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魔獣少女たちの同窓会 ~かつて最弱だった魔獣たちは最強まで上り詰めたので再会するようです。~  作者: カモミール
序章:再集結

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3話.魔王パンドラ


※魔王パンドラ視点


「魔王様ぁ!!四王がとうとう接触の動きを見せ」

「うるさいっ!わかっとるわそんなこと!もう今朝から何回目の報告じゃ!さっさと消えて、他のものにももう来るなと伝えよっ」

「はっはいいー。し、失礼しましたぁ」

そう言って配下の魔族は大慌てで去って行った。


はぁはぁと大きく息を吸って怒鳴って切らした息を整える。


余はパンドラ・ロイ・ビクトリア

当代の魔王じゃ。


パンドラなんて大層な名前を父から授かったが、

所詮は名前負けした小娘よ。


私の力が足りないから今回も民は不安を感じているのじゃろう。


城下町は今回の事態で大パニックだ。

魔族の凶暴性は同じ魔族の我らが一番理解している。


故に民は不安なのじゃろう。

それは分かるが、いくら不安といえども

余に全て丸投げしてそれを紛らわそうなどと

無礼千万じゃ。


まぁだからと言って何をする気もない。余は穏健派じゃし。


じゃが父上ならさっき報告に来た部下は即死刑だったかもしれんな。


厳しく、そして強い父じゃった。

その力とカリスマで皆が父の前に跪いた。


それに引き換え余は…

こうやって甘いから有事に皆パニックになってしまうんじゃろうか。


パンドラが思考を重ねていると、ドアの外から足音が聞こえてきた。この感じ、あの3人じゃな。


ドアが開く。


「ふっ、今朝からこれで8回目。分かりますぞ。お嬢。兵たちの軟弱ぶりには頭が痛くなりますなぁ。がっはっは」


考え込んでいる私の様子を見て、私が弱き兵を責めていると勘違いしたのかの。この声の主は。


扉の方に振り返ると3人の人物が部屋へ入ってくる。


「全くです。偉大なる魔王軍が情けないことこの上ないですわ」


「んだべ。教育が必要だでな。なぁパンドラ様」


来たな三星将軍。余の部下の中でトップの実力を誇る最高幹部だ。こういう有事には頼もしい限りなんじゃが…


この3人には他の兵たちとは別の問題があっての。



「魔獣四王といっても所詮は元野良魔獣。生粋の魔の王であるパンドラ様に勝てるはずもないというのに、兵どもは何を怖がっているというのか」


勇猛果敢で知られる獣将軍、ガイアスはそう言う。


「その通りだな。どこぞの田舎から湧いて出たような成り上がり魔獣に我ら魔王軍が負けるわけないべさ」


その言に温厚で知られるスケルトン、戦将軍リットンは賛同した。


これが、こやつらの問題点じゃ。


そう!これらのセリフから分かる通りこやつら魔獣四王をめちゃくちゃなめてるんじゃ。

魔王軍のプライド故か、こいつら奴らの強さを分かっとらんらしい。


「4匹まとまってる今、我らで攻め滅ぼしてしまうなんていうのはいかがかな?パンドラ様」

「おお、珍しくいい案だべさ。ガイアス殿。いい機会だでな。奴らを一気に滅ぼして我ら魔王軍こそが真なる魔と知らしめてやる」

ガイアスとリットンが凄んでいう。その目は期待に満ちていた。


「う、それは」


やっぱこいつらは他の家臣とは違ってめんどくさいわ。

そりゃ余とて腐っても魔王。

奴ら四王と戦ったとてタダで負けてやるつもりはないが、それでも奴らに勝てるわけないじゃろが。


一回竜王・オルゴラズベリーが直に戦う姿を見たことがある。


遠目だったがな。


その時は戦いの余波で山が四つは更地になった。

あれはまさに災害。超級にやばい化け物じゃったぞ。


あんなんが他に3匹もいるというのにと戦いたくないわっ!


