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出来たばかりの異界化生活!  作者: トマトマート
1/14

まさにこれが爆誕というものだ。

初投稿です。

誤字脱字が目立つと思います。ご指摘をお願いいたします。

シリアス要素はたぶん皆無となりますがよろしくお願いします。

東雲結城、それが僕の名前。

 ごく普通の某高校の高校3年生、身長体重は年齢相応の平均!まさに普通に健康体だったのである。

 地下鉄のホームで電車が突っ込んできたのだと思うけれど、なにかが違う。事故?事件に巻き込まれたのかもしれない、状況的にはまったくもって意味不明だが、僕はとても困っている。困っている故この場から動けないのだ!体が痛くて動けないのも確かだ!

 ここで、僕の身に起きたことをおさらいしてみようと思う。

 それは、1時間ほど前に遡ることになる。



______一時間前、某首都地下鉄入り口______


東雲結城は急いでいた。時間は朝の7時過ぎ、出勤ラッシュの人混みを縫うように抜けてゆく。


「やばい、これを乗り過ごすと遅刻しちゃうじゃん!」


彼は、器用にサラリーマンの波をすり抜ける。

過去に、彼のこのすり抜け技を目撃した友人は『人波サーファーだな』と、結城をからかったそうだ。


「このペースじゃ間に合わない…まぁ、諦めるかー」


 やれやれと、思いながら駅の売店に立ち寄り某社のコーラと週刊誌を購入。

 そして、地下鉄の隅で壁にもたれかかる様に購入した週刊誌のページをパラパラと捲る。

ここから見える時計からだとあと10分ほどで目的地への電車が出る予定だ。

 だが彼には悪い癖がある。


(それにしても、久しぶりにこの週刊誌買ったなぁ、あれ?この漫画全然進んでないじゃん…)


 気づいたときにはもう遅かった。電車の扉が閉まって発進するところであった。

 そう、夢中になると周りが見えないところがある。そう、言わずとも電車に乗り遅れてしまったのだ。


「あっ!電車忘れてた!」


 いきなり大きな声を出した結城。自分の出した素っ頓狂な声に恥じて下を向いた。

 それなりの人数に聞こえるような声だったので、数人が驚き振り返ったが

学生服の少年ということもあり、一瞬怪訝な顔をするだけで特に何もなかった。


(あー、1限目まったく間に合わない…乗り過ごすといけないから並んでよう…ハァ…)


 心の中で溜息をつき、立ち上がろうとしたときに異変が起きたのだ。

 突然の浮遊感、朝日を真正面から視たような眩しさ。その眩しさに視界が真っ白になるが目を閉じてはいけない気がした。同時に肌を焼くような熱感、声を出そうにも声が出ない。


(なんだ!?電車でも突っ込んできたのか!?あ、ダメなやつじゃないかこれ…さような…)


 先ほどの眩しさが嘘のように暗く黒く視界が塗りつぶされてゆく。

 結城の意識はここでいったん途切れた。


 その後、駅のホームでは少年が突然消えた!っと、いう話は全く上がらず、最初から居なかったかのように彼は現日本・高校生活から退場したのである。未開封の飲み物と週刊誌を残して。



______??????______


 東雲結城は目が覚めた。それは全身の痛みと共に。


「いたた…あれ?痛いって事は生きてる?」


 体が動かない。どうやら剝き出しの地面に仰向けで寝ていたようだ。生きているということは判明したのだが、彼がいた場所は地下鉄のホームでありコンクリートと人混みの景色が広がるはずである。だが、外が見える、太陽が赤々とていること…景色が違うことに戸惑う。

 判ったことは自分を起点として爆心地のように10mほど周囲が砕け散っている。

 空が見えるが何かの施設だったと思われるこの場所。ぼんやりした脳内で思考するに、立派な建造物だと思う。そして、何かに巻き込まれて外に運び出されたと言う事も予想した。赤い太陽が見える事から、

日の出か日の入りどちらかだろう。


(こ、こんなところで、ひ、独り言は良くないよね…うんうん、落ち着け…落ち着くんだ。僕は生きている。)


