第一話 赤く染まったベットの上でこんにちわ
今日明日で10話前後にて僕の罪を告発します。
よろしくお願いします。
不倫
みなさんは知っていますか?
不倫中の知能指数はペンギン並みになり、己が守らないといけない大切な存在を裏切る事に、疑問を感じなくなる事を。
みなさんは体験したことがありますか?
20代という性欲旺盛な時期を、セックスレスという牢獄に閉じ込められ、毎日最愛の人にきつい言い方をされ続けた人間の知能が、ナマコ程度になる事を。
僕は知っています。
「不倫だよ」
赤く濡らしたベッドの上。
胸の上で頬杖をついた翠ちゃんが笑った。
この言葉が僕を、地の底深くに突き落とす事になるなんて、この時の僕はまだ知らなかった。
◎◎◎
幸せだった。
毎日会いたかった。
早く家に帰りたかった。
早く家に帰ってきて欲しかった。
結婚は人生の墓場だ、なんて人々が嘯くのなんて聞こえなかった。
今でも忘れない。
始まりを
「街コンにいこーよー」
「ええぇ何それめんどくさそー」
東京に越して来てから、ほぼ毎日休みの日は遊んでいる男、イモタが酔っ払いながら頬擦りして来た。
髭がチクチクして押し返したことも鮮明な記憶だ。
こいつは学校は違えど、陸上という同じ部活動で繋がりを得た、親友と呼べる風俗狂いのクソ野郎だ。
「女の子と、女の子と触れ合いたいんだよぉぉぉ」
「彼女と触れ合っとけよ」
「………別れた」
「えええ!? 早くね2ヶ月くらいじゃん」
俯くイモタに哀れみと同情、否、好奇の目を向ける。
どうやら結末から先に言うと浮気されたらしい。
地元で部活の後輩と飲んだ日、とんでもなく意気投合した末
「帰りたくないです」
その一言でホテルイン。
しかし、だがしかし!!!
酔いすぎてチンポゥに元気を送れず、フニャっと無理矢理こじ付け、童貞を卒業した最高のエピソードは今思い出しても腹がよじ切れる。
流れるままに恋人となり帰ってきたのだ。
「1週間前くらいに地元帰ってたろ?」
「インスタのストーリーに他の人と付き合ったって流れてきて……会えずに終わったわ!!!」
「っ!?」
なんて惨たらしい。
20歳に遠距離恋愛なんて厳しいものがあるのだろう。
弱肉強食すぎる。
「街コン、いこっか」
僕はイモタの小さくなった背中に手を当て、街コンへ行くことを決意したのだった。
「うん。ありがとう」
この会話が僕の人生で、一番大切なはずの妻と出会うきっかけになるなんて
この時の僕は、鼻くそ程度にも思ってもいなかった。




