどだろうか。

 切った木の枝を取り、太めの槍のようにする。

 大きいものがそれなりの数手に入った。


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!


 そろそろ、か。


 この世界に来て初めての、対魔物戦だ。

 人間相手じゃないだけ、まだ心が落ち着いている。


 魔力を練ろう。

 丹田で無属性魔力を練る。コツはさっき掴んだ。

 魔力を身体に満たす。それから状態変化させてドーム形成。

 密度は今出せる最高。

 準備は、万端。



 ……来た!



 森の奥、切り開いた場所に最初に到着したのは、醜悪な顔をして錆びた剣を握っていた小鬼達、だった。

 ゴブリン、とか言うモンスターに似てるな。

 人間を憎み、見つけたら最後、惨殺するまで追いかけて来る恐ろしい魔物。

 それが目に付くだけでも、500は居るだろう。


「まずは戦いの狼煙をあげよう」


 俺はドーム内に、火属性の球を多数作った。その数50。

 全て圧縮し、威力を高める。

 前面に並べて、後ろに引っ張る!

 ギギギ、と、実際のゴムやバネならば、そんな音が鳴るであろうと思われるくらいに引っ張る。


 照準良し。気合い、良し。

 知らず知らず、口元が引き上がっていた。

 もっともっと、自分を鼓舞するための台詞を吐く。

 小っ恥ずかしいが、どうせ見てるのは魔物と神様だ。盛大に行こう!


「魔力は威力。イメージは力だ。俺は誰だ? 地球からやってきた厨二病患者だ! 気合い込めて、自分が思うカッコいい魔法名付けてやりゃあ威力が上がるってんならやってやる!! 行くぜモンスター!! 殺せるもんなら殺してみやがれ!! 中二病患者ナメんなぁ!! 爆ぜて舞い踊れ!! 【豪火絢爛(ごうかけんらん)】!!!!」


 溜めに溜めた魔力を解き放った。


 50の火球が一斉にゴブリン達に襲いかかる!


 ビュン! カッ!!


 ッドドドドドドドォオオオオオオオオオン!!


 着弾した瞬間、圧縮から解き放たれた火属性魔法が、威力を跳ね上げて爆発。

 ゴブリンを消しとばした。


 辺り一面火の海。ゴブリン達の姿は見えない。


「……ふう。やったか」


 これがフラグだってのはわかってる。

 だけど、こういうテンプレってのは気分が上がる。

 どこまででも上げていこう。

 そうじゃないと、生き残れない気がした。


 火の海を突破、もしくは迂回して来た魔物達が現れた。

 推定、蜘蛛、蟻、蟷螂に蛾や蜂。

 獣なら狼、ゴリラ、象、ライオン、猪。

 他にも鳥型、亀、幽霊? 悪魔みたいなのもいる。


 どれもこれも強そうで凶悪そうで、キラー、とかブラッディ、とか名前に付いてそう。


 そんな奴らが大挙して押し寄せて来る。

 ゾンビ映画で主人公達に襲いかかってくるゾンビの大群を思い浮かべるとこれに近い。


 さあ、殲滅戦だ!


 まずは距離を開ける。


「我が魔力よ! 悪しき者共を押し流し、彼の地を水で満たせ! 【水天彷彿(すいてんほうふつ)】!!」


 魔力を水属性に変更。大波を発生させて近づく奴らを押し流す。


 空を飛んでいる奴らにはこれだ!


「とっとと落ちろ! 【火禍落鷹(ひからくよう)】!」


 火の渦を発生させ、飛んでいる連中を巻き込んで叩き落とす。


 よし、十分距離が開いた。

 詠唱開始!


「我が魔力よ、願いを聞き届け、敵を打ち倒す力となれ。其に願うは万雷の嵐。万象一切灰燼と化せ。我に仇なす全ての者よ。万死を以って思い知れ! 【千客万雷(せんきゃくばんらい)】!!」


 超高密度に圧縮した雷球を空に向かって打ち上げた。

 少し滞空した後、万の雷が濡れた大地に降り注ぐ。


 ピシャー!!!! バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!


「グギャギャギャギャ!!! ガガギギィーーー!!!」


 気持ちの悪い声を出して魔物達が死んでいく。

 超広域殲滅魔法。その威力は凄まじく、目に入る中で動く物は一つもなかった。


「ふぅ、ふぅ……」


 恐らく大魔法的な位置付けであろうものを連発し、流石に息が切れてきた。


 ガル、様。あと、どれくらいですか?


 終わりが分かれば頑張れる。そこは聞いておこうと思った。


『あと20万位だな』


 は?


『20万匹位、だ。お主が倒したのは今のところ5万匹くらいだ。それでも十分化け物じみておるがな。あと4回繰り返せばめでたく終了だ。気張れよエーリ』


 ……目眩がするね。


『それとな。まず残り10万を切ったら教えるから、その先は今使っている大火力の魔法は禁止だ』


 なっ?!


