新装不遇職
工房おわりの巻
装備製作が終わるまでの間、好奇心と暇潰しのために展示されている武具を見て回る私です。いえいいえい。
と、言ってもだ。どれがどれくらい凄い出来なのかは当然見てわかる訳無く、一応イニシエスタさん…の腕が解説してくれてはいるけれど、それでも聞いた事も無い全く知らない単語だらけで正直な所「すごいんだね」くらいしか言える言葉が無いでございます。
まぁイニシエスタさんも私が理解出来ていないのはわかってるみたいであまり深くは話さず、どこで採れる素材をメインにしているか、どんな人が使うはずだったかくらいの雑談程度のものをするだけだった。
それでも充分私には面白いからいいんだけどね。目の前に画面の中くらいでしか見たこと無いファンタジー鎧とかがあるってだけで結構楽しい。
正に騎士鎧って感じの美麗な物。逆に実戦重視の重厚な物。はたまた魔物素材と思われる色とりどりの鎧達。
更に鎧だけかと思いきや、身軽に動ける軽装や魔術師ようのローブ、どこのパーティに出席するんだって感じのドレスまであったりする。
最早工房とは一体…とツッコミたくなるそれらの物だが、当の製作者によると…
「自分で全部作れた方が楽でいいだろ?鉄叩くだけが鍛冶屋じゃねえんだよ。」
だそうです。
私達冒険者がわざわざ鍛冶と革で重装軽装を分けられているのに、全否定レベルの自己完結工房である。
ていうかほんと何でわけられてんだ冒険者の私達は。魔物の素材だって鍛冶職人は使えるはずなんだし、一緒じゃ駄目なのかね?
「嬢ちゃんは知らんだろうが、魔物の素材ってのは面倒なもんでな?同じ物でも加工方法によって全く別の性質になるんだよ。」
どうせだしと試しに聞いてみたらこう答えられた。
「例えば……嬢ちゃんでも手に入れられるジャイアントアントの甲殻があるだろ?あれは炉に突っ込むと、金属の様にドロドロに溶けんだよ。その後は普通の金属と同じように扱える。
んで性質は鉄鉱石と魔鉄鉱の中間と言える。鉄鉱石よりも魔力適性が高いが魔鉄鉱よりは低い。魔鉄鉱より頑丈だが鉄鉱石よりは脆い。
最大の利点は安い……あいつらは森に行けばうじゃうじゃ湧いて出てくるからな。鉄鉱石より安値で買える人気商品さ。新人の育成なんかにもおすすめってとこだ。」
なんか便利なやつなんだね。炉で溶かせるって事は、蟻共は火に弱いって事だよ………って虫なんだから当然か。何を新発見だぁ!みたいな感想抱いてんだ私は。
「じゃあ他の方法だとどうなるのさ。」
「単純にそのまま使うってのと、もう一手間掛けるのがある。そのままだとあまり自由に加工は出来ないが、溶かして固めるより軽い。軽装や盾、武器の補強なんかには丁度いいな。
んで手間掛けるってのは、エルヴンウッドの樹液に漬ける事だ。名前の通り、エルフの連中が住んでる森にあんだがな、それに大体四日漬け込むと布みてぇに柔らかくなんだよ。
代りに防御性は低くなるが、魔力伝導率が上がるが故に、魔術師向けの装備に使える。」
ほへぇー…なんか全然違うんだねぇ。それに全部がこうじゃなくて、物によって加工方法による性質の変わりは違うんだろう。
「それにだ。素材はあっても、作る本人がどうするかによっても完成品の性能差は出る。鍛冶屋が作れば皆同じ性能なんて訳無い。その逆、革やそのもので武具作ってる連中だって人によって最終的な出来は異なる。」
餅は餅屋へとかそんなやつってこと?ちょっと違うかな。
