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出来たばかりの異界化生活!  作者: トマトマート
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結城再起動

 僕です。結城です。

 おはようございます。と言っても完全に日が落ちたようで窓から見えるお外は暗いですが。

 しかし、起きたら元に戻っているなんてそんな甘い物あるわけないですよね。

 判っているのだけれども、誰とも知らないスーツの人に背負われた挙句寝てしまった。なんて不用心だろうか。

ましてや僕は女に転じてしまっている。ナニが起きても文句は言えない状況であったのだ。耐えれない眠気だったからしょうがない!と、心の中で言い訳をしたところで何も意味もないだろう。

 ここはどこだろう。未だにこの場所の名前もわからないままなのだが…。

 とりあえず、現状を確認だ。ここは室内であることはわかる。正面に木目の奇麗な天井が見えるからだ。 部屋の照明は落ち着くぼんやりとしたオレンジ色で白熱灯のようだ。仰向けに寝ている状態で天井の端と端が見える。そのことから、それほど店内は広くはないようだ。

 このオレンジ色の照明の関係のせいか、大人が通う喫茶店にでも見える。

 さて、次に自身も確認することにする。自分は四角いテーブルを2つ並べた状態でその上に毛布を何重か敷いて寝かされていたようだ。どうりで寝ていても背中が痛くないわけだ。

 首が動く範囲で確認してみる限り、四角いテーブルの上に椅子が4脚逆さ積みしてある物が数組見える。 直感的に感じるものは開店前の店という感じだろう。少し先にカウンターテーブルらしきものが見える。 そして、2つの人影が視線に入る。カウンターテーブルの椅子に座っている1人はスーツの人、もう1人カウンターテーブルの奥に立っている筋肉の人が居る。誰だよこのごっつい人…。

 2人は自分から離れた場所で何かを話していたけれども遠すぎて聞こえない。たとえ聞こえたとしてもどうせ言っている事が分からないだろう。

 僕の目が覚めたことに気付いた筋肉の人がカウンターを回り込んでゆっくり近づいてきた。僕の方も寝ている状態で話すのは良くないと思い半身を起こした。

 ここまで来たら、現状が理解できないのが重なり続けてもうどうでもいいやって思い始めた。

 だけど、文字も読めない。言葉もわからない。そこはどうにかしてほしい、と、願っていました。

 不思議な事ってあるもんですね。もう何が起きても驚かない自信があります。…嘘です。


「気が付いたか男装のお嬢ちゃん。」


 ほら、筋肉の人の言葉が分かるようになっていました。あれかな?睡眠学習…。そういうことにしておこう。

 目の前にいるのは2m越えの屈強な男。ザ・筋肉って感じの。上着着てないのは筋肉がすごすぎて上着が入らないんだな、きっと。それにしても動物の毛皮のような硬質の赤髪だな、触ったら刺さりそうだ。あと立派な角がおでこから2本生えている、あれだね、鬼っぽい。鬼以外のなんでもないね、鬼だ。顔は怖いが口調が優しい。鬼といえば赤とか青とかあると思うけど、普通に肌色してるよ。健康なマッチョそうでなによりです。無駄に驚き疲れたよ。ぼけーっと筋肉観察していると。


「…?聞こえてるかい?でかいトカゲに襲われそうになったのをヨルンが助けてくれたそうじゃないか。」


 凝視されている事に気付いたのか、一瞬だけ不思議そうな顔をした筋肉の人だが凝視していたことについては大して気にしてもいない様子であった。

 僕の近くにある椅子を引いて座った。筋肉の人の体が大きいせいか一人用の椅子がとても窮屈そうだ。ひじ掛けがあったら間違いなく破壊しているであろう。

 筋肉の人の言葉は理解できる。とりあえず頷いておこう。しかし、こっちの言葉は通じるかわからない。無口系キャラを目指そうか。


「おい、ヨルン!この子言葉通じているじゃないか。お前が変な事して無視されただけじゃないのか?」


 ヨルンと呼ばれた男はスーツの男のようだ。先ほどからテーブルカウンターの椅子に座り遠目で見ている様子であったが、ばつの悪そうな顔をして右手で頬を掻きながら筋肉の人の隣の椅子に座った。確かに彼は僕の下着をみて紅潮したり、目が合って照れたりしたり思い当たる節があるようで、目線が泳いでいるようだが、あの珍事に反発するように言葉を発した。