じゃがなぁ。余も勝てませんと素直にいうわけには。

余にも魔王という立場があるし。


だが、思いがけないところから助けが入る。

3人目の三星将軍、メイチェルが反対の声を上げてくれたのだ。



「はいはい、馬鹿なことを言わないでください。2人とも。魔獣四王は決して侮ってはいけない敵です。最悪こちらの全滅を覚悟しなければならないほどの。徒に敵を増やしてたところで100害あって一理なし。それくらい分かって欲しいものです」


メイチェル〜〜!ナイスじゃ。その通りでしかないの。信じておったぞ。

メイチェルに心の中で喝采を送る。

やっぱり、彼女こそ余が最も信頼できる片腕じゃ。


「何だと!貴様三星将軍でありながら魔王軍を、魔王様をコケにするのかっ!」

ガイアスはメイチェルの発言に激昂した。だが、

メイチェルは冷たい目でガイアスを見下し、あしらうように言った。


「は?誰が魔王様をコケにしたと?嫌ですね。これだから相手の力量もわからない脳筋は」

「なんだとぉ」

「私は勝敗の話はしていませんわ。ただリスクが高すぎる、という話をしているのです。それに、勘違いしてほしくないのですが、私はわ・た・し・た・ちが四王には勝てないと言っているのです」 


メイチェルは状況を冷静に整理して発言してくれているのかと思ったのだが…

うん?何故じゃろう。なんか嫌な予感を感じるの。


余が感じた予感は的中した。メイチェルはこう続けたのじゃ。


「魔王様なら勝てるに決まっているでしょう!!ですが、この国の人口が魔王様おひとりになられては元も子もないという話をしているんです。誰が誰をコケにしたんですか?え?ガイアスさん?」


「は?」

思わず声が出てしまったわ。

「わ、悪かった悪かった。笑顔なのにすげー怖えよお前。そ、そうだな。もう少し様子見るべきっというのはその通りだと思うよ。だからよ、その圧やめてくれ」


ガイアスが一歩引く。


メイチェルは基本口調を崩さないけど、逆にそこが怒ると怖い。じゃがそれ以前になんて言った!?

余なら勝てる!?

メイチェルは一体

余に何を期待しておるんじゃ。


「そこまでにせいっ。全ては余が決めること。トップが臣下の意見に左右されておっては国がめちゃくちゃになるわ」


このままの流れではまずいと、余は三星将軍に一喝した。

「「「ははっ、申し訳ありません。パンドラ様」」」


「メイチェルの言が正しいの。対策はするが、今は魔獣四王と戦う時ではない。かの怪物どもが余ら魔族に牙を向いたとも限らんのじゃ。それが分かるまでは様子を見て策を練る。良いな」

「「「はっ」」」


余にカリスマなんてないからの。じゃが魔王という地位があれば、こうやって変な方向に方針が定まりそうな時も軌道修正できる。


先代、先先代様々じゃな。


はぁ、こんなんで余は本当に魔王に相応しいのじゃろうか。


苦悩の毎日じゃ。




ーーーー


三星将軍は部屋を退出した後に言った。

「はぁ、パンドラ様は本当に立派になられたべ。こうやって非常時にはきっちり私たち部下を占めてくださって、お父上に匹敵するほど頼りになる」


「当然だ、この俺ですらさっきの喝には萎縮してしまったぞ。流石はお嬢だ」


「ほんとですね。まぁ、お世話係として幼ない頃から見守ってきた身としては、少し寂しいものですがね。不敬かもしれませんが」


パンドラの悩みとは裏腹に魔王の側近3人からは絶大な信頼を得ているパンドラだった。



一方その頃、魔獣四王は話し合いを続けていた。


「オルちゃんは何がしたいんや?」

マクラが聞いた質問にオルゴラズベリーはこう返答した。

「そうだなぁ。いくつかあるけど、過去を懐かしむ系で言えばあれかな。パンドラ様にあの時助けてもらったお礼がしたいぞ」

「オルちゃんあれ以来ずっと魔王様を慕ってたしねー」

セレーネが言った。

「そうなんだよ。私、パンドラ様に憧れたおかげでここまで強くなったと言っても過言ではないから」

「確かにあの時のお礼はしておきたいわね」

フェルミナが賛同した。



そうして、その信頼はこんなところでも培われていたのだ。

本人の自己評価とは裏腹に案外慕われているパンドラであった。




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