「製作途中で魔力を流したり、専用の器具や設備を使ったり……そんな事をやってるとどこかが疎かになんだよ。なら初めから道を分けようってなった訳さ。中途半端よりもどちらか一つに道を絞り極めようって事。実際そのかいあって性能の良い装備は昔より圧倒的に増えたからいいこったい。」
「でも…あなたはそれを両方出来るんでしょ?大丈夫なの?」
「ナメてんのかクソガキ。あたしをそこらの有象無象なんかと同じにすんな。時間と金を掛けてちょっと犠牲を払えば出来んだよ。
これが自惚れだって思うなら外出て調べてみりゃわかるはずさ。」
有象無象って…北門の辺りは凄く賑わってたし、確かに見習いとか腕が悪い人が少しばかりいてもおかしくは無いと思うけど…中々に辛辣である。
まぁそれ程に己の腕に自信があるって事なんだろうね。ではではお言葉通り、暇な時にでも調べてみようか。その内ね、その内。
「……ま、あんたとはもう会えんと思うがな…。」
「ん?なんか言った?」
「いんや、それよりもだ嬢ちゃん。腕の方だが形は出来た。ちょいとこっち来てな、くっつけちまおうぜ。」
「え、早くない!?まだ全然時間経った気がしないんだけど!?」
どういう速度だよ。まだ体感一時間経ったかな〜ってくらいなんだけど…おかしいでしょ。
ま、まあ出来たって言うならそりゃ行くけどさ。
───
呼ばれて作業場の方へとやって来た私。そんな私を見て特に何も反応しないイニシエスタさんと、妙にソワソワしておられるウィルチェ。前者はさっきまで腕とはいえ話してたからわかるけど、ウィルチェはどしたの?
「は、早かった…ね?」
「でしょ!ほんと凄いんだよイニシエスタさん!私がいて教えながらでこれだもん。一人ならもっと早いよ!たぶんね。」
教えてもらったって…はたしてこの短時間で頭に入るのだろうかと、私はちょっと不安になるよ。
「そんじゃ、とりあえず見てくれ。」
そう言って、イニシエスタさんは私に対して形は完成したという右腕を見せてくれた。
「うわー…腕だ…。」
「あ?そりゃそうだろ。腕作ってんだから。」
やめて、そんな真っ当な返答しないで。私のお間抜けな語彙力の無い感嘆を責めないで。でも実際腕なんだから仕方ないじゃん?他にどう言えばいいのさ。
はい。下らない逆ギレでした。ま、まぁ…気を取り直して……私の新たな右腕となるそれは、肌色では無く鉄の色をしていた。まあ皮とかそんな類の物は使ってないはずだから当然ではある。
大きさは多分私の元の腕と同じに見える。とは言っても自分の腕の長さを覚えてる人なんて早々いないだろうし、客観的に見る事だって写真くらいだと思うのであくまでも多分だ。
さて表面の造形はのっぺりではなく、金属製品らしい凸凹が見られる。肘より先は手甲…(ガントレットって言うの?同じ?)みたいな感じになっており、指先何かは何かの動物の爪みたいに尖っている。引っ掻いたら痛そう。
でも別にそれらは邪魔になりそうな程大きい訳でも無いし、見栄え的にこういう方が私は好きなのでむしろ歓迎である。メカメカしいのはロマン。
まーあれだ。このまま長く語るより着ければわかるってやつだよこれは。見た目は良くても着けてみたら『うーん』って事もあるかもしれないしね。それと感覚の違いとかもあるかもだし。
「元からそのつもりで呼んだんだ。接合については付け根にある爪を体にぶっ刺して行う……まあ多少痛みはあるが我慢しろ。」
そう言ってイニシエスタさんは「これな?」と指でちょんちょんと突いて爪とやらを示す。
