表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界詐欺師のなんちゃって経営術【SS置き場】  作者: 宮地拓海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
461/535

【後日譚11話あとがき】メドラとネフェリー、新しい友情が芽生える

――陽だまり亭


ネフェリー「ヤ~シロ。私ね、獣特徴を操れるようになったの~!」

ヤシロ「メドラみたいにか!? ……じゃあ、完全な人間の姿に!?」

ネフェリー「見ててね~! コケー!(羽『バッサァー』羽毛『フッサァー!』)」

ヤシロ「完全なニワトリになっちゃった!?」

ネフェリー「コケーッ!」


――ネフェリー、羽『バッサバッサ!』


ヤシロ「……と、いう夢を見たんだ」

ネフェリー「私、そんな変なことにならないもん! も~ぅ! ぷんぷん、だよ!」

ヤシロ「怒り方がバブル期だな……」


――お客の少ない時間帯の陽だまり亭。店にはヤシロとネフェリー、メドラとオシナがいる


ヤシロ「ところで、あれって誰にでも出来るもんなのか?」

メドラ「い~や。獣特徴の操作は、普通のヤツにゃ無理だろうね」

オシナ「メドラちゃんが、昔に、物凄ぉ~く修行して会得した特技ネェ~」

ネフェリー「修行なんてしてたの?」

オシナ「メドラちゃん、ダーリンちゃんに会うまで、修行くらいしか楽しみがなかったネェ」

メドラ「オシナ、あんまり変なこと言うんじゃないよ? じゃないと、もう連れてこないからね?」

オシナ「エェ~……久しぶりのお出かけだから、オシナ的にルンルン気分なのにネェ~。おしゃべりしたいネェ~」

ヤシロ「まぁ、軽くならいいじゃねぇか。昔のメドラってのにも興味あるしな」

メドラ「ダーリンがアタシに興味をっ!? 話すよ! 生まれてからこれまでを、全部っ!」

ヤシロ「いや、そんなにはいらねぇよ!」

オシナ「メドラちゃん、狩猟ギルドのギルド長になってから、一層外の森にこもるようになっちゃったネェ。たまに帰ってきても魔獣の話しかしなかったネェ~……オシナ的には、オシャレとか美味しい物のお話したかったのにネェ~」

メドラ「あ、あの時は……必死だったんだよ。前ギルド長が偉大な方だったからね」

ヤシロ「へぇ。メドラが手放しで認めるようなヤツがいたんだな」

メドラ「女だよ! アタシが心と体を許したのはダーリンだけだからねっ!」

ヤシロ「体は許してねぇだろ!?」

メドラ「…………まだ、ね」

ヤシロ「やめろ。上目遣いでこっち見るな」

オシナ「昔はこんなこと、ぜ~ったい言わなかったネェ」

ネフェリー「男の人に興味なかったのね」

メドラ「それどころじゃなかっただけさ。最近になってようやくだよ、自分の生き方に余裕を感じられるようになったのは」

オシナ「ダーリンちゃんのおかげネェ?」

メドラ「ま、まぁ…………どうなんだろうね。ね、ダーリン?」

ヤシロ「いや、俺に聞くなよ」

ネフェリー「あ~でも。ちょっと分かるかも」

オシナ「アラアラ? ニワトリちゃんも最近になって心境の変化があったネェ?」

ネフェリー「へっ!? あ~……ま、まぁ。あ、あの、私ね。実は、お料理とか得意じゃなくてね……」

ヤシロ「タマゴ料理しか作れないんだろ」

ネフェリー「なんで知ってるの!?」

ヤシロ「いや、しょっちゅう手伝いに来てもらってるからな。見てりゃ分かる」

ネフェリー「で、でも! 今…………必死に勉強してるもん。ジネットに教わって」

ヤシロ「へぇ、そうなんだ。何か覚えた料理あるのか?」

ネフェリー「茶碗蒸し!」

ヤシロ「タマゴから離れろよ!?」

オシナ「それなら、メドラちゃんも今猛特訓中なのネェ」

メドラ「ちょっ!? バラすんじゃないよ、オシナ! 折角ダーリンを驚かせようとしてたのに!」

ヤシロ「メドラは何か料理を覚えたのか?」

メドラ「イイダコの踊り食い!」

ヤシロ「料理しろよ!?」

メドラ「クラッシュアップル!」

ヤシロ「握り潰すな! 切れ!」

オシナ「凄いネェ、ダーリンちゃん。メドラちゃんのことよく分かってるネェ」

ヤシロ「いや……なんとなく分かるだろうが、こんなもん」

メドラ「アタシは、これまで仕事のことばかり考えて、仕事のために生きてきたんだ。今更になって慌てちまってる自分が滑稽でさ……」

ネフェリー「分かる! 分かるよメドラさん! 私も、養鶏場のことばっかり考えてて、同年代の友達に『ニワトリ以外に興味ないの?』とか言われちゃって……でも、それが生き甲斐だから……」

