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クソ弱勇者はチートつき!  作者: 甘味好き
一章 異世界召喚
13/30

圧倒

前回の撮影での一幕。


オメテオトル「やあこの世界の神様オメテオトルだよ(キラッ」

雄次郎「設定ではな」

オメテオトル「やだなぁ~。撮影中じゃ無くてもキャラを立てておくのは必要だよ」

作者「参考までに聞きますけど、オメテオトルさんはフリーの日は何をしているんですか?」

オメテオトル「う~んと、ラーメン屋行ったり、うどん屋行ったり、蕎麦屋行ったり……」

雄次郎「神様のイメージバッキバキだな」

異次元創造クリエイション・ユートピアを使って作った異次元は……一言で言うと“お花畑”だった。


足下にら色とりどりの薔薇、百合、水仙、蒲公英、秋桜、彼岸花、菖蒲、紫陽花、菜の花、椿、その他諸々の花々が色や季節、場所を完全に無視して咲き誇っていた。

向日葵何か高く伸びすぎて所々で浮いてる。

色がドス黒い向日葵は何かヤバそうだった。


地平線の先までずっと平坦な花畑。

上も青空が広がり、動かない太陽が真上にあるだけというまさに《ユートピア》だった。


「おい」


俺が和んでいると、そこに場違いな声が響く。

勿論俺がここに叩き込んだ《魔王》だ。


「ここは何処なのだ?答えよ」

「さあな?足りないオツムで考えろよ」


《魔王》がキレて先程襲いかかってきた時の倍以上の速さで突っ込んでくる。

俺は見きっているから難無くかわす。


《魔王》の拳圧だけで近くの花々は吹き飛んだ。

すぐに再生したが。


《魔王》から《転移》を使って一瞬で離れる。

《転移》は“今さっき創り出した”能力だが、イメージが.曖昧だとちゃんと発動しない。

《転移》可能な範囲は目で見えてる範囲が限界だろう。

と、あたりをつけ、《魔王》に向き直る。


《転移》の直後の為か、体に僅かな船酔いの様な感覚があるが、《魔王》の拳を避ける位なら余裕だ。


「クソッ!貴様は何なのだ!!」

「ただの勇者の出来損ないだよ。……チートつきのねっ!」


《魔王》の攻撃を避けながら懐に《転移》する。

やっと体が《転移》する感覚に慣れてきた。


「《掌底》!」


掌に何の属性も与えていない魔力を圧縮して集め、相手に触れた瞬間に放ち、吹き飛ばすこの世界の“魔力護身術”の一つ。

魔力の操作が下手な奴はあまりダメージを与えられないが、それでも充分な護身術になる。


「かはっ!!」


しかし、初めての対人戦で、尚且つ、いきなり力が上がってしまったものだから加減がわからず、《魔王》をかなり先まで吹き飛ばしてしまった。


「う~ん……じゃ、次の魔法を創ろっか」


俺は軽い調子で新固有魔法創造クリエイション・ユニークを使い、新しい魔法を創る。


何故俺がこんなに簡単に新しい魔法を創り出せるのかというと、地球でのアニメでの知識を使っているからである。

いくらこちらの世界に魔法があると言っても所詮は《オメテオトル》一人で創ったものである。

長い年月と、熱い情熱により創りだされた日本のヲタク文化には勝てない。

そもそも《オメテオトル》には想像力というか、妄想力が足りないから魔法の種類も限られてきているからこの《スキル》は重宝する。


そして今創っているのは“重力魔法”。

意外な事に、今ままで“ユニーク魔法”でも発見されていなかった魔法だった。

《オメテオトル》の妄想力の無さがここに出ているだろう。

おかげで、俺の新固有魔法創造クリエイション・ユニークで創り出せた。


この新固有魔法創造クリエイション・ユニーク、実は意外と制約が多く、まず以前に存在した、または存在している魔法は創り出せない。

次に、イメージが適当だとそれなりの能力になる。(その結果が先程の《転移》だ。それなりに使い道はあるだろうが)

