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ミミックと大赤字

その日は簡単な依頼のはずでした。

薬草摘み。薬草のメモを片手に、私たちは山へ散ります。

いつも使うポーションの材料は、こうやって補充されるんですね!

私、アルドは納得しながら薬草を摘んでいました。

薬草を摘んでいると、少し離れたところからミアさんの声が聞こえました。


「アルドー!なんか洞窟見つけた!宝箱あるよー!」


ミアさんの声が気になりつつも、あの人なら大丈夫でしょう。そう思い、籠もいっぱいになったので、とりあえず背負って帰ろうとした、その時!

皆を呼び集めるために、ホイッスルを吹こうとしてーー

叫び声とともに、別のホイッスルが鳴りました!一体何が!?

慌てて向かうと……そこはわかりにくい斜面にある洞窟でした。

ジオさんとミアさんが、何かと戦っています!


「クソっ!こいつ……硬い!」

「鉄でできてるんだもん……もーう!これだけ叩きつけてるんだから壊れてよぉ!」


なんと2人は鋼鉄の宝箱……ミミックと戦っているではありませんか!


「悪い!アルド、下手した!」

「私が悪いんだよ〜!こんなわかりにくいところにあるならお宝だと思っちゃって!」


私は慌てて、魔法のカウントを開始しました。

遅れてネロさん、エンツォさん、エルナさんも次々と洞窟に飛び込んできます!


「エルナさんは洞窟の外で待機!何かあったらホイッスルを!ネロさんも洞窟の外で援護を!ここは狭い!」


鋼鉄の箱で出来たミミックは叩いても殴っても突撃してもロクに効いていないようでした……

なら、魔法で……!


「水よ、わが力を持ってーー」


あと2カウント!

ミミックがミアさんの盾に体当りし……壊した!?なんて馬鹿力だ!

残り1カウント!

エンツォさんの突撃……!剣が折れてしまいそうだ!そして魔法の発動!


「水よ、わが力を持って、目の前の敵を、凍りつかせよ!」


ピシッ……!

ミミックは、一瞬固まりました……しかし。

バキイッ!!!

氷を内側から壊して、宝箱の口でニヤリと笑います。魔法も……効かない!?


「撤退するしか、ないか!?」


しかし、ミミックは素早い。逃げても追いつかれる可能性がある……!

ついにエンツォさんの剣が砕けました!思い切り口を空けたミミックを、必死で盾で止めるエンツォさん!

そこへーー!


「エンツォー!」


ネロさんの全力ナイフ投げ!

口を大きく空けていたミミックの口のなかに吸い込まれるように鋭く、早くーー沈み込んだ!?

ギャアアアア!!!

………!?ミミックに、効いた!?


「内側だ!」


ネロさんが叫びます。


「アルドの魔法で内側を貫け!」


ネロさんの言葉に頷きを返し、指示を飛ばします。


「魔法が完成するまで、守ってください!もちろん、誰一人欠けることなく!」


「来いよミミック!ミアもアルドも、守ってやる!」


ジオさんの宣言に安心が募る。

1カウント。


「絶対に奥に行かせるかぁっ!」


エンツォさんの盾の突撃、

2カウント。


「ミアさん!すぐに回復しますから!」


エルナさんの回復、

3カウント。


「どっ……せえええい!」


ミアさんの正面パンチ!?

と、とりあえず詠唱は完成しーー


「アルド!今だ!」


ネロさんの言葉の瞬間に、ミミックが口を空けた!

その瞬間、ミミックは私の氷に貫かれていたーー


そして……


「いいですか?冒険者講習でも習ったでしょう?怪しい宝箱は開けるなって!」

「「はい……」」

「今回はどうにかなったからいいものの、ミアさんの盾も、エンツォさんの剣も買い替えです!支出マイナスですよ!」

「「はい………」」

「皆無事だったからよかったものの……ああ、胃が痛い……」

「「本当にごめんなさい………」」


まあ、今回は本当に反省しているようだから良しとしますが………

この空のミミックの箱、なんとか売れないかな……

そんな事を考えた時……

「……え?」

ミミックの箱が、わずかに動いた。

「まだ生きてるじゃないですか!!!」

「「「うわあああああ!!!」」」

もう相手にしてられません!全力で逃げますよ!!!

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