 遭難した時は、あまり動かないほうがいいって聞いたことがある…。

 体が痛いし、このまま寝て待つことにしよう。


__20分後__


 ということで、よく分からないまま現在に至る。

 太陽が沈んでいることから夕方と言う事はわかったのだが…。

 20分ぐらいじっとしていたんだ、誰か来てもおかしくはないはずなのだが…

 混乱は少し収まったのだが、行動を起こしていないので状況整理が追い付かない。

 目につく現状を整頓するに、寝ころんでいたところは地面、大病院らしき施設に自分は居るのだが部屋には居ない。何故か爆発したような形跡が自分を中心に広がっている。爆発したから部屋が吹っ飛んだのか?仮にこれだけの爆発が起きたとしたらなぜ自分は無事なのか…体痛いけど。

 うん、これではとても現状をつかみ取れない。

 意を決して、重く痛む体に鞭を入れて体を起こし立ち上がった。足元がおぼつかない。目の焦点が合わない。

 揺らぐ景色から目をそむけるように足元を見ると、穿きなれたスニーカーが見えることから足はついている。幽霊ではないことに少し安心する。

 少し離れたところに視線を置いてみると、爆心地の境目にきれいに手入れされている芝生が見える。近距離なら焦点は合うようだ。


(め、目が悪くなったのか?遠くは…景色が揺らぐけど…うぇぇ…あれって出入り口っぽいよなぁ)


 アルコール類は飲まないのだが二日酔いというものはたぶんこんな感じなんだろうなと僕は思った。

 たぶん200mほど先だろうか、白い壁の切れ目と舗装されている通路が見える。


(も、門まで行けば流石に誰か…いるだろ…)


 ずるずると重い体を引きずる途中で視界の隅に何か大きなものが動いた気がした。

 大きな破砕音や動物の鳴き声が聞こえるが朦朧とした頭では、うるさいなぁ、としか判断できない。

 塀の向こう側で何かが動いているのであった。大きな何かが、一つ二つではなく大量の何かであった。

しかしまだ気にはならない。考える事より門にたどり着く方が優先だ。

 やっとのこと門にたどり着いた、門というより車両用セキュリティゲートだろうか?人が居たと思われる詰所っぽい所に名簿っぽい物が見える。ん?何語?文字が読めない…。


 (字汚すぎでしょコレ…全く読めないじゃないか、筆記体も真っ青だよ!)

 

 ペラペラとページを捲るのだが読める気配がしない、名簿っぽい物の解読は諦めよう。

 大きな建造物のゲートと言えば建物の名前が書いてあるプレートがあるはずだ。それならばきっとここがどこなのかを教えてくれるはずだ!

 名簿っぽい物を閉じて、詰所を出る。

 探さずともゲート端の柱にプレートが見えた。銀色プレートで縦1m横30cmぐらいの大きなものだ。

 えぇっと、ナニナニ…全く読めない。日本語ではない。ここは日本ではない。結城の脳内は再び混乱状態になる。


 (ナニコレ!字が汚いんじゃない!全く読めないだけじゃないか!マジか…マジなのか…!おおお、落ち着け、何か気づいた事があるんじゃないのか自分よ。) 


 日本に似ているとけれど何かが違う、感覚的に彼はそう感じた。5m程の高さの建築物が軒を連ねていることに気付いたが、しどの建物の看板も読めない文字であった。振り向てみると先ほどの施設は、その立派な佇まいに病院で合っていたのではないかと思う。ぽつぽつと街灯が点灯していることからどこかの町のようである。しかし、大きな建物が全く見えない事から、街というより町の感じだろうか。しかし、混乱状態の結城にはそんなものはどうでもよかった。

 