メドラ「そうなんだよ! そこを頑張ったから今のアタシがあって!」

ネフェリー「そんな自分を必要としてくれる人に出会えて、それが幸せで!」

メドラ「あんたとは話が合うねぇ!」

ネフェリー「似た者同士なのかもね!」

メドラ「けど、あんたはまだ若い。料理だって、こ……恋、だって、あんたならまだまだ謳歌出来る。けど、アタシは……」

ネフェリー「バカッ! メドラさんのバカ!」

メドラ「え……」

ネフェリー「自分の限界を自分で決めてどうするの!? 滑稽でいいじゃない! カッコ悪くても、我武者羅でも、それでも譲れないものがあるんじゃないの!? 今までだって、ずっとそうやって生きてきたはずでしょう!?」

メドラ「あ、あんた……」

ネフェリー「何も変わってないよ。メドラさんはメドラさんのままだよ。ただ、頑張る対象が、仕事から恋に変わっただけ。ね、そうでしょ?」

メドラ「…………ぐすっ! いや、すまない! こんな歳になって、年甲斐もなく浮かれてる自分がいてさ…………自分でも分かってるんだ、こんなのは滑稽だって……でも、少しでも可愛くなりたいって思いが止められなくて……ははっ、笑っちまうよね!」

ネフェリー「ううん。ないよ。全然。そんなの、全然滑稽じゃないよ。むしろ、素敵だと思うよ、私は」

メドラ「あんた……ネフェリー、っていうんだっけ?」

ネフェリー「うん。覚えておいてくれる?」

メドラ「あぁ……アタシたちは、似た者同士、だもんね」

ネフェリー「うん。一緒に頑張ろうね。お料理も、恋も」

メドラ「あぁ!」


――メドラとネフェリー、固い握手を交わす


ネフェリー「けど、手加減はしないからね」

メドラ「当然だよ。恋は真剣勝負……命がけで恋するのが、乙女ってもんだろう?」

オシナ「アラアラ~。新しい友情が芽生えたネェ」

ヤシロ「俺には異種格闘技戦に見えるんだがな……」

オシナ「さてさて……二人の想い人さんは、一体どちらを選ぶのかネェ~? ネェ、ダーリンちゃん?」

ヤシロ「……なんでどっちか選ぶこと前提なんだよ……」

オシナ「アラアラ~ウフフ~ネェ」


――ヤシロ、にまにまするオシナから視線を外す


ネフェリー「ねぇ、ヤシロ。さっきの夢の話だけど」

ヤシロ「夢? あぁ、獣特徴のヤツか?」

ネフェリー「もし、ヤシロが覚えてほしいっていうんなら、私、頑張ってマスターするよ、その技」

メドラ「そうかい? なら、アタシが付きっきりで特訓してやってもいいよ」

ネフェリー「ホント!?」

メドラ「あぁ! 恋の戦いは、フェアじゃないと面白くないからね!」

ネフェリー「そうね! 私もそう思う!」


――再び固い固い握手を交わす二人


ヤシロ「待て、二人とも」

ネフェリー・メドラ「「え?」」

ヤシロ「あ~…………まぁ、なんつうか……今のままでいいと思うぞ」

ネフェリー・メドラ「「えっ……?」」

ヤシロ「だから、その…………お前らは、今のままでいいよ。もう、十分だから」

ネフェリー「そ、そ、それって…………ごにょごにょ(『今のお前が一番可愛いよ』ってこと!?)」

メドラ「え、えっと、つまり…………ごにょごにょ(『お前がこれ以上魅力的になっちまったら、俺、どうにかなっちまうだろ?』ってことかい!?)

ヤシロ「特訓とか、しなくていいからな」

ネフェリー「わっ、私っ! ちょっと用事思い出したからっ!」

メドラ「ア、アアァア、アタシも、ちょっと野暮用だよ! ほら、オシナ! もう帰るよ!」

オシナ「えぇ~、ちょっと待ってよネェ、メドラちゃ~ん!」


――三人、ばたばたと陽だまり亭を出ていく


ヤシロ「……特訓なんかして、完全なニワトリとフェレットになられても手に余るしな。俺、動物の扱い得意じゃないし……それにまぁ、今のままで十分だってのは、嘘じゃねぇしな。見慣れちまったんだよなぁ、もう。うんうん」


――ヤシロ、自分に言い訳をして食器を片付ける






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