そして、燃費が悪すぎる。

一個魔法を創り出すのに魔力を十億も使う。

俺は魔力(無限)だから関係無いが、それなりに精神に負担がかかる。

プラス、創り出した魔法も燃費が悪くなる。

《転移》何て、距離(㎝)×イメージにかかった時間(今回は目で見えてる範囲だったからほぼ0秒ですんだ)×100=消費魔力になった。

距離が100㎞を越えて、更にイメージ時間が10秒を越えたら流石にダメージ(精神への)受けすぎて寝込む自信がある。


現在俺は《スキル》の《神格化》を使って、《現人神》の様な状態になっている。

《称号》に《唯一神オメテオトルの代行者》なんてのがあったのもこのスキルがあるからだろう。

この《神格化》のおかげで俺は現在、固有魔法の使いすぎや、これまた新しく創った魔法の《思考加速》での精神への負担は後で《神格化》を解いた時に来る様になっている。


精神的にかなり弱ってしまうだろうが、これも後で調子に乗らない為の実験だ。

もし廃人になる位ヤバくなったら《神界渡航》で、オメテオトルの所へ行けばたちまち回復する筈だ。(オメテオトルから受け取った“記憶”にはそうあった)


そうこうしている内に《重力魔法》が出来た。

名前は重力魔法(グラヴィティ)……。

まんまだ。

どうでも良いな。


「何事も実験だ。重力魔法(グラヴィティ)!!」


周りの地面を重力を反対向きにさせ、更にGを上げる。

地面にヒビが入り始め、俺は上空へと“落ちる”。

そしてこの次元の重力を“消す”。


それらを念じただけで出来た。

どうやら《重力魔法》は扱いやすい“アタリ”だった様だ。


「凄い光景だけど……」


空中にはそれなりの大きさに別れた“地面の固まり”が散乱していた。

地球ならマントルや外核がある筈の地面の下は無く、“空が続いて”いた。


とても神秘的な光景だが、これでは吹き飛んだ《魔王》を見つけるのに手間がかかる。

また新しく魔法を“創り出す”のも良いが、流石にまだ《神格化》一回目なのだ。

反動がどのくらいなのか見なければならないが、やり過ぎてしまうと本当にヤバいそうなので、この位にしておく。


「時間を巻き戻すタイプは今度にして……あ、そだ」


既存魔法全取得(オールマイティー)》の中で見つけた《探索》という魔法を使う事にした。


既存魔法全取得(オールマイティー)》とは、その名が示す通り、既存する魔法を一時的に(・・・・)俺が使える様になる魔法だ。

使用可能時間は取得してから半日で、その間は必要魔力さえ払えれば何個でも既存魔法を取得出切る。

ただし、やはり制限があり、取得するにあたって、取得する魔法を“100回ほど使用する分の魔力”を消費しなければならない。

しかし、それでも使い方を間違えなければ俺が持っている《スキル》の中で一番使い勝手が良いかもしれない。

何せこの世界のどんな魔法でも使えるのだから。


(制限付き)というのがあるから、制限とやらが無くなれば更に使い勝手が良くなるらしいが……。

どうなるのかは後日オメテオトルに聞こう。


「で……どこにいるかなぁ?」


《探索》は自分の頭の中にゲームで言うマップの様な物を出現させ、半径1㎞を秒速でマッピングしてくれる。

世界が、正確には地面が“浮いている”ので頭の中にあるマップも三次元になった。

イメージ的には中が見透せるボールだ。


そして今、俺を中心としたボールの中央のすぐ上に赤い点が表示された。

高速で俺のいる場所へ向かって来たので前方10メートル先に《転移》して逃げる。


「くそっ!!」


高速で動いていたのは、やはり《魔王》で俺が油断していた所を狙っていたらしい。

俺が吹き飛ばした時に出来たらしい傷も所々あった。

かなり体力を消費しているようで、残りの体力は半分近くになっていた。


《魔王》は息も絶え絶えだったが、不敵に笑った。


「クフフ、ゲホッ……貴様の異常さは良く分かった。何故かはわからないがステータスを偽っていた事もわかった。そのせいで油断したが、次は無い」


前にも言ったがステータスは先程いきなり上がったのだ。(精神世界で色々あったが)