「景色が日本っぽいけどなんか惜しい!あぁもう!!どうなってるんだ…!」


 混乱を通り越した先は、そう、怒り。極限状態に行きつくと何かしらの感情に行きつくのが人間だ。

 今回は怒りに転じたようである。ゲートの柱を何度も足蹴にするという奇行に走ったのだが誰も見ていない。誰もいないのだから注意するものは誰もいない。

 ひたすら門を蹴る音が響く中、静まったかと思われた謎の轟音がまた響く。


「ドンガンドンガンうるさいな!僕は今すごく混乱してイライラしてるんだよ!!……!?ひぇっ!?」


 喚き散らし轟音の方に首を向けると共に、彼は間抜けな声を上げてしまった。

 揺らぐ視界でもはっきりとわかった、茶色いトカゲ?ワニ?っぽい何かと犬。それもでかい。

 500m先ぐらいの路上に5mはあろうかというワニトカゲと3mほどの黒い犬が組み合っていたのである。

 一般人なら驚いて腰を抜かして失禁しているだろう、しかし彼はもうこのような事では…


「あ、あ、うあああああああああ!!」


 一般的な反応をして柱に足を掛けたまま硬直している。やはり、普通の人であった。腰を抜かして尻もちをついていないだけましだろうか。さらに、失禁もしていない。

 ワニトカゲ&黒巨大犬とのじゃれあいで路面はヒビだらけ、街路樹はなぎ倒され建物も一部崩壊して所々道路が焼けているような跡ある始末である。

 先ほどの大きな鳴き声と破砕音に納得がいったわけであるが、なぜこんな状況になっているのか…。


「ま、まさか動物園が崩壊したのか!?」


 こんな物騒な動物園があってたまるか。と、考えを改めるも、よくわからい、わかりたくもない。理解したくないと、柱から足を離し頭を抱える。…掌に何か違和感を感じる。

 彼が違和感を感じた一つ。耳だ、よくアニメや漫画の世界で出てくるエルフ。まさにそれのモノ。

 彼の混乱は加速する。ほかに違和感のある場所を探す。答えは…全身であった。


「え?あれ?ナニコレ?僕の体に何が起きたんだ!!」


 ペタペタとセルフボディーチェックを行っていた結果。結城には穏やかながら双丘があることが分かった。

 学生服の上からでは、わからないので上着のボタンを一つはずし手を突っ込んで確認するのだが…やはり膨らみが多少あった。


「おぉぅ…これが乳の感触か…変な感じだなーむふふ」


 変に冷静になってしまった。きっと自分はスケベ面になっているだろうと思う。他人の目がないので気になりません。

 両の手で鷲掴みしてみると感覚があった。やはりこれは自分に付属しているモノであった。思考が正常に働かない状況で、さらにペタペタとボディーチェックを行うと、次はおしりに違和感を感じることに気付く。

 ベルトを外しズボンをずりさげ、おしりを確認するとそこには窮屈そうな膨らみが。

 恐々と下着を後ろに引っ張ると勢いよく尻尾が飛び出してきた。細くて艶々したしなやかな尻尾である。

 ここまで来ればそんなことで動揺はしなくなった。だがしかし忘れている事が一つある。大事なことだ。

 普段からついているモノだったので気づくのが遅かった。それに気付き血の気が引いていくのが彼にも分かった。


「もしやっ!」


 ササッと男性用下着の上から股座に両手を忍び込ませるが…アレが無い。

 男性の象徴部ともいわれるアレが。


「あ?ええぇぇ…?僕のアレが無い。どこかに落としたのか!?ないぞおおお!!」


 落ちるようなものではない。そんなものはわかっていたのだが言わずにはいられなかった。

 目の前の猛獣大戦争なんてなんのその。自分の変化具合に混乱は避けられない。


「&$%#!! *@$&@!!」

 

 ゲートの前で結城が頭を抱えてブンブン振り回していると。遠くから何語かもわからない声が聞こえる。

 大きな交差点を挟んだ向こう側に手を招いている人型が見える。いきなり知らない人が手を招くなんて

絶対に自分にはありえない事だろうな。と思い、頭を抱えるのをやめた。もう慌ててもしょうがないので現状をまとめてみる。

 本当にパッと見た感じは日本なのだが、先ほどの門のプレート、名簿っぽい物、店の看板、道路標識、を見た様子では日本ではない事がわかる。建造物はどれも、よく見た感じがするので建築技術は日本と変わらないが以上である。

 整備された道路を鑑みるに、自動車的なものが行き来するのであろうと思われる。しかし、自動車を一度も見ていない気がするのではないかと、そこに疑問が残る。全くどうなっているんだ。

 うーむ、と腕を組んで混乱と思考の海を泳いでいると再び声が聞こえた。ふと顔を上げて確認する。

 視点が合わない状態から、多少滲む程へと回復した視界では、普通の人間のようだが言っている言葉が理解できないので警戒をしてしまう。


(な、なんだ?僕を呼んでるのか!?ひぃっ目線があった!あの人大きいよ!!)