…おぉっとこれは予想外でしたよ私。こう魔法的なあれでどうにか出来ないんですかね。いやだってさ、意外と爪が鋭い。しかも結構深くいきそう。めっちゃ痛そうなんだよ。頼みますよ。
そんな、私の心の中の要望は当然聞こえるまでもなく無視され、イニシエスタさんの言葉は続く。
「下手に暴れたりすると、変な形で爪が刺さるから余計痛えぞ。
んでその後こいつに魔力を流す。どうすりゃいいってのは簡単だ。何でもいいから魔法を使え。そうすりゃ中に組み込んだ幻想水晶が嬢ちゃんの魔力と同調を始める。何も無ければそれで終わりだ。」
お、おう。簡単っすね。上手く行けば。そして上手く行かなかったらどうなるのかも気になるけど、聞いたら怖くなりそうなのでやめておこう。時には知らない方が幸せっていうのもあるしね。
「ま、怖気付くよりもちゃちゃっとやっちまった方がいいだろ。ほらこれに座れ、あとすまんが上は脱げ。」
さっきまで無かったはずの椅子を指差し、いつの間にか周りに上着掛けみたいな物を持った腕がスタンバり、はよしろ感が凄いのですが。
でも言ってる事はよくわかる。早く終わらせた方がいい…それはとても正しい。私は怖気付くと何が何でも逃げようとするからね。面倒くさくなるよ。
「んじゃカンナちゃん脱がすよ〜?」
「へ?」
「そぉい!」
「ほわぁぁぁぁぁぁ!?どゆことぉぉぉぉ!?」
私が脳内で納得していると、これまたいつの間にやらスタンバっていたウィルチェにいきなりローブとシャツを脱がされた。それはもう見事に、美しく、すぽーんって感じに。
あ、あと別に裸じゃないよ。絶対脱げない壊れない無敵のインナー様があるからね。何種類からか選べたりするんだ。まあ今はいいや。
「…ってちゃうわ一人で脱げるよ!びっくりした!というか随分キレイにいったな!」
確かに脱ぎにくいだろうさ。でもいきなりはびっくりするよ。思わずエセ関西弁だよもう。
「いやまぁ何回か脱がしてるし?」
すっごくサラッと言われた。言われたけど半月も経たずに何回か脱がされる私とは一体…。ま、まぁまだ同性間だけだからセーフ…と思っておく事にしようそうしようハハハハ。
はぁ、何か気が抜けたしやろっか。今ならほいほいって感じで行ける気がするよ。
「では何卒お手柔らかに…」
私はよいしょと椅子に座り、何となく力を抜いて待つ。そしてそんな私をウィルチェがガッシリとホールド…足りない所はイニシエスタさんの腕がホールド……待ってくれ、多くないか?なんだこのガチな縛りつけは。最早動けと言われても動けないぞこれ。
そんなちょっぴり不安になる私でございますが、遠慮無くイニシエスタさんは例の爪部分を私の腕の付け根へと合わせる。
そして位置を確認するように少し動かし……
ざくり
いや…ぶすり
……わっかんねぇや
とりあえず
「いったあぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
痛い痛いとても痛い素晴らしく痛い。なんだその爪の動作は。完全に刺しに来たよあれ。食い込んだよあれ。もうわけわかんねえやガッハッハちくしょう。
大丈夫か私。こんなに痛い事だらけで今後この世界でやっていけるのか。てか皆様よくこんな痛いのに強敵やら沢山の敵に挑めるねほんと。変えられるのこれ。
「うし、サイズは丁度いいか。ほら嬢ちゃん、魔法を使えよ。」
「フヒーッ…あ゛い゛」
もうヒールでいいよね。だって今見たら普通にHP削れてるもん。ダメージ扱いなってるよこれ。しかも割と大きく…二割くらい?
