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選択肢? そんなものはありません。

またまたお久しぶりです…!久々なのに短めの回となり、すみません。(後程、加筆修正します。)後、二話位で完結予定です。のんびり更新で申し訳ないのですが、お付き合い頂けたら有難いです。

 『一体今日はどんな用事で?』と聞こうとした僕だった――…のだけれども。


 「さあ! 立ち話で済む様な話では無いからね。グラス君も馬車これに乗ってくれたまえ! さあ、さあ! 遠慮なく乗ってくれ! ああ、そうだ。君は御者台で待って居てくれたまえ!」


 (お、押しが強い人だなぁ。まあ、別に良いけど)


 フレイに馬車の中で話そう、と言われて。御者さんは御者台に。僕はバース家の馬車の中にお邪魔した。


 「あのー、それで今日は僕に何か?」


 と、尋ねてみたら。


 「あ、あの。グラス君、今日は突然押しかけてしまって申し訳ない」


 (えっ? 目の前に居るのは誰、かな?)


 目の前に座るフレイが、自身に満ちた表情や態度から一変して…控えめな? 青年になっているんだけど?


 「え? ええと、うん? 君はフレイ・バース君だよね?」


 思わず確認をしてしまう。


 「あ、ああ、うん。はは、普段の僕と違うよね…。僕はバース伯爵家の長子なのだから、しっかりしなさいって小さな頃から言われて育ったから。人前では自信に満ち溢れた紳士のフレイ・バースを演じて居るんだ…。さっき、ここに着いた時は緊張しすぎて思わず少し素を出してしまったけどね、ははは…」


 ああ、キザじゃなくて紳士だったのか。余計な事は言わないで置くとして。


 「そうだったんだ…。でも、どうして僕に打ち明けてくれたんだい? 僕らは学園時代もそんなに交流があった訳では無かったよね?」


 疑問に思い首を傾げると、がしっと。


 「グラス君…!」

 「えー、ええと。悪いんだけど僕には愛するマリーが居るし、そもそも。そっちの趣味は無くて、ね?」


 両手で手を掴まれた。ちょっと、いや…かなり驚いている。


 「ご、誤解! 誤解しないでっ! 僕にだってそんな趣味は無いよ!? 僕も好きな女性が居るしっ、その彼女一筋だよ! まあ…逃げられてしまったのだけど。いや、その、つい勢いが。えっと、君に聞きたい事があって」


 『ごめんね』と言って手は離された…。よ、良かった。


 「聞きたい事?」

 「うん。あ、その前に君の質問に答えると、君がマリエラの旦那さんだから、かな。その、幼い頃から妹のように思っているマリエラが信じている人なら、大丈夫かな? って……それに“彼女”も君をとても信頼しているようだから…ね」


 後半の言葉は何だか切なそうな顔で話していた(ん? 彼女って?)


 「そっか。まあ、僕はもう貴族とは殆ど関わりも無いし、誰かに君の事を話そうとも思わないよ。それに素の君との方が話しやすいよ」

 「あ、ありがとう、グラス君」

 「マルローで構わないよ。ここでは皆そう呼ぶし」


 そう笑顔でフレイに言うと…


 「えっと、あの、もし良ければ。僕も彼女と同じようにマル…くん、と呼んでも良いかな?」


 …マル、くん?


 「え? あ、それは…まあ、嫌だって言っても強情に呼び続けるのが一人居るから、今更もう一人増える位は構わないけど、その…もしかして。君の言う彼女って――…」


 フレイは頬をほんのり赤くしながら。まるで恋する乙女のような表情で(…本当に。先入観で、この人はこういう人だと決めつけてはいけないな。実際に話してみないと、やっぱり中身は解らないものだよね)先程から話に出て来る“彼女”の名前を告げて来た。


 「彼女は君もよく知っている人で、ユリエラ…ユリエラ・バーンズ嬢だよ」


 ユリ。コレ、本当にユリの片想いなの? 何か結構どころか、かなり脈有りな感じじゃないの?(好きな人ってさっき言ってたけど、話からしてユリの事だと思うんだけど…)


 彼が見せた表情は、きっと嘘じゃない。この表情が嘘だと言うのなら騎士を目指すのは止めて役者をやりなよ、って思うし。


 「あ、そうなんだ。ユリならうちに来ているよ」

 「…ああ、やっぱり。僕が君に聞きたかったのは彼女に関する事なんだ」


 聞いてくれる? とフレイに尋ねられたけど。これ、聞かないっていう選択肢は、どう見ても無さそうだよね?


ここまでお読み下さりありがとうございます…!!

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