そのせいで《魔王》は俺が実力者で力を偽っていたと勘違いしていた。


「しかし、俺様は……まだまだ上がる!《限界突破(アン・リミテッドォ)》!」


《魔王》から魔力の本流が噴き出してくる。

そこから溢れでる覇気は流石《魔王》としか言えない。


俺もちょっと真似をしてみて、○ーパー○イヤ人見たいに魔力を出してみる。

おお、出た。

やっぱカッコいい。

色が白と黒の交互だったのは気にしない。


「貴様のその姿……まるで“堕天使”だな。……今一度問う。貴様は何なのだ?」


《魔王》が俺が魔力を出すと俺の姿を見てそう言った。

目覚めてから自分の姿を見ていなかったので魔力を集めて“鏡にする”。

この技術も過去に失われた筈の技術なのだが今は気にしない。


「……なんじゃこりゃ?」


俺は鏡に映った自分の姿を見て呆れた。


目の前には登頂部で髪の色が白と黒に分かれ、目はオッドアイで髪が白い方が黒目、逆が銀色に近い白目(虹彩がだよ?)。

背中には今まで気がつかなかったが、純白の天使の羽と、天使の羽が漆黒に染まった様な逆と同じ作りの羽が生えていて、体は黒でコーデニングし、何故か天使の輪っかが頭の上にあった。


「……」


激しく言いたい。

ふざけんな!誰がこんな厨二テイスト満載にしろと言った!?作者か?作者なのか?良いだろう、俺が新しく創った魔法で“そっち”に行って──(しばらくお待ち下さいm(_ _)m)


……外見の事は置いといて、《魔王》の相手をしなければ。


「さっさと来い。全部叩きのめしてやる」


挑発でさっきの質問は無かった事にする。


「嘗めるなぁぁ小僧!!」


《魔王》が安い挑発に乗って俺に迫る。

確かに先程よりも速い。

“記憶”にある《限界突破》は一時的に自分の全ステータスを十倍にするスキルで、魔法が使えない変わりに魔力で体を強化したり、魔力の消費するスキルをバンバン使えるスキルのはずだ。

全体的にステータスが何倍にもなっているはずだから《魔王》の強さは先程とは違うはず。

現に俺がこの世界の“重力を消した”から普通よりも更に速いのもあるが《魔王》は音速を越える速さで俺に迫って来ている。

しかし……


「光速よりは遅いな」


光速の二乗の速さで動ける俺にとっては赤子の手を捻る様に見切れる速度だ。(実際どの位何だろうな……)

音速を越えているであろう速さも、集中すれば歩いているようにしか見えない。


今度は吹き飛ばす殴り方ではなく、肉を消し飛ばす方の殴り方で下腹部を殴る。


「ぐあ゛あ゛ああぁぁぁ!!」

「!再生するのか」


確かに《魔王》に拳サイズの穴を開けた筈だが、《魔王》には自動回復の様な能力がついていた様ですぐに塞がった。

しかし、魔力がそれなりに減っていたし、他の小さな傷は治っていない事から大ケガや、死に直結するケガ限定のものの様だ。


《魔王》を《鑑定》したときに最後まで見るのが面倒で途中で止めてしまったから、見てない所にあったものだろう。

俺自身のステータスも長すぎて見ていない。

もしかしたら同じような《スキル》もあったのだろうか?今はどうでも良いが。


「はぁっはぁっはぁっ……」

「……驚いた。流石は《魔王》だ」


素直に称賛を述べる。

が、しかしだからと言って攻撃の手は止めない。

すぐさま、また殴りかかる。

その度に《魔王》の体が吹き飛び、血が舞う。


「ぐあっ!ぐぅ!ゲボォォォォ……ェェェ」

「……」


しかし、《魔王》が吐いたのを見たときに流石に罪悪感が湧いてきた。


何て言うのだろう?