「変な事はしていない。変なのはそっちの方だろう。怪物の目の前で半裸ってどういう神経してるんだよ」


 半眼で睨んでくるヨルンだが、こっちは無口キャラを演じるんでね!そっぽ向いておくよ。


「ぷっ、ヨルン嫌われてるんじゃねーの?半裸を見たって言ったら嫌われてもしょうがないだろうよ」


 筋肉の人は彼を指さして噴き出すように笑ったのであった。ヨルンは助けてくれたうえに、背負って安全な場所まで連れてきた恩人である。恩人を無下に扱うわけにもいくまい。

 ヨルンは腕を胸の前で組んで苦虫を潰したような顔をしている。ああ、もう言葉が通じるかわからないけどしゃべるしかないのか。やれるだけやってみるかな。


「えっと、助けてくれてありがとうございます。ヨルンさん別に嫌っているわけじゃないんですよ?…と言うか言葉通じていますか?」


 目の前の二人は首をかしげている、やはり通じていないのか…と、思いきや。


「普通にしゃべれるじゃないか」

「んん?逃げるときはよくわからない言葉だったのだが?まぁ、話ができるなら問題はないな。」


 どうやら言葉は通じているようで安心した。そして、細かいことを考えない人という点でも安心した。

 なぜこちらの言葉が使えるかを考えても無駄だと思ったので考えない。それより聞きたいことは山ほどあるのだが。二人は別の話で盛り上がっているようだ。さっそく置いてけぼりだが、しばらく会話を聞いてみよう。


「大体な、ジャイアントリザードぐらいお前張り倒せるだろ」

「あれはジャイアントリザードじゃない、地竜だ。黒炎狼を食い殺してたからな」


 ジャイアントリザード?地竜?コクエンロウ?ファンタジーな名前が出てきたな。あのワニトカゲとでかい犬の事か?話の流れ的にはあっていると思う。そんな大層な名前がついていると言う事は、この国各地に出没するメジャーなものなのか?さらに彼らの話を聞いてみよう。


「ギリアムさんよぉ。羽が無し、鱗のない茶色い体表、そして動きが遅い。その3点の特徴が地竜に当てはまる。決定打は黒炎狼の牙を物ともしていない点だな」


 ヨルンがどや顔で地竜の特徴と思われる点を挙げてゆく。ここでじっくりと彼を観察してみるとヨルンはイケメンの部類にはいるなぁ、黒髪で肌は色白、ピッチピチのリクルートスーツって点がかなり残念だが。ついでに筋肉鬼のおっさんはギリアムっていうのか。みんな日本人じゃない名前だなぁ、今更か…。


「ううむ、しかしなぁ、この『アンネルの大異変』で化物が出るようになって2カ月経だ。もっと南でなら巣があるという話を聞いているのだが。ここらで地竜が出たという情報は初耳だぞ?」


 『アンネルの大異変』ってなんだ?気になる言葉が聞こえたな。アンネル?地名か人名か?それは気になるところだが。聞き捨てならぬワードが出た。

 事が起きたの、2カ月経って…まだ事が起きたばかりじゃないか!順応しすぎだろこの人たち!神経が図太いレベルじゃない!カーボンナノチューブでできてるんじゃないのか!?


「あ、あのぅ…つかぬことをお伺いしてもよろしいですか?」


 申し訳なさそうに僕は話に割り込む形にした。気になったことは聞いておかないと後々後悔するからね。

 二人は会話を中断しこちらを向き質問を受け入れる体制になった。


「『アンネルの大異変』が起きたって仰っていましたが、具体的に何が起きたのでしょうか?」

「ハァ?なんだ?お嬢ちゃん。アンネル中心で起きたそんなことも知らないのか?つい最近起きたばかりの事なのにか?」


 どうやらこの場所はアンネルという町だか国らしいな。やっと場所がわかったよ。

 しかしまぁ、そんな『ありえない』って顔されても、来たばかりで知るわけない!って言いたい、そして日本から来たからな!っとも言いたいけど異世界であるこの世界には通用しないであろう。出来る事は演じる事。俯いてしゅんと落ち込むフリをする事だ。


