第12話 恋ってすげぇ。人間をここまで馬鹿にできるんだから。
みなさんは不誠実をどこまで許容できますか?
いつ限界を迎え爆発しますか?
その人の為にお金を使い帰省したのに、予定をキャンセルされたとき?
大事な予定を立ててるのに、連絡が何日も返ってこないとき?
会っても10分毎にスマホをいじり倒し、誰かにメッセージを送ってるとき?
連休を取得して帰省してる間、仕事が全日休みなのに、会ってくれないとき?
僕はどこで爆発したと思う?
ずっとブチギレてんだよチクショー!
俺の鼻くそをテメェの鼻に引っ越したろか?
あああー!!!
翠ちゃん
僕が人生で初めて、心から不倫をした相手。
5月から6月下旬までで、僕をドッロドロに惚れさせた小悪魔。
溶けたとかそんな話じゃない。
もうぞっこんだよ!!!
彼女と会う為に、結婚式があると会社、友人、親族、そして妻を騙し、馳せ参じた。
そんな僕のリアル体験談で、是非あなたの目を汚してください。
すこしばかりのおさらいだ。
「体調が悪くて…」
LINE即レス、5日に1回の電話。
それがLINEが1日1回になり、通話も1ヶ月に1回へ。
「仕事が忙しくて…」
LINEは3日に1回、通話の提案はスルーへ。
「すきだよ!」「ずっと一緒だよ」「会いたいな」
そんな感情表現は無くなり
LINEが来ない間も、SNSは投稿し、僕のSNSに反応が無くなった。
他に好きな人ができたと思ってた。
ラブラブな時に約束してしまった帰省が、近づいた。
「何時から会う?」
「10時くらいから会えるよ!」
えええ!?
この関係で会えんの!?
正直意味がわからなかったし、全然返信のない中で予定を決めるのはストレスだった。
「20時半までなんだ」
おおっと?
ホテルは無しかー
と俺のチンポゥが少し残念がる。
否
かなり落ち込んでいる。
「じゃあ別日も同じ感じのスケジュール?」
「それが事件が起きて」
どうやら子供が数日前に大怪我した為、通院をしなければいけないらしい。
そんな大事な事も聞かなきゃ言わない。
だからどうしたい?
過程ばかり送ってきて、結果が来ない。
ストレスが溜まる。
「会えないってこと?」
「ごめん、せっかく来てくれるのに申し訳ないから親に聞いてみる」
「もっと早く言って欲しかった、子供を第一に考えて下さい」
初めて翠ちゃんに対し、僕は明確な敵意を示した。
「わかった、ごめん。今日決まったことでさ、通院は…」
それは俺が悪い。
イライラに心を支配されてるが非は認める。
「そうだったんだ、失言だったごめん」
「もし会えるなら会いたいよ、おれ結婚式って言っちゃったからスーツで1人時間潰さなきゃだから」
返信がなかった。
怒ったことに怒ってんだろな。
ずっと思ってた、会いたいと一言も言ってこないなって
きっとドタキャンだろなって思ってたら、当日の朝にLINEが来た。
「今からいく!」
意味がわからなかった。
急いで準備をして、実家から飛び出した。
髪を切ってショートカットになった翠ちゃんがいた。
可愛い
さすがに謝った。
まずは非を認めてからじゃないと、楽しめないと思ったから
「いいよ」
ばっかほど気まずかった。
明らかにテンションの低い彼女。
お互いが陸上部だから競技場に行ってデートした。
正直しんどい。
盛り上がらない。
なんか思い出すだけで嫌な気持ちになる。
「んで、11日遊べそう?」
「親も具合悪くなって厳しい」
子供の大怪我の次は、親の体調不良。
心にヒビが入る音がきこえる。
じゃあ今日の20時までしか一緒に入れないのか。
それよりも
隣を歩く距離が遠いい。
手をつなげない。
そして
ずーっと誰にLINEしてる。
こいつ!
LINE返せないとか嘘やんけ!
隣で即レスしまくってるやんけ!!!
かなりショックだった。
盛り上がらないまま昼ごはんへ行き、僕は提案した。
「今日しか会えなくてさハグもキスも出来ないの辛いからさ、2人きりになれる場所いかない?」
項垂れる翠ちゃん
「実は…」
勤め先の部長からセクハラを受けてて、胸、尻タッチのみならず、服の中に手を入れられたらしい。
しかも慢性的に、だ。
俺よりもクズだ。
妻子持ちの上司め!!!
