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その週末の日曜日。
「イリアー!待った?」
「ううん、私も今来たとこ。」
私とイリアはアキバの街で待ち合わせをした。アキバと言っても地球の日本にある秋葉原ではない。ここは電化製品が売られているお店が多く建ち並んでいることから、ニュージャパンコロニーのアキバと呼ばれている。正式な場所の名前は「N-28地区」。とても言いづらいからみんなアキバという名前が定着した。
「で、行くのはいつもの場所?」
「もちろん!」
そう言って私はイリアの手を取ってアキバの街を歩き出した。
私たち2人が向かったのはアキバの町中にあるゲームセンター。
「ここに行けばもう1人知り合いがいるはずなんだけど・・・。」
「あれ?アリスにイリアじゃん!今日も遊びに来たのね。」
「おひさー!ミスズ!」
彼女の名前は神野ミスズ。私とは通う学校は違うが、私のゲームのライバルであり親友の1人である。
「ここに来たって事はアレをやりに来たんでしょ。」
「アッタリー!どうも最近モヤモヤしたことが多くてさ、ここで憂さ晴らししようと思って。
」
「アハハ、確かにあんたにとってはあのゲームはもってこいのゲームだね。どれ、一勝負しようか。」
「オッケー!」
私がいつもプレイしているゲームとは「ユニットバトラー」というゲームである。このゲームは旧大戦で使用されていた人型ロボット「ユニット」を操作して戦う対戦型のゲームである。で、このゲームの何がすごいかというと、実際にユニットの操作を体感できるのである。ゲームのプレイルームもユニットのコックピットを忠実に再現しているし、Gをも自分の体で感じることができるのである。余りにもリアリティがものすごいからリリースされて以来、超人気のゲームとなった。
早速コインと入れるとコックピットに乗り込みシートベルトを締める。そして実際に操縦する「ユニット」を選択する。私は迷わずニュージャパン製の主力ユニット「クサナギ」を選択した。私がいつも使っているいわゆる愛機だ。
そしてメインモニターの前にはバトルを行うフィールドが現れ、私の「クサナギ」の前にはミスズが操縦するニューアメリカ製のユニット「ジェネラル」が現れた。私のクサナギは機動力では上回るが兵器の火力はジェネラルが上回る。しかし、この対戦カードは数え切れないほど戦ってきている。勝敗は五分五分と言ったところだろうか。ちなみにこの対戦模様は外のモニターからでも観戦できる。イリアはそのモニターを見て対戦を見守っていた。
そして画面には「Ready!」の文字が表示された3秒後に「Fight!!」の文字が浮かび上がり、両ユニットは一斉に動き始める。
そして勝負は付いた。
私のメインモニターの前に「You Win!!」の文字が浮かび上がっていた。