「ヒーッ『ヒール』。」
短い詠唱の後、私の回復魔法が発動……しない。「あれ?」と思ったが、すぐに右腕に現れた反応で引き戻された。
まず現れたのは、ドクンドクンと脈打つ感覚。はじめは微かに…そして徐々に強く、だが急に落ち着き、その感覚は完全に無くなってしまった。
しかし直後に感じるは熱だった。腕全体が火に包まれたが如く熱くなり、思わず冷やそうとぶんぶん右腕振り回してしまった。
「え…?」
そこで初めて私は気が付いた。右腕が動くと。ただの金属だった物が、いと自然に私の思うように動いていると。
更にその事に気が付いた時、あれ程熱いと感じていた熱は嘘みたいに消えていた。
変わりに現れたのは、そこそこ見慣れてきた魔法陣。言わずもがな先程唱えた私の『ヒール』である。それはしっかりと私の痛みを消し去り、役目は終えたと消えていった。
最後に残ったのは、まるで違和感を感じさせない私の新たな右腕だけであった。
「…これは、成功?」
薄っすらとそう感じながら、私は恐る恐る二人に聞いてみる。
「そうだな。同調は問題無く終わったようだし、違和感無ければ成功だ。」
「ほんとに大丈夫?前と同じに動く?」
「えーっと…うん、びっくりするくらい何も違和感が無いよ。ほら。」
動く事を示す為に適当にワキワキしたりピースしたり回してみたり…その様子を見た二人は、
「大丈夫そうだな。よかったなウィルチェ。」
「いやいや全く…ほんとよかったぁ。」
───
「さてと、んじゃ腕が無事動いたって事でお次は武器の方だ。」
未だに「おおー」なんて感動している私とウィルチェであったが、その言葉に首を傾げる。
「あれ?出来たのは腕だけじゃなかったの?」
さっきも腕の形が出来たって呼ぶからこっちに移動してきた訳だ。武器も作ってたなんて知らなかったよ。
しかもウィルチェも何の事やらって顔してるし、どういうこったい。
「何言ってやがる。同時に作ってたに決まってんだろ。」
「はい?」
「腕作ってる間によ、少し暇があったから並行して作ったんだよ。ほらこれだ。」
まてまてまてまて。だから何さらっとぶっ飛んだ事やっとるんだこの人は。いや…もうやめよう…この人はおかしい人なんだ…そうだ………。
ええい!なら見てやるぅ!さあ私の武器は何になったんだおらー!
「…………えとえと、や、槍?なんで?」
意気揚々とそれを見た私は、割と素で聞いてしまった。まぁ聞かなくてもわかるんだけどさ。ちょっと驚いただけだよ。
実際、どの角度から見てもそれは槍であった。全長は2.5メートル程だが、穂先は中々に特徴的で、先端から徐々に幅広に…つまり細長い三角形に近い形状。
別にそれだけなら普通なのだが、明らかにそれがでかい。三角の片手剣をそのまま付けたと言われても信じる程だ。
うーむ何だろうなぁ…何かで見た事あるような…思い出せん。
まあそれが槍の先端90センチくらいを占めている感じ。
後は全体的に装飾は控えめ、穂先によくわかんない紋様が刻み込まれてるけれど…気になるのもそれくらい…かな。実用性重視と言えるのかね。
「あのー、何でカンナちゃんに槍なんですかね。一応候補の一つにはあげてましたけど…。」
あ、私が槍を見てたらウィルチェが聞いてくれた。助かるよぉ〜。
「嬢ちゃんは新米のひよっこ、しかも一人。この段階で今まで通りの杖なんて選択肢は無い。剣術やらを身に着けてる様子も無し。なら槍でいいんだよ。」
わかるか。とイニシエスタさんは続ける。あと正直私はわかってないよ。
「槍の利点はリーチの長さ、そして武術なんてからっきしな奴でも扱える取り回しやすさにある。敵と至近距離でやり合う必要も無し、長さを活かして突くなり振り回すなりするだけだ。気楽だろ?それに槍術を学べば更に強くなる。」
ははあん、なるほど?なる…ほど…?