俺のチンポゥでビンタしたろうか???
「それで子供と手も握ったり、お風呂入れることも出来なくて、怖いんだ」
「そっか怖い思いさせてごめん」
もう、俺が4ヶ月前に笑い合った翠ちゃんは、どこにもいなかった。
この短い期間で妻のような変化に、心が震えた。
正直色々な断りが、その材料が嘘なんじゃないかと思った。
でも男は紳士になるものだ。
だって好きだから
そこからのデートは自分を殺し、彼女の話を聞き、道化に徹した。
少しばかり涙目になったあと、若干元気になった彼女に、LINEの件で怒られた。
「どうでもいい関係なら怒らないけど、他の子にあんなLINE送る?」
そう真面目な顔で怒る彼女。
「送らない。不貞腐れたごめん」
僕は少しだけ真剣な態度に喜んでいた。
「失言とかもさ、やってんなって思ったから」
「ごめん」
怒られてるのに
なんでだろう
嬉しかった。
もう自分の感情さえ理解できない。
最後に言った。
「付き合ってほしい」
「だめだよ」
「本気だよ」
「じゃあ周りに付き合ったこと言える?」
言葉が出てこなかった。
「それが答えだよ、不倫男め」
ああ、この言葉が俺の脳を錯覚させる。
好きだった。
本当に好きだ。
たとえ
子供の大怪我、親の体調不良、上司からのセクハラ
それらが俺を否定する為の嘘だったとしても、好きなままでいる。
不誠実な態度をとられ、俺にはLINEしないのに、目の前で友達にLINEしまくる姿を見ても
好きなんだと思う。
だって
彼女がくれたものは
僕にとってあまりに大きいから
ショートになった翠ちゃん可愛かったな
あの瞳が好きだ
なにより柔らかな口調と、子供に対して優しく誠実な姿が大好きだ。
内面を好きになると、外見がどんどん好きになるこの気持ちはなんだろね。
タイプじゃないのに
ガチ太郎は疲れたし、もう終わりにしたい。
なのに
「この関係って続けていい?」
「いいよ」
この言葉に、優しさに、
俺に対してのキープしてる感じなのに
好きでいてしまう。
たくさん聞いてしまった。
「冷めた?」
「好きな人できた?」
「まだ一緒に指輪作りたいって思う?」
それに対して
「そんなことないよ」
「そんな暇なかったよ」
「もちろんだよ」
全く信じることの出来ない、ヘリウムより軽い言葉。
それでも信じたくなる愚かな自分。
明後日、1人田舎でスーツで丸一日時間を潰さなきゃいけない苦行を押し付けられても。
なんでか好きなんだよ。
これが先に好きになった者の弱さなんだと思う。
もし女性がこれを読んでいるなら
旦那に誠実に向き合い、子供にキツく当たらないで欲しい。
もし男性が読んでいるなら
僕を反面教師にして妻を愛し続けて欲しい。
俺みたいに全てを失うかもしれない危険を犯さないで欲しい。
夫婦仲に悩んだ時
俺を思い出して欲しい。
時間と金を無駄にするだけなら良い。
自分だけの心をすり減らすなら良い。
子供の心を汚さないで欲しい。
俺はその可能性をわかっていながら、罪を犯し続けた。
もし
もし明後日
翠ちゃんに会えたら
俺は歓喜し心を満たされるだろう。
その時はまた、ここで続きを書くだろう。
あんなにも盛り上がらず、心を疲弊したデートだったのに
恋って偉大だなって思った。
これで俺の不倫物語は幕を閉じるよ。
4ヶ月
バカだった俺
ガチ太郎のリアル体験談
読んでくれてありがとう
あー保育園の先生かわいいな
次女が卒業したら連絡先でも伝えようーっと
ご愛読ありがとうございました。
きっとこれは
妻の攻撃性よりも
翠ちゃんの異常性よりも
僕が一番壊れていった物語だと思う。
くそったれだよ!!!
翠ちゃんとのデート中に父親とすれ違った時は震えたよ笑




