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10、

きっと誰かまだ読んでるんやで、って人がいることを期待して投稿。


久々の更新すぎてなんか投稿ページのレイアウトが変わってて挙動不審状態。


…文字数が少ないとか誤字脱字が酷いとかは勘弁してください(震え声)




「……」

「おい、通り過ぎるのも不敬だと思うのだが?」


 面倒な人物に遭遇したのでとりあえず逃げることを試みるもあっさりと失敗する。

 

「…ご多忙の身の王子に僅かながらの休息を与えるためには一歩引いて会話をしていると見せかけて会話をせず本来の業務である周辺警備に回るのが私の業務として最善かと思いながらも”やっぱ面倒”とそっと通り過ぎた次第です」

「…本音は隠すものだと知っているか?」

「時には本音を言わなければいい関係と言うのもは成り立たないかと」

「それでもお前はもう少し敬意と言うものをだn――敬語になっているだ…と!?」

「警護と言う立場故に敬語でございます」

「いや、文法的に少々ツッコミを入れたいところではあるのだが…」


 逃げようにも周囲の状況を見るからに、ある意味扱いずらいこの男をの話し相手と言うポジションを務めないといけないのかもしれないようだ。

 ただでさえこいつが歩いていた周囲から一歩皆が下がっていた状況だというのにさらに一歩距離を置きやがった。

 俺自身もややおしゃれなものに変わっているとはいえ眼帯をつけているのだ、とっつきにくいもの同士を離すところが妙にうまい。流石貴族。

 王子は一度ため息をつくと目を伏せ改めてこちらを見て目を点にする。

 

「私自身が似合わない格好をしているのは自覚をしているつもりですが、その驚きようは何でしょう」

「あ、いや、その、少し言葉を無くしてな」

「…せめて馬子にも衣装とくらい言ったらどうなんです?立場上世辞を難なくと言うことも重要なことですよ?」

「いや、そうではなく…綺麗だ」

「は?」

「だからだな、その、そのドレスが良く似合っているということに少し驚いてだな」

「まぁ、女性の見た目は方向性さえ間違えなければ見てられないレベルはどうにか避けられますから」

「……訂正、やっぱ普段と変わってないな」


 一気に落胆したような表情でため息をつき、人を小バカにするような目で見てくるのだが、なまじ顔が整っているせいで妙に様になっている。


「まぁいい、こちらにすり寄ってくる貴族どものあいさつ回りは早々に終わったが疲れたんだ、少し話し相手になってくれ」

「…ご命令ならば」

「ああ、命令だ」

「そうですか」

「挨拶をしに来た奴らももう少しは嫌そうな顔を隠していたぞおい」


 いつも道理にたわいもないような会話に戻りながら、時折よっぽどの魔力感知にたけたものでしか反応しないであろう微力な魔力を飛ばしながら周辺を閉会しながらも話し相手になっておく。

