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悩み

 大学に来て一週間。

僕はまだこの環境に慣れない。


 と言うのもこの一週間、授業にならないのだ。

うちの大学は腐女子が多いのか知らないが僕の過去を根掘り葉掘り聞きたがる。

巷ではBLが流行っているらしい。

つまり男同士の恋愛だ。

僕は元男でパートナーも元男だ。

つまり僕たちの過去はリアルBLと言うことらしい。

女子大生たちが講義の合間や講義中にめちゃくちゃ聞いてくる。

周りの教員たちも学生たちが興味があるのは今のうちだからとあまり指導してくれない。

僕も一時のことだと我慢をしている。

しかし、このままだと講義もおぼつかない。

一応、決められたカリキュラムはある。

大学は高校や義務教育ほどキッチリしているものでは無いが一応は存在している。

夏休みまでに想定したところまで行けるかどうか不安だ。


 ちなみに僕の専門は代数学という分野。

代数学とは数の基本的な成り立ちなどを学習する学問。

自然数や整数、有理数、無理数、他にも数の種類があるのだがそういったものの研究と言ったところだ。

僕はその中でも有理数を研究している。

そして代数的無理数にも手を伸ばしている。

代数的無理数とは方程式で導かれる無理数のこと。

√2とか√3とか。

それ以上の話は難しいので数学に興味があれば是非大学数学を勉強して欲しい。

ちなみに豆知識として2つの分数があるとします。

たとえば1/2と1/3です。

2つの分母同士あるいは分子同士を足すとちょうどその間の分数になるのです。

この場合、2/5になりますが。

これはあらゆる分数が成り立ちます。

しかし、中間値ではありません。

よかったら確かめてみてください。

高校レベルで証明も出来るはずです。

(もしかしたら中学レベルかも知れませんが)


 横道にそれちゃったので本題に戻りますね。

僕の講義の時もいつもこんな調子です。

だから講義が進まないのですが。


 帰ってからももそれは続きます。

僕が住んでいるところは男子禁制の教員住宅。

だから異性に興味津々の住人たちがいろいろと話を聞きに来るのです。


 うちの大学は教員も学生も純粋なお嬢様たちが多い。

つまり異性のことに伝は全く知らないのだ。

流石に年配の人たちはそうではないが、僕と同年代の人たちは男の情報に興味津々。


 僕はいつも思うのだがそういう情報を聞くのは僕だけではなくパートナーに聞いて欲しいと思っているのだがそうはいかないらしい。

住人曰くパートナーは意味をなさないそう。

どういう意味かよく分からなかった。

とりつく島も無いと言うことなのか。

どうやらそういうことではないらしい。


 住人曰くパートナーには男が残っていないのだそう。

そりゃそうだろう。

国内では性同一性障害。

つまり心が女性ではなければ性転換手術が出来ない。

パートナーはそれをパスして手術が出来たのだから今では身も心も女だ。

対して僕は別に性転換などしたくはなかった。

前のパートナーは筋肉ムキムキのが典型の男だった。

僕はひ弱だったせいもありそういう男がタイプだった。

一人称も「俺」だったしついてこいタイプだったと思う。

だから絶対に性転換などしないと思っていた。

僕はどうしても彼と結婚したかったから結婚するとすれば僕が性転換をするしかない。

そう思って泣く泣く性転換したのだ。

それが帰国してみると彼は清楚な女性に変わっていた。

しゃべり方も清楚なしゃべり方だ。

今でも慣れないぐらいに。

どうやら前はかなり無理をしていたよう。

そして僕の決意も無に返った。

幸い僕は戸籍は変えていなかったので結婚は出来たのだが。

つまりパートナーには男だったという残り香もないほどに変わってしまった。


 だから男っぽさの残っている僕に質問が集中するのだそう。

それに僕は女性には一切興味が無いというのもいろいろと質問が集まってくる理由だそうです。

下心がない誠実そうに見えるとか言って。

パートナーが現女性なのは置いといてなのだが。

まぁ、僕が性転換しているのが大きいのだろう。

それでいて男時代のことをよく聞かれる。

人によっては僕は男に経験豊富なのだと思われるのかも知れない。

はっきり言うが僕は一途です。

パートナー一筋なのです。

例え性別が変わっても。

思えば学生時代は僕が男が好きだなんて口が裂けても言えなかった。

だから生まれて初めて彼氏が出来た時は泣いて喜んだ。

(本当は泣いてないけど)

それが現パートナーになるのだが。

つまり僕は過去に付き合ったことのある人物はパートナー1人だけ。

そしていろいろとあって結婚をするのだが。

今ではなぜ性転換したのかは分からない状態だ。


 とりあえず元に戻るつもりはない。

手術だって一大決心をしたのだから。

もう一回あんな思いはしたくない。

だいたい、手術自体怖くてしょうがない。

体にメスを入れるのがめちゃくちゃ怖い。

こんなことなら性転換を決意した時パートナーに電話をしとくべきだった。

僕は思い込んだらすぐ実行する性格だ。

だからその前にパートナーが性転換すると知っていたら絶対にしていなかった。


 入学式こそレディーススーツにハイヒール履いて出席したが今ではパンツルックにスニーカーが主体だ。

パートナーにもよく注意されているがこれだけは曲げられない。

どうも女物には拒否反応がある。

ではなぜ性転換をしたのか今は自問自答の日々です。



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― 新着の感想 ―
[良い点]  男好きで  でも主人公 は女のこころではない状態 ~  、性転換している という設定(?)が良かった。  この今の身体とギスギス している中語られるストーリが めいくう  さんの真髄な…
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