 恐慌状態に陥り逃走を図ろうとした矢先、足元のズボンに足をひっかけて転んでしまった。

 さっきずり下げたままだったことに気付いたが、もう遅いようだ。

 慌てて立ち上がろうにも、体の制御が難しい。うまく立ち上がることができないのだ。

 その間に足音が近くまで聞こえることに気付く。どうやら急いでいるようだが。


「ッ!? …@#!%?」


 スーツを着た男のようだったが、驚いた声を上げて顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。

 なぜそっぽを向いたのかはお察しのとおりズボンが下がっているのだ。男物でも女性がパンツを晒している状況。普通はじっくり見るか目をそらすか。後者の方であったが。


「あれ?襲うつもりじゃなかったのか…よかった。」


 殺生的な意味合いで食べられると思った結城はこの男性に聞こえないほどの小声でつぶやいた。

 這いつくばっているが冷静さを取り戻した結城は下から見上げるように男の確認をしてみる。スーツを着ている、それも真新しい、リクルートスーツか?身長は180㎝ぐらい?スーツをよく見てみると窮屈そうである。肩幅と言わず全体的にサイズがあっていないきがする。判るのはここまでぐらいかな。

 しかしだ…確かに、転んだ際に学生服がまくれあがってしまって下着が丸見えになってしまっているが、男物の下着を見て顔を赤くするなんて、複雑だ。

 たぶんだが『大丈夫ですか?』と聞いたに違いない、僕は男だったのに。あー、今は女になってるんだっけ…自分が男だったら彼と同じ反応になるかも。

 そっぽを向いている間に何とか立ち上がりズボンを穿きなおしたのだが。問題は山積みだ。まず、目の前の彼の言っている言葉が分からない。悪い人ではなさそうだが外見で判断してはいけない。それが僕の見解だ。

 だが、そうは言っていられない事態が起きようとしていた。じゃれあっていた大きなトカゲの頭がこちらを向いたのである。トカゲの足元には犬らしき物の残骸が残っていた。じゃれあってたのではなく、本気の戦いをしていたようであった。


「うぇぇ…やっばい、あれはヤバイ!」


 冷静に…は、なっていないが改めて自分の声が違うものだと気づいた。完全に女性の声であった。


「$&!! #$:‘!!」

 

 相変わらず何語かわからない。だが、『逃げるぞ』的な事を言っているに違いない。

 ズボンを穿いていることを確認した目の前の男は手を差し伸べてきた。おうけい!逃げよう!!

 男の手を掴んで走り出したのだが、体がうまく動かない。舗装してある歩道にも関わらず。つんのめって転んでしまいそうになる。2度3度転びそうになった。

 しばらくすると突然彼が立ち止まり、しゃがみ込みだした。足でも痛いのかな?と思ったのだが、違ったのだ。背中を僕に見せた状態で振り返り。目線で早く来いと、訴えかけてきたのだ。

 ワニトカゲはまだ、犬の残骸に夢中である。もうすぐなくなりそうであったが…。男におぶられるなんて…

後ろでワニトカゲの咆哮が聞こえた。まるで恐竜だ。ゴ〇ラのような鳴き声だ。コワイ!


「ええい、こうなればやけっぱちだ!!」


 結城は彼の背中に乗った。なかなかの足の速さだと結城は思った。が、スーツ着てさらに人を背負った状態でこの速度を出せるのは少しおかしいのではないか?とも、同時に思ったわけであるが。ワニトカゲに食べらえる事を考えると一時的にでも助かりたいと思い暴れないようにした。

 結局ここがどこかもわからず、彼の名前はわからず。判らない事ばかりであった。


「ふぁーぁ…」


 間抜けな声が上がった。それは自分であることはわかった。眠気が襲ってきたのである。それも耐えがたいほどの。というわけで逃走劇は彼に任せて僕は寝ることにします。なんて言えない。

 一瞬背負っている彼の目線が合ってしまった。顔を赤くして前を向いてしまったが、こちらは心は男、外見は女、とアンバランスである。一言でいうならば気持ち悪いわ!勘弁してくれ。

 しかし、間抜けなあくびがまた出てしまった。もう限界そうだ…彼にはやっぱり申し訳ないけれども休ませてもらうことにしよう。おやすみなさい…。

魔法?そのうち出てくるよ!

なにせ起きたばかりの異界化ですからね!

4日に1回投稿予定です。面白かったらよろしくお願いします!

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