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第22話 修行(実践)

修行編です。よろしければどうぞ。


2017/12/19 読みにくい箇所を修正しました。

 翌日。


 我が家ではいつもの朝を迎えていた。

 2m超えの【雷神】様がいるけど。


「ガル様。スープのお代わりはいかがですか?」

「おお、すまんなミリア。いただこう」

「ご馳走様! ミリア、エーリ、それじゃ行ってくる。エーリ、ガル様の教えはちゃんとものにしろよ? ではガル様、仕事に行って参ります。ガル様はごゆっくり食事をお楽しみください」

「うむ。ルークも励むが良い。エーリは任せよ」

「「行ってらっしゃーい」」


 ミリアもルークも、昨日の時点で呼び方がガル様へと変更になっている。

 それにしても馴染んだな、ガル様。デカいのに。


『じいちゃんは神様の中でも親しみやすい方だしね。あ、おはよう』


 おはよう、ミルク。


「おお、おはようミルク」

「ミルク様がこちらへいらっしゃっているのですか?」


 ミルクの名前が出てきたため、ミリアは驚いたようだ。


「うむ。そこにおるよ」


 ガル様が空中を指差す。


「ミルク様、おはようございます」

『おはよう、ミリア』

「ミルクもおはようと言っておる」

「ふふふ」


 伝言ゲームは面倒だが、現時点ではミルクが直接村人達と話すことはない。

 俺も聞こえてないフリをしなければならないので、困ってはいるが、ミルクがそれでいいならこのままにするつもりだ。


「ふう。馳走になった。ミリアの作る食事は美味いのう。ルークもエーリも幸せ者だ」

「僕、お母さんのごはんだーいすき!」

「ありがとうございます。私の母から教えてもらったそのままなので、きっと母も喜んでいますわ」



 そんな話をしながら食事を終え、ついに【雷神】ガルドリオス様に魔法を教えてもらう。

 昨日のように村外れに行くのかと思ったが、村の近くでいいのだと言う。


「どうせだからな。村の者にも見てもらおうと思う。素養のある者にはいい刺激になるだろうて」


 だそうで。


 その話を村長にしたところ、結構な数の村人が見学することになった。

 仕事しろよ……。


 そんな訳で皆が見守る中、修行開始である。


「エーリよ、準備は良いか?」

「はい!」

「よろしい。魔法を使うにあたって、イメージが大切だというのは知っておるな?」

「はい。より具体的にイメージできれば、成功率や威力、魔力の変換ロスも減る、と教わりました」


 これはミルクからもユウゴさんからも聞いた話だ。


「うむ。ではイメージするに、1番いい方法は何かわかるか?」

「うーん、見たり聞いたりすること、でしょうか?」

「それも近いな。だがもっとイメージしやすい方法がある。それはな……」


 それは?

『エーリ、歯を食いしばって』


 え?

『早く!』


 ギリ!

「食らってみることだ」


 バリバリバリバリ!!

「ぐっ! ぐううううううっ!! がぁ!」


 プシュ〜……。


 村長以下、村人の口が塞がらない。

 5歳児に向け、雷撃を放つ神がそこにいた。


 ガク!

 俺の膝が折れる。


「はっはっは! 良くぞ耐えたな。エライぞ、エーリ」

「ありがが、とうごご、ざいますすす」


 身体が痺れてうまく話せない。

 壊れたおもちゃみたいになってしまう。


『じいちゃんはお師匠様モードになると、急にSっ気が増すの。気合い入れないと、死ぬわよ」


 死ぬわよって……。

 もっと事前に教えるとかできただr 「ほい、もう一度」バリバリバリバリ!!!


 ?! さっきより強い?!


