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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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再会、そして―― 1

 詰所から解放されたのは――半日後、だったか... いや、たぶん1日は過ぎてない。

 過ぎてはないけど、日付は跨いでる気がする。

 なぜか! それはねえ。朝日が眩しいからだ、わぁー!!! なんでだよぉぉぉぉ~


 時間の感覚って無くなるよね。

 窓もなく明かりは蝋燭だけで、入れ替わりで入ってくるのは見知った顔だけ。

 とにかく尋問官はふたりだけだった。

 終始、隣の部屋から漏れるのは。

 乙女神の叫び声。

「入らない、無理、キツイって」

 これらが木霊する。

 ああ、ええと。

 解放された後で知ったんだけど。


 この姉は、だ。

 針孔に糸を通す訓練を課されてたんだとか。

 痛いってのは、アレだ。

 裁縫の時。

 針子の指にサックを付けるのを知らず。

 針の尻が指に刺さって、痛かったんだと言ってた。

 なんつう紛らわしか話だ。

 こっちは心配したっつうんだよ。



 心配って二文字でニマニマする姉。

 いやあ~こいう表情かおする姉も可愛いとは思うけども。

 なんかムカつく。

「――ムカつく前に反省しろ! 郊外の禍々しい黒太陽の方は嫌疑不十分で追及はしないが、ゴーレム騒動による一応の解決に由って、ギリギリの釈放と恩赦である。公然での姉妹喧嘩が痴女騒動に至った経緯は真っ黒なのだからな。これは巫女陛下と法務大臣の御前で簡易略式裁判が開かれる。ここで細やかな量刑が決まるだろう」

 と、ちんちくりんな。

 あたしたちに()()()()を告げる尋問官。

 最初に解放されたとは言ったけども。

 アレは、地下数階層もの牢獄から地表へ出てきたという意味。


 この身分は今も、まったく変わっていない。


 しかも服が、服だよ囚人ワンピースのままだ。

「太陽に吠えるなみっともない、お前は犬か?!」

 しっけいな、エルフです。

「牢獄用のドレスのままなのはお前たちのせいだろう?」

 果て。


 尋問官の小さい方が、やや項垂れたまま息を吐く。

 あれだ、コレ。

 すげぇー面倒だって思った時の疲れ切った、息だ。

 ムムム...

「まずはひとつ、ふたりの服は... いや、おまえが姉と呼ぶほうのは腰から上が尋常ならざる腕力で破壊されてた。こんな華奢で色白...ではないな、こんな褐色っぽいダークエルフみたいな南国育ちだった、か?」

 はい、南国山育ちです。

「山は余計だ、山は。他の山育ちの人々にも余計な迷惑が掛かりそうだ!! まあ、その南国育ちの華奢なつくりのエルフから如何にすれば、幾重にも繕った上衣のワンピースドレスを粉砕できるか分からんが。っ、俺たち騎士でもソコまでは破壊は出来ぬのでこれはエルフ固有のバカちからと解釈する。他のエルフの苦情先はお前が務めるんだぞ、セルコット・シェシー」

 そんな無責任な。

 まあ、そういう訳で――乙女神おねえちゃんのドレスを破壊したので、囚人ワンピースのまま。

 あたしの装備は、一蓮托生って事になる。

 腰に提げたブロードソードの大小。

 一応、二刀流だし。


 ガーターベルトで太ももに隠してた棒ナイフ、6本も回収済み。


 腰の太いベルトには前と後ろに計、4本の竜鱗状投げナイフが仕込んでたんだけど。

 これもあっさりバレました。

『お前は、アサシンか何か!! このドレスからいくつもの凶器が見つかるんだが?!』

 ってな雰囲気で全部没収された。

 パンツも、だ。

 紐が糸鋸だったんだが、何故に?!!

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