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「……で」

華岡大地が口を開く。

「このまま突っ込むつもりか?」

ジュラルは静かに首を振る。

「無理です」

即答。

「現戦力では、ゾル・グリードには届かない」

ジャンヌも腕を組む。

「暗殺者達もいる」

「正面からやれば潰される」

マルディが笑う。

「いや〜現実的っすね」

フランが少し不安そうに言う。

「……じゃあどうするの?」

沈黙。

その空気を切るように。

大地が言った。

「強くなる」

一言。

全員が大地を見る。

「簡単な話だ」

「足りないなら――」

一歩踏み出す。

「埋める」

マルディがニヤッとする。

「アニキらしいっすね」

ラステリも跳ねる。

――やります……!

ジュラルが少しだけ目を細める。

「……具体的には?」

大地は答える。

「ダンジョンだ」

数日後。

帝都から少し離れた場所。

岩山の奥。

ぽっかりと口を開けた洞窟。

「……ここか」

大地が呟く。

ジャンヌが頷く。

「ああ」

「この辺りじゃ一番マシなダンジョンだ」

「放置されてる分、モンスターも多い」

マルディが笑う。

「いや〜レベリングには最高っすね」

フランが少し緊張する。

「……久しぶりだね」

ラステリも震える。

――たたかいです……

ジュラルは静かに言う。

「……実戦で測らせてもらう」

その目には。

覚悟があった。

洞窟内部。

暗い。

湿った空気。

「来るぞ」

ジャンヌが低く言う。

次の瞬間。

影が飛び出す。

狼型の魔物。

複数。

「行く!」

ジャンヌが前に出る。

速い。

踏み込み。

一閃。

一体、斬る。

返し。

二体目。

正確。

無駄がない。

マルディが感心する。

「おー、普通に強いっすね」

ジュラルも動く。

無駄のない動き。

体術。

鋭い打撃。

急所を的確に突く。

「……悪くないな」

大地が呟く。

ラステリも続く。

分裂。

刃の投擲。

瞬時に制圧。

フランの歌が重なる。

バフ。

全体の動きが底上げされる。

「……速い」

ジュラルが驚く。

マルディが笑う。

「これがうちの舞台っすよ」

戦闘は続く。

奥へ。

さらに奥へ。

レジスタンスの面々も戦う。

連携はある。

だが。

粗い。

隙がある。

「……なるほどな」

大地が分析する。

「個はそこそこ強い」

一拍。

「だが、噛み合ってない」

ジャンヌが舌打ちする。

「……分かってる」

「だが時間がない」

大地は静かに言う。

「ある」

全員が見る。

「ここで作る」

一言。

「連携も、強さも」

マルディがニヤッとする。

「育成タイムっすね」

さらに進む。

モンスターの数が増える。

だが。

今度は違う。

「右、詰めろ」

大地が指示する。

「フラン、歌で底上げ」

「ラステリ、前衛崩し」

「マルディ、足止め」

「ジュラル、決めろ」

瞬間。

動きが変わる。

噛み合う。

一体が崩れる。

流れるように次へ。

「……これが」

ジュラルが呟く。

「連携……」

ジャンヌも驚く。

「一気に楽になった……」

マルディが笑う。

「演出ってやつっすよ」

戦闘を重ねる。

回数を重ねる。

徐々に。

確実に。

強くなっていく。

「……いけるな」

大地が呟く。

ラステリも元気に跳ねる。

――いいかんじです……!

フランも笑う。

「うん、ちゃんと強くなってる」

ジュラルは静かに頷く。

「……希望が見えた」

その言葉は。

確かだった。

ダンジョンの奥。

一息つく。

「……これなら」

ジャンヌが言う。

「戦えるかもしれない」

大地は首を振る。

「まだ足りない」

一拍。

「だが」

少し笑う。

「形にはなってきた」

ジュラルが真っ直ぐ見る。

「……やれるな」

大地も頷く。

「ああ」

一言。

「ここからだ」

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