対オーク軍戦ー③
オークナイト達の守りを突破する為にどうしようかと考えていると、すぐ様オークメイジが魔法による遠距離攻撃を仕掛けてきて中々、攻め口が見つからない。
勿論魔法を使えば一瞬で勝負は決まるであろうが、ここではどこで誰が見ているかもわからない。
「オークの分際で賢すぎないか?」
距離をとると、オークジェネラルがその巨体を活かしてオークナイトの後ろから投擲用の槍や岩を投げてくる。
近づいたら普通にオークナイトを盾にして槍で突き刺してくる。
オーク達はしっかりと連携をとっていて1人では、
不利だと思い攻めあぐねている。
「もう良いや」
一々相手にするのが面倒になってきたので邪法で勝たせてもらうことにした。
オークナイトに向かって全力で走って近づく。
オークナイトは例の如く盾を構える。
その盾に向かって速度を落とすことなく走っていき、盾をを踏み台にして後方のオークメイジの方まで跳ぶ。
オークジェネラルとオークメイジからの投擲物や魔法は大剣を盾にしてなんとか防いだ。
オークナイトは超えることが出来たので、オークメイジの方に走る。
オークメイジのほうに行かせないようにオークジェネラルが腰に掛けていた私の体の倍はあろうかという大剣を振り下ろして行く手を阻もうとするが、巨大な体なので行動がその分遅い。
オークメイジにあと少しというところでオークメイジが魔法を放ってきた。
至近距離からの魔法なので、避けることが出来なかった。
なんとか首だけは守ったが右手首と左腕の肘から下がサッパリと斬られた。
一瞬の焼けるような痛みの後直ぐに痛みは治まった。
あんまり怪我とかする事がなくて忘れていたが、
吸血鬼になった時に超再生というスキルを入手したしたことをすっかり忘れていた。
落とした右手首と左腕は灰になっており、もうそこにはなく大剣だけが落ちていた。
すぐ様大剣を拾い上げるとオークメイジの腹の真ん中あたりを横一文字に切り裂いて行く。
オークメイジ達を全滅させたところで、オークナイト達はようやくオークジェネラル達と合流したが、重装な装備のせいでただでさえ移動が遅いのに更に遅くなっていた。
「愚鈍な騎士のせいで大切な仲間が死んじゃたね」
ちなみにオークカイザーは、オークメイジ達を殺してもただこちらを観察しているだけで何もしてこなかった。
つくづくこいつが何を考えているかわからない。
オークメイジを殺されて激昂したのか、5体のオークナイトは遅い突進をしてきたが守ることしかできないオークナイト達の相手なんて後衛が居なかったら雑魚同然だ。
オークナイト達は俺に向かった剣を振り下ろしてきたが、遅くて擦りもしない。
オークジェネラル達も援護しようと槍とか岩とかを投げようとしているがオークナイトと私の距離が近すぎて援護しようにもしにくそうだ。
残りのオークナイト10体が合流する前になんとかこの5体を仕留めておきたい。
オークナイトとの攻撃をかわした瞬間の隙にオークナイトの盾を素手で強引に奪い取って、顔に思いっきり拳をねじ込む。
オークナイトはその見かけからは想像できないぐらい飛んでいって、その辺の木にぶつかってようやく止まった。
これを他の5体にも同じことをして丁度残りの10体が到着した時には倒し切れていた。
『血操作』
これも吸血鬼になった時のスキルで近くの血を操るというスキルだ。
大体スキルの効果範囲は半径25メートル以内円の中なら血がどこにあるか把握できるの出来るので
それを操る事ができる。
ちなみに、体内にある血は操れる吸血鬼もいるらしいっとリゼがお姉ちゃんが言っていた。
私はそんなに凄くないのでそんな事はできないが、いずれはそんなこともしてみたいと思う。
血操作でオークナイトとオークメイジの血を残りのオークナイト達の鎧の隙間から血を注ぎ込みある程度の量が入ったところで針にして鎧の内側から串刺しにしてやった。
血操作の血の強度は物によって違うらしいが、
血を溢した生き物の強さによって変わるらしい。
オークナイトとオークメイジの血はどうやらオークナイト達が装備していた鎧よりも強かったらしい。
残りのオークジェネラル達はオークナイトとオークメイジがやられた事で危機感を感じ、オークカイザーを守るべくオークナイト達を助けるではなく、その隙にオークカイザーの元に戻っていた。
さて、もういっちょ行きますか‼︎