 まぁ、ジークも魔力を一回飛ばしただけであっさりとそのことに気が付いたが。


「あいさつ回りがひと段落した頃に俺に遭えなかったらお前は今頃貴族の奴らに根掘り葉掘り聞かれている所だ」

「いえ、このようなモノで片目を隠している人間に話を描けて来ようとするのは同輩のクエイツ家の長女アリア様だけでしたよ?」

「片目を隠していようとも声をかけるのもためらわれる高嶺の花扱いをされて一歩下がられていたことに気がついて居ないのかお前は」

「ご冗談を」


 そんなことを言っている間に、流れがダンスをするようなものへ変わってゆく。楽曲を演奏する者たちも国随一の有名なものだということが素人ながらも理解できた。


「では、一曲踊っていただけるかな」

「立場上断れないのを理解してその暴言でしょうか?」

「暴言と言うのはそれこそ無礼ではないのか、ハイルノーツ殿?」

「あの根暗王子が人を誘うまでに成長したことに感動を覚えたのでまぁ、一曲御供致しましょう」


 ”それこそ不敬だ”と、言って出された手にそっと手を添えてエスコートされながら会場の中央部へと誘導されていく。

 それなりに立場上最低限のダンスを踊るすべは知っていたものの、遺憾ながらジークのテクニックは無駄に高く完全にリードされている形となる。


「ここまで目立つと護衛と言う立場上困るものがあるのですが」

「そんなことは知らん。腫物王子扱いをされていたんだ、それが続くだけだ」

「…横暴な」


 ため息をそっと吐きながら―――危険人物の発見に成功をした。


「…少々、茶番に合わせてください」

「ああ、かまわん」


 そこ言葉と共に精霊魔法で周囲の意識のかく乱をしてもらい、的確に多くの人込みからターゲットに向かってドレスに仕込んでおいた投擲用の針で投擲。

なおも、スリットが入っているようなドレスなので羞恥に襲われかけるがこれは仕事なのだと割り切る。

 …スリットは片方だけで、キャットガーターに仕込んでおいたものなのだが、何と言うかやはり自分には難易度の高すぎる衣装だと感情がものすごい勢いで揺れ動く。

 会場の中央部まで連れてこられ、いわくつきの王子に眼帯女と言う組み合わせで人目を引いていたのは事実だが、音楽の流れている空間の鈍い音は不思議と広がり、周囲の目線はすぐにそちらに向いた。


「っ!」

「逃げようなどと思わないでください」


 それなりに高いヒールで重心の移動に問題を感じ、まだまだ修行不足だと痛感されながらも、転移時に発生するラグと魔力の消費量を考慮するとこの後のもしもの場合を考えれば魔力の消費量の少ない支援性魔法で強化して移動した方が良いと判断する。


「…これについてきますか王子」

「エスコート役を置いていくとはずいぶんなレディーの面倒を見ないといけないんでね」


 声を少年からかけた直後に、出頭の意の確認を取る前にジークが危険人物の拘束を行っていた。

 顔を大理石でできた床へ足つけ、両肩を外し終えていた。

 …確かに、出頭の意で否を出し周囲に被害が出てたとしたらそれこそ家名に傷がつくような行為ではあるから、その対応は正しいのだろう。

 緊急的に危険人物に防魔の手錠を取り付け、王城の地下牢まで結局転移で飛ばし、一つの肯定として排除を終了した。 


「本当にその魔法の施行速度に魔力量は恐ろしいな」

「無詠唱でこの程度行えませんと当主と言う立場は務まりません」


 と、気が付けば周囲がぽかんとしていることに気が付く。

 端的に言えば、鈍い音がしたと思ってそっちを見たら中央部に居た周囲の注目を受けた二人がいてスーツを規定だ男が消えたという状況なのだから、それはぽかんとするしかないと思う。

 ある意味早急な対処としては成功である。


 生演奏の音楽も気が付かぬうちに止まっており、無駄に注目を浴びる状況になり、主に男の視線が結構突き刺さっていることに気が付き、顔に熱がこもっていくのに気が付いた。

 その視線が何処に向かっているかと言えば、眼帯よりもそれなりにコルセットや服の構造上できてしまっている谷間や、スリットのあたりの太ももに向かっており、あまりの羞恥に足が震えて―――


「…失礼する」


 そっとジークに俗にいうお姫様抱っこをされ、また違った意味の熱が出てくるのを感じた。


「な、なにをするのです!?」

「見られるの好きじゃないんだろ」


 それに、ちょっとした個人的な感情があってな。と付け足され会場外に連れ出された。


 ……もしかして。


 

 ○○○



 二人が会場を出ていった直後のこと。

 突如の出来事に何が何だかと理解のできていない会場内では、先ほどの美女は誰だったのか、や、すでに王子のお手付きなのかと言った下世話な話から、会場内に見えたひそかにジークに行為を寄せる乙女の会のメンバーがハンカチを咥え”く、悔しいっ!”とは持っている光景までの中。



「アイリス…いや、クルルシファー……」



 生前の妻に恋をした頃の姿とよく似た少女が自分と同じ髪色になっていたのだ。

 それこそ、亡き娘を本当の意味で娘として成長していたのならこうなっていたのだろうと連想してしまうほどに、である。

 そんな一人の男のつぶやきは周囲の雑音に消えて――。


「---え?」


 否、一人の少年の耳にはいっていた。 


 

 

※誤字脱字は後で直します。

 ハイルノークとハイルノーツとか主人公のアレがずれてるのはホント堪忍して。

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