「ぐっ……がっ! ぐうううう!! っはぁはぁ……」

「ほう、もう耐えられるようになったか」


 ガル様の目が妖しく光る。


「次はどうかな? そぉれ」

「ぎゃああああああああ!」


 その後1時間程、雷撃をくらい続けた。

 多分最後の方はサングラスかけないと危険なレベルで発光してたと思う……。


「どうじゃ? わかったか?」

「は、はい。嫌という程わかり、ました」

「よろしい。では今度はわしに向かって魔法を放ってみよ。全力でな」


【雷神】に雷は通じない。

 だから全力でも問題ない、か。

 公然と全力を出せるチャンスだ。


「詠唱は無しでやってみよ」

「はい!」


 身体中に魔力を満たす。

 細胞ひとつひとつまで行き渡らせろ!

 それが満ちたらその魔力が全部電気になるイメージ!

 全ての細胞の電気エネルギーを一つにまとめて……吹き飛べ!!


「【雷槌(らいづち)】!!」

 ッバヂドドンン!!


 俺渾身の一撃だった。

 あまりの威力に土煙が凄い。


 今まで全力を出したことがなかったから、身体が悲鳴をあげている。

 これなら、少しくらいは……。


「ほほう。これほどとはな」


 パンパン、と埃を払うようにして、土煙からガル様が出てきた。

 無傷。

 あ、服の端っこが本当にちょっと煤けていた。


 村人からは「マジか」「流石【雷神】様だ」など、驚きの声が聞こえてくる。


 あれだけやってそんだけかよ。

 はは、神様って、スゲぇ。

 バタン!


 魔力と体力を使いきった俺は、気絶してしまった。


「のう、ミルクや。お前に修行をつけてやっていた時、ここまでくるのに何年かかった?」

『うーん……ひいふうみい……3000年位?』

「こやつ、自分では気づいておらなんだが、十分化け物じみておるな。これは将来が楽しみだ」

『エーリは力に振り回されたりしないわ。大丈夫よ』


 そんな神様の会話を聞くことなく、翌朝まで俺は目覚めなかった。




 〜〜 翌朝 〜〜


 目が覚めると、ベッドで寝ていた。

 多分村人の誰かが運んでくれたのだろう。


 ぐ〜〜!!


 身体が盛大に空腹を主張する。

 ごはん、食べなきゃ。


 ベッドから出ようとした時、不思議な感覚を覚えた。


「ん? なんだ? 身体に魔力が満ちてる?」


 魔法を使う前のような状態、というか、意識しなくても魔力が満ちているようだ。

 それに……


「これ、雷属性?」


 満ちている魔力には雷属性が付いていた。


 不思議だったが、空腹に負けてそのままリビングに出る。

 そこにはルーク、ミリア、ガル様が朝食を取っていた。


「おはようございます」

「おお、起きたか。おはよう」

「おはようエーリ。早く顔を洗ってらっしゃい」

「エーリおはよう。うん、顔色も良いな。大丈夫みたいで安心した」


 皆と挨拶をして、顔を洗い、テーブルについて、ごはんを食べる。


「いただきます」

「どうぞ、めしあがれ」


 もぐもぐ、モグモグ、ごっくん。ゴクゴク。ングング。ごくん。


「はぁ! ……落ち着いた」

「はははは! 元気そうで何よりだな」


 俺の様子を見ていたガル様が嬉しそうに笑う。


 そうだ、この身体のことを含めて、色々聞かないと。


「ガル様、ちょっと聞きたいことがあるのですが、良いでしょうか?」

「これこれ、食事が終わってからにしなさい。まあ何となく質問の内容にも見当はつくがな。よし、昨日は体を使ったから今日は座学といこう。わしは準備してくるから、ゆっくり食べて、準備ができたら村長の家に来なさい」

「はい。モグモグ……」


 今日は座学か。

 今まで不思議に思っていたことを聞くチャンスだ。

 よし、しっかり食べて備えよう!


 ガル様が突然訪れてアワアワしている村長を想像しつつ、俺は栄養摂取に勤しむのだった。

明日また9時までに投稿します。

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