『さらに、残り5万を切ったらそのドームは無しでな。わしが教えた常時展開の魔力で対応せよ』


 なんでそんなことを?!

 死ぬ! 死んじゃう!!


『お主なら大丈夫だろう。それにな、今後冒険をする上で大魔法を撃てない機会など星の数ほど出て来るぞ? 国軍相手でわかったのではないか?』


 あっ……。


 確かにあれは、ミルクが転移させてくれなければ、【雷帝】が来るまでもっと酷いことをされていた可能性がある。

 いや、きっとされていたはずだ。


 それではダメだ。

 絶対にダメだ!


 指を咥えて見てるだけなんて、死んでも嫌だ!!!


「分かりましたガル様。やります。ただ、他の勢力の介入は阻止してもらっていいですか? 多分これからもいっぱい恥ずかしい台詞を吐きまくると思うんで、他の人に聞かれたら死ぬと思います」


 久しぶりに発症した中二病は、副作用も大きいのだ。

 いつも発症状態になってしまうと、村に帰った時に全員驚くだろうし……。

 ルークやミリアにこれを見せたくはない。


『わ、わかった。そこまで言うなら止めておく。思いっきりやるがいいぞ。(こだわるのはそこなのか?!)』


「はい!」


 後顧の憂いは断った。第2ラウンドといこう。


 毎度毎度一回ずつ魔法を撃つのは効率が悪いと思う。

 手だって二つあるんだし、それぞれで魔法を撃とう。


 この二属性、確か夫婦だったよな。

 さ、中二病を発症しよう。


 俺は踵を揃え、背筋を伸ばし、左手は握って背中に回し、右手は指を揃えて手のひらを上にし、左から右に流して行く。

 そして語る。遠くから死体を踏みつけてやって来る、魔物の群れに向かって。


「お集まり頂きました紳士淑女の皆様! 本日のメインイベント、魔法による大舞踏会を開催いたします。まず最初に踊りますのは、雷と風による円舞曲(ワルツ)。神の夫婦が奏でる旋律で、皆様を楽しませることをお約束しましょう。それでは、神と共に踊りください。死の、ダンスを」


 恭しく礼をし、顔を上げると同時にぶっ放す。


「【千客万雷】、【殉風満帆(じゅんぷうまんぱん)】!!」


 左手から雷属性、右手から風属性の大魔法を放った。


 左端、右端に対して放ったそれは、触れたそばから死を振りまいていく。

 そして真ん中で合わさった時、さらに魔力を注ぎ込む!


「混ざれ雷風! 【迅雷風列(じんらいふうれつ)】!!」


 魔力が注ぎ込まれ、交わり始めた大魔法は、雷と風が入り乱れる大嵐となって魔物達を襲い続けた。


「まだまだぁ!! 【剣土重来(けんどちょうらい)】! 【牙震傷胆(がしんしょうたん)】!!」


 地面から無数の土の剣が飛び出し、魔物に刺さっていく。

 だがこれで終わりではない。

 刺さった剣から重要な臓器に向かって破滅の震動が放たれる。


 食らった魔物は、穴という穴から血を吹き出し絶命していった。


 次々と魔物を倒し、1時間が経過した頃、ガル様から連絡が入る。


『10万を切った。大魔法は禁止だ』

「はい!」


 ここで大魔法の禁止。普通なら絶望的だが、正直もう怖くない!


 俺は無属性のドームを半径2mまで縮小した。

 密度をもっと高めるために。


 そして待った。魔物が迫って来るのを。


「来いよ。殺してみろ。俺はココだぞ」


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


 恐れを知らない魔物達が怒り狂ってやって来る。


 こいつらを止めなければ、村の皆が死ぬ。

 そう思え。

 あんな思いはもう嫌だ。

 絶対に守る。


 俺なら出来る。

 出来る出来る出来る出来る出来る出来る出来る出来る出来る出来る出来る!!


 高ぶる意識の中、ふっと考えた。

「名前を付ければ威力が上がる、か」


 魔法ならば、恐らくどんなものでもそのはずだ。

 だとしたら、これもそうだろう?


 俺は、この無属性魔法に名前を付けることにした。

 どんな名前にするか考える。

 形が変わる。柔らかい。硬い。伸びる。衝撃の吸収と倍加……。


 ゲル、とゴム、か。

 うん、よし。


 まあ、カッコ悪いかもしれないが、どうせ俺しか使わないし、他人に言わなきゃわからない。


「今からこの魔法は『ゲム魔法』と呼ぶ」


 ぽわん、と光った気がした。


「ははは。気に入ったか。じゃあやろう! 残りはたった、10万匹だ!!」






 こうして、永きに渡り俺を支え続けてくれる固有魔法、『ゲム魔法』が完成した。








結局昨夜は投稿できず、申し訳ありません。


なるべく複数投稿にしたいのですが、時間が取れずこうなってしまう場合もありますので、その場合は前か後書きで告知します。

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