イメージ的には、年下のワルガキにちょっかい出されたからってムカついて本気で殴ったら号泣されて周りからヤバい目で見られてる大人見たいな……。

そんな可愛い状況じゃねぇんだけどな。


……仕方ない。


「おい、《魔王》」


本当に仕方無く俺は《魔王》を許してやることにした。

コイツは俺や姫様をいたぶったし、今も敵対しているけど、元はと言えば磯貝がいけないのだし、俺が偶然強くなれたのもコイツのお陰だ。

結果論とは言え、これから生きていく上であのまま弱い俺ではダメだっただろうし、俺の《天使》を目覚めさせてくれたのはコイツなのだ。

死にかけるまでいたぶれば流石に今後は何もしてこないだろう。

何より俺がこれ以上コイツをいたぶるのが嫌だ。

俺は覚悟が足りないのかもしれないが、この力があれば大抵は大丈夫だろうし、まだ大丈夫だろう。


逃がしてやるか、と思いながら元の次元へ繋がる“穴”を開ける。

最初に“穴”を開けた所と同じ場所に出来た“穴”を見て、ケガの回復をしていた《魔王》がこちらを訝しげに見る。


まだ何かするのか?と言いたげな目だ。


「安心しろよ。お前を逃がしてやる。……俺達にこれ以上危害を加えなければの話だが」


殺気を迸らせながら《魔王》に警告をしておく。

もしコイツにこれ以上の敵意があるのならば流石に殺さねばなるまい。

しかし、《魔王》も死にかけたのが効いたのか、悔しそうに唇を噛みしめながらもゆっくりと頷く。

条件を飲むという事だろう。


「いや、残念ながら俺様は魔力切れだ。再生も出来無い今、ここは従わせて貰う」

「そうかい。じゃ、先に行きな。あそこが出口だ。俺は少しここに残る」


悔しそうに返事をした《魔王》は一転、ほうけた顔をしたかと思うと嫌らしくニヤッと笑い、もの凄いスピードで“穴”に向けて飛んで行った。

今までの中で一番速かった。

恐らくまだ手を隠していたのだろう。


俺は三秒ほど訳がわからなかったが、《魔王》の狙いと自分の甘さに気付き、愕然とした。


“あっち”には、シルヴィアがいる!

シルヴィアを人質すれば、《魔王》にもまだ勝機がある。

今の俺なら《魔王》を単純な“戦闘”なら圧倒できるが、人質を傷つけない様に配慮しながらでは難しい。

俺が嘘をついている可能性もあったが、《魔王》は一か八かに賭けたのだろう。

実際にその選択は正しい。


《魔王》が“穴”の目前で俺を見る。

明らかに詰めの甘い俺を嘲笑していた。


言い様の無い怒りとシルヴィアが狙われている危機感から俺はすぐに行動に移った。

全力の移動では《魔王》の前に停止出来ないし、手加減すれば間に合わなくなる。

だから《転移》で《魔王》の目の前に“現れる”。


「何!!」

「消し飛べぇぇぇぇ!!」


《魔王》の目の前に《転移》して、全力で《魔王》に重力魔法で作った《斥力刀》を降り下ろす。

それはいとも容易く《魔王》の胴体の殆どを消し飛ばした。


「……なっ……に」


俺がの魔法で《魔王》はその命を散らした。

どうやら魔力を使い切っていた様で自動回復の様な能力も発動していなかった。


「く……そが……殺せる……のか……」


これでもうコイツはシルヴィアに危害を与えられないし、何かすることは出来ないはず。

しかし、俺はそれを分かっていてもやらずにはいられなかった。


「死ね」


俺は《魔王》の残骸を先程の《斥力刀》に使った魔力の十倍の量を使って大きな黒い球を作り出す。

それを一種の超圧力空間の様なものへと変え、《魔王》を塵一つも残さず消す。

魔力が回復して、また再生されるのを危惧しての事だ。


「あぐ……ま、待て」

「良い勉強になったよ。だが、《魔王》はここでお仕舞いだ」


キュウウゥゥゥン。

と黒い球が砂粒よりも小さくなって《魔王》の存在を消す。

これでもう復活出来ないし、させない。


俺は終わった事を悟り、次元を繋ぐ穴をくぐった。

自分の甘さと、《魔王》とは言え、一人の人間を殺した事への妙な感覚がない交ぜになって何も考えられなかった。


“穴”を抜けると、いきなり現れた俺に驚いているシルヴィアがまず目に入った。

違う次元の景色は例え“穴”を通しても俺の魔法じゃない限りと“見えない”からこちらで起きている事がわからなかったのだろう。

磯貝に飛ばされてから今までの事がどこか嘘の様に感じていた俺はシルヴィアの顔を見て気が抜けてしまった様で、《神格化》が解けてしまった。

溜まっていた精神へのダメージが一気にくる。


「ただいま。と、おやすみ」


気が遠くなって来たので最低限の事だけ言ってぶっ倒れた。

皆さんどうもこんばんわ。

バトル展開がうまく書けない作者です。

いや~主人公の本気バトル初めて書いたんですが、難しいですね。

前半殆ど説明回見たいな感じになっちゃいましたし、ていうか、この作品殆ど説明回ばっかですね。

……三十話位行けば説明は無くなる……はずです。

それまでご勘弁を。


明日は二話か、三話更新します。

明日の更新は午前11時です。


誤字脱字、感想など受け付けております。

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