【150話後感想返信】エステラ、ヤシロに『ぎゃふん』と言わせたい
――四十二区、領主の館
エステラ「ヤシロに『ぎゃふん』と言わせたいっ!」
ナタリア「では私は、ヤシロ様に『うっふん』と言わせましょう」
エステラ「ヤシロに何をする気だい!?」
ナタリア「それはもう……『いやん』なことを……」
エステラ「領主の品位を落とすようなことはやめてくれるかな!?」
ナタリア「『そういう』領主だと思われれば落ちる心配もありませんが?」
エステラ「思われたくないんだよ、ボクは!?」
ナタリア「それで、どのようにしてぎゃふんと言わせるおつもりですか?」
エステラ「ふっふっふっ……変装をする!」
ナタリア「変態紳士に?」
エステラ「なるメリットがないよ、それ!? 街娘に身をやつして、ヤシロに近付くんだよ!」
ナタリア「そして、隙を見計らって『ザクーッ!』」
エステラ「刺さないよっ!? 恨みはないから!」
ナタリア「では『いゃ~んっ!』」
エステラ「何した!? ボクと思しきその人物はヤシロに何をしでかしたんだい!?」
ナタリア「エステラ様…………破廉恥ですっ!」
エステラ「君こそがだよっ!?」
ナタリア「しかし、変装……ですか」
エステラ「凄く可愛らしい格好をしてさ、ヤシロに近付くんだよ。ほら、ヤシロって可愛い女の子好きだろ? きっと、ボクだって気付かずにデレデレするはずなんだ。そこで種明かしをして悔しがらせてやるんだ!」
ナタリア「…………それは、どうでしょうか?」
エステラ「ん? どういうこと?」
ナタリア「ヤシロ様は可愛い女性を好んでいると……そう思っていらっしゃるのですか?」
エステラ「だって現に、ヤシロの周りには可愛い女の子が集まってるじゃないか。……最近ちょっとデレデレし過ぎなんだよ、ヤシロは。少しくらいお灸をすえてやらなきゃ分からないんだ」
ナタリア「……つまり、『もっとボクのことを見つめててくれなきゃ、嫌なんだからねっ!』……と、いうことですね?」
エステラ「ちっ、ちち、ち、ちちち、ちが……っ!」
ナタリア「乳、乳となんですか、はしたない!」
エステラ「そんなことは言ってないよ!?」
ナタリア「それで、乳がなんですか?」
エステラ「乳の話はしてないよ! とにかく、ボクをボクだと分からないくらいに可愛く、女の子っぽく変装させてほしいんだ」
ナタリア「…………かしこまりました」
エステラ「ふっふっふっ……ヤシロめ……驚くぞぉ」
――大通り。変装したエステラとナタリア。ヤシロを発見し接近する
ナタリア「(コソッと)エステラ様、ヤシロ様です。こちらには気付いていないようですね」
エステラ「よ~し。それじゃあ、ちょっと運命の出会いを演出してくるよ」
――エステラ、ヤシロのサイドから回り込み体当たりする
ヤシロ「ぅわっと!? なんだ!?」
エステラ「(可愛い声で)ぁぅう……ごめんなさいですぅ」
ヤシロ「………………」
エステラ「(可愛い声で)どこかお怪我はありませんかぁ?」
ヤシロ「頭が……」
エステラ「ぇっ!? 頭を打ったですかぁ?」
ヤシロ「ついに、頭が大変なことになったのか、エステラ?」
エステラ「なんでバレてんのっ!?」
ヤシロ「なんだ。変装のつもりだったのか?」
エステラ「どう見てもボクには見えないと思うんだけどなぁ……どうして分かったの?」
ヤシロ「あのなぁ……昨日今日の付き合いじゃないんだぞ。俺がお前を見間違うわけないだろうが」
エステラ「ヤ……ヤシロ…………そっか……ふふ……そう、なんだ」
ヤシロ「これほどのぺったん娘は、お前以外にいない!」
エステラ「そんなことないだろう!? 他にもぺったん娘な女の子くらい沢山…………誰がぺったん娘だぁ!?」
――遠くから見守るナタリア
ナタリア「エステラ様。ヤシロ様は可愛い娘が好きなのではなく、ヤシロ様が大切に思われている方たちが『たまたま』可愛いだけなのですよ。そこに気が付いていないのでしたら……先は長そうですね」
――ナタリア、そっとその場を離れる。………………そして、そのままヤシロに体当たり
ナタリア「(可愛い声で)ぁぅう……ごめんなさいですぅ」
ヤシロ「何がしたいんだ、お前らは!? これ、さっき見たわっ!」
ナタリア「(可愛い声で)ナ~ちゃんってば、おっちょこちょいさん☆ てへぺろっ☆」
エステラ「…………ボク、こんな痛いことしてたんだ……自重しよう」




