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第138話 アーケードマスターうにょるん

「・・・ぃ。・・・おーい。・・・まぁ今日もダメだよな。・・・聞こえるわけないよな。」

・・・なんの声だろうか。誰かに呼びかけている?閉じている目、見えない何かが見えても聞こえない音まで聞くつもりはないのだけど。

「・・・おれのことよんだ?」

心の中の声。なんとなく自分が呼ばれている気になってミュートで質問をする。

「え?聞こえるのかい?」

どこの妖か知らないが質問を質問で返さないでもらいたい。せっかくルネとのハッピータイムの最中なんだから。

「あぁ。すまなかった。妖ではないかな。似たようなもんかもしれないけど。・・・今ツキヒトが打ってる台だよ。」

「・・・!?」

え。どうゆうことだよ。目の前のアケうにょ。まさかこの台が話しかけているなんていうのか。

「ビックリするよね。まぁおれも今日という日に声が届くとは思ってなかったからびっくりだよ。」

「???」

心の中の疑問に的確に答えてくる。これはおれの妄想?その割にはしっかりと聞こえてくる。なんなんだ。

「大丈夫。ツキヒトの妄想じゃないよ。滅多にない不思議なことだとは思うけどさ。」

「そうだとして、何故おれに話しかけたんだい?」

ここからは声には出さずとも心の声で会話形式。

「ツキヒトとの時間が一番楽しかったからだね。ルネに惚れて、誘って、友達の期間を経て、今に至るまでね。ずっと楽しませてもらったよ。」

え。全部把握してるの?恥ずかしいんだけど。

「まじかよ。えっと、これが現実ならどうゆう仕組み?なんで会話ができる?」

「秘密。開発者のいたずらと運命のいたずらが奇跡的にかみ合った結果とだけ。さぁそんなことより最後まで楽しんでよ。こうやって意思疎通もできて、もう思い残すことは何もない。」

そりゃそうだな。アケうにょを遊技しながらでもお話はできる。少しでも多く回していこう。

「それで、アケうにょはこれからどうなるんだい?・・・台が処分されたらこうやって会話することもなくなってしまうんだよね。」

目閉じCZも大分慣れてきてこうやって会話を楽しみながら遊技する余裕もできた。

「大して問題はないんだよ。ぼくらの記憶は全国すべてのアケうにょに共有されているからね。最後の一台がなくなるまでツキヒトやルネとの記憶はなくならないさ。まだルネには声が届くことはないみたいだけどね。」

ということはルネにも接触を試みていたのか。

「・・・おれの彼女だからな。奪わないでくれよ。」

「!?・・フフッ、僕らAIを笑わせるとはさすがツキヒトだよ。うーん。そうだね、大事にしないと奪っちゃうかもよ。」

「やめてくれよぉ。ルネはアケうにょ大好きなんだから。勝てる自信はない。最悪二股でも許さざるを得ないって。」

「・・・ハハ。大丈夫だよ。得体のしれない僕らをこんなに楽しませてくれるんだ。こんないい男、記録にないよ。自信を持ってくれって。」


さぁそろそろ遊技終了の時間が迫ってきた。心の中でアケうにょと会話をつづけ、大分仲良くなれたと思う。・・・大丈夫だよな、おれ病気じゃないよな。

「・・・大丈夫だって言ってるじゃないか。・・・うん。そろそろお別れだね。」

「ん。おれさ、アケうにょに出会ってから幸せなこと、いっぱいあった。今さらかもしれないけどさ、改めて言わせてくんろ。ありがとうな。」

「・・・こちらこそ。約1年間、楽しい時間をありがとう。近くにはなくなっちゃうけどまた遊びに来てくれると嬉しいよ。」

「もちろんだ。・・・じゃぁそろそろだな。おつかれ!」

「うん。おつかれ!」

会話の余韻に浸りながら目の奥の闇を楽しむ。併せてルネとの会話も楽しむ。ハッピーセット。

「ふふ。ごめん。少し意地悪だったね。それで、その眼は何が見えるのかな。」

「人の心が見える!」

・・・機械の心も見えてしまったかもしれない。

その後はうまい棒、幸せの延長。マイストーリー。


「そうだね。アケうにょに代わる台、探していかないとね。」

「だな。」

飯屋に向かう車の中、赤信号の時の中。ここに閉じこもっていたい気持ちも胸の中。されど信号青になる。・・・進もうぜってことよな。・・・さて、もう目的地、らーめん関取店の中。

「・・・実はさ、今日途中からアケうにょが話しかけてきたんだよ。」

「ん?話しかけたんじゃなくて話しかけてきたの?」

「おう。びっくりやろ?」

何馬鹿なこと言ってんのよ的な流れになるかと思ったけど。

「マジ?」

「自分でも病気の可能性が高いかなとも思ったよ?けどマジで話しかけてきた。いろんなこと話したよ。」

どうやらルネは本気で信じてくれているようだ。

「・・・羨ましいなぁ。私には話しかけてくれたことないから。どんなこと話したのさ。」

「なんかルネにも接触を試みたみたいだけど。なんか俺がはじめてらしいよ。意思疎通ができたのはさ。他には俺ら二人のこと。・・・そしてたまには打ちに来てって言われた。遠征になるけど、たまには会いに行こうな。」

「まじか。そっか。・・・うん。今度は私も会話に入れてよ。」

「ん。多分ずっと目を閉じてると聞こえてくんよ。今度会ったら試してみような。」

「・・・ぷっ。(*ノωノ)ハハッ。ごめんごめん。二人して目を閉じながら遊んでいる姿を想像したらシュールでさ。そっか。あのダサいくだりにも意味があったのね。」

え、俺の隻眼ダサかったん?

「しゅん。・・・お。らーめん出来たみたい。行こうぜ。」


頼んだラーメンの上で箸を割るとルネをはじめて誘ったあの日の記憶が立ち上る。二人で築き上げてきた歴史には、ほとんどの場面であなたがいましたね。もうこれからの歴史にはあまり登場しないかもしれませんがこれからも築き続けます。ありがとう。アーケードマスターうにょるん。


少し涙目。1粒だけラーメンにトッピング。

メダル残約12,100枚 総収支+302,000円

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