「おい、ギリアム!かわいそうだろ、落ち込んじゃってるだろ。あんたの顔超怖いんだしさ。」

「顔は怖いのはしょうがないだろうが!!………あー、その、悪かった。現場から遠くに居てわかんなかったかもしれないな、俺の心遣いがなかったな。すまんかった。」


 顔が怖いというワードに反応して本当に鬼の顔になっていたのだが。目に見えてギリアムの表情が申し訳なさそうな顔になる。

 ちょろいなこの二人。心の中でほくそ笑む。追い打ちをかけようかな。


「いえ、お気になさらないでください。私が痴れ者と罵られても致し方が無いと思いますが。是非現状をご説明願えますでしょうか?」


 顔を上げ笑顔で無駄に丁寧な言葉で接する事にする。なぜそのような事をするのか?理由は簡単だ。どこぞの箱入りお嬢様という設定にしておけば怪しまれないだろう。どういう言葉で返そうか迷っている二人にが面白い。別に困っている二人の反応を楽しんでいるわけではないぞ。

 おや?ヨルンがギリアムの肩を片手でポンポンと叩いている。

 見た感じギリアムの方が年上そうだ。それを盾に体よく任せた感じだろう。

 ギリアムが溜息をつき、左手でこめかみに拳をグリグリ押し付けている。そして頭の痛そうな顔をして口を開いた。


「丁寧語ってのは苦手でな、普通に頼むわ、お嬢ちゃんよ。」


 どうやら丁寧にしゃべるのは苦手らしい、丁寧語1文で終了!!こちらとて初対面の人にいきなりため口で話せるような者でもないし、いつボロが出てもおかしくない付け焼刃な丁寧語だ。この申し出はありがたい。


「わかりました。それと僕はお嬢ちゃんではありません。ゆ…ユキ という名前があります。」


 ここが元居た場所ではないにしろ本名を使うのはどうかと思ったのでとっさに偽名を使ってしまった。

 それにしても、ユキとは我ながら安直すぎる名前だ。見た目も原型が無いほどに変異してるようだし名前から結城という人物が割り出される確率はゼロであろう。

 ヨルンとギリアムが忘れていたという顔をしていた。とんでもなく今更感を感じるのだが自己紹介を始めた。

 

「まぁ、名前は俺たちの会話で知ったかもしれないが俺がギリアム・A・マグカレンだ。」

「俺はヨルンだ。ヨルン・A・エラトネス」


 あー同じミドルネーム持ちとはね、名前の一致するところはAだけである。他が全く関係性が無さそうであることから家族ではないだろう。見た目も全然違うし。ではAというのはどこから来たのだろうか…。たぶんこれは一般常識の類であろうから質問はできない。

 自分なりに考察するにこの国では都市の頭文字をミドルネームに使うのだと思う。アンネルのAっというわけだろうか…?使い方的には『アンネル市のヨルンです」という使い方になるだろうか?推測の域を脱せれない。自分もミドルネームを言わなければいけないルールなのだろうか?と考えていたところだが、突っ込んでこない点を考えるに名前だけでも問題はなさそうだな。本題に入ろう。

 

「それで、『アンネルの大異変』とは具体的に何が起きたのです?」

 ギリアムが「どこから話そうか」とウンウン考えていると、横からヨルンが割り込んできた。


「2カ月前に、この中央大都市アンネルにある『アンネル総合大学病院』の…ユキさんが居た目の前のでかい建物だな。そこから、巨大な火柱が上がったんだ。」


  ……まてまてまてぇい、完全に自分の仕業みたいな感じに思えるのだが。頬を汗が伝っていくのを感じた。

 ここで変に動揺してしまえば怪しまれる。話の続きを聞こうじゃないか。って、あれ?話終わり?

 ヨルンの話がそこで止まって、10秒ぐらいの沈黙が訪れた。

 突然ギリアムがヨルンの片肩をガッシリと掴んだ。


「ヨルン、俺が説明をしようとしていたのだ。お前は説明が下手だろう。俺がしっかり説明してやるわ」


 ヨルンは「え?まだ説明必要なの?」と言いたそうな顔をしていたのだが、そこは完全に無視をしておこう。大都市アンネルか、はっきりとした地名が出てきた。早く地図がほしい物だ。

 そしてヨルンの肩を離し、ごほん、と咳払いしギリアムの説明が始まった。

投稿システムがよくわからなくて投稿できませんでした…。

仕事の合間合間に制作しているので、なるべく4日に1回更新を目指します。

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