「それに…嬢ちゃんには嬢ちゃんにしか出来ない事があるだろ?」
「え?」
おおう、いきなり振られても困っちゃうよ。私にしか出来ない事…ねぇ。
「魔力を利用した高速移動。いやはや驚いたね。あの兎連中からそんな発想になるたぁほんと驚きさ。」
やっぱそれですか。…でもさ、私話してないよね?一言も魔力推進についてはさ。
「戦士のように力を付けなくても、速度を使えば槍は充分に威力を発揮する。
更に…穂先の刃は翡翠鉄鋼をふんだんに使用している。あー…つまりは右腕と併せて魔力適性が高いって事だ。長杖にもなるから魔法だって今までより高い効果を発揮してくれるよ。」
なんだか盛りだくさんな槍なんだねこれ。私の武器一気にグレードアップし過ぎじゃない?貧弱な初期杖だったのが何か凄いやつになっちゃったよ。びっくりだよ。
試しに持ってみろ…そう言われたので、私は槍を右手に持つ。
「…あれ?意外と軽い…。」
初めに思った感想はそれだった。穂先がかなり大きく、全体としても長いから重量は結構いっていると思っていたのだが、今持っている杖と同じくらいに感じる。不思議。
「それは右腕のおかげだ。実感は無いかも知れんが、そいつが魔力を使って持てるようになってんだよ。詳しく言うと面倒だからそう思っとけ。」
お、おう。そうしておくよ。私もどうせ聞いたところでわかんないだろうしさ。
───
「んじゃよ、後の事は実際に使っていって体で覚えてくれ。修理や調整についてはウィルチェに教える。というか技術は出来る限り叩き込んでやるからよ、困ったらウィルチェに聞いてやれ。」
「え、へ、は、はひ。わわわかりましたー。」
大丈夫かいウィルチェ。凄く焦っておられますが。
「が、頑張るよ…うん。カンナちゃんのためだし…。」
「あー…その、無理はしなくていいからね?ほんとね?」
うだうだと私達がそうこうしていると、イニシエスタさんはおもむろに腕を全て引っ込め、何やら不自然に
「今回の右腕と槍の代金は無しでいいぞ。幻想水晶を扱えたってだけで充分だからな。だが…防具については流石にサービスで作ってやる事は出来ん。あたしだって生活があるもんでな?」
そう少しだが、口速に告げる。
…私としては、右腕と槍を実質素材の消費だけで作ってもらえたから充分過ぎるんだけどね。普通私の予算じゃ作ってもらえないだろうしさ。
防具については…ウィルチェに作ってもらうか何か探すかしますかね。
「よしよし、んじゃこれで今日は終わりだ。」
唐突に、イニシエスタさんは私達に言い渡す。少し驚いて彼女の顔を見ると、どことなく何かを気にしているかのような表情をしている…ように見える。
「え、イニシエスタさんまだ他にやる事…」
「すまんなウィルチェ。大事な用がある事を忘れていたんだ。また明日でいいか?時間はお前に任せる。ここは朝から開けておくからよ。」
「は、はい。了解です。」
少し困惑しつつも返事をするウィルチェ。…大事な用…ねぇ。本来は忘れる事なんて無かったのだろう。だけど私達が思ってもないような物を持ってきてしまったが故に忘れたんだろうね。
それだけテンション上がってたように見えたし…。
まあ、うん。とりあえずはメイン目標達成と言えなくも無いし、いいのかな。
「んじゃな二人共!悪いなドタバタしちまって、せいぜい死なんようにな!」
最早焦りを隠さないレベルで私達を扉へと押し始めたので、おとなしく私達は工房の外へと出る。そして最後に手をふりふりし、パタンと扉は閉ざされた。
「な、何か…私全然これの説明受けれてなくない…かな?」
私は隣のウィルチェに対して、右腕と槍を指さしながら問う。
「あー…うん…そうだね。明日…纏めてもらうよ。」
「うん、お願い。」
静寂に包まれた例の何も無い部屋。そこに佇む私達。しばらく呆気にとられてポケーっとした後、どちらともなく「帰ろっか…」と遠い目をしながら帰るための扉を開けたのだった。
何話か続けた工房のお話はこれにて終わりです。説明が短い?わざとです。深い事情があるとかでもないので気にしないでください。
次回はサブキャラのお話…イニシエスタと誰かです。




