【150話後感想返信】ヤシロの『おふくろの味』
――陽だまり亭。ヤシロが店の隅で夕飯を食べている。
エステラ「ヤシロって、なんとなく貧乏くさい料理が好きだよね?」
ヤシロ「なんだよ、急に。失敬な」
エステラ「いや、いつも見てて思ったんだけど、クズ野菜の炒め物とか、川の雑魚の煮物とかの時は、すごく箸が進んでいる気がするんだけど」
ジネット「確かに、そういう料理の時は、わたしも少し多めに作るようにしています」
ヤシロ「え? そうだったのか?」
ジネット「はい。ヤシロさんが沢山食べてくださいますので。うふふ……実は、ひそかに嬉しかったりするんですよ」
ヤシロ「そんなに変わるか?」
ジネット「二人前は軽く食べちゃいますよね」
ヤシロ「そんなことないと思うけどなぁ……おかわり」
エステラ「言ってるそばから!?」
ジネット「ご飯、大盛りでいいですか? まだ食べられますよね?」
ヤシロ「おう」
エステラ「なんでこういうのが好きなんだい? ハンバーグとかの方が美味しいだろう?」
ヤシロ「人の好みにケチをつけるなよ。いいだろうが、俺が何を好きでも」
エステラ「だってさぁ……こういう料理だと、ウチでご馳走出来ないじゃないか」
ヤシロ「なんだ? ご馳走してくれる予定でもあるのか?」
エステラ「大食い大会前後のバタバタで有耶無耶になってたけど、ボクが領主として一人で立ち上がれるようになったのは、紛れもなく君のおかげだからね。どうしてもお礼がしたいって、ナタリアが張り切っているんだ」
ヤシロ「んじゃ、まぁ……なんか適当に食わせてもらおうかな」
エステラ「適当じゃなくて! 君が一番好きなものを振る舞いたいんだよ!」
ヤシロ「俺が一番好きなものって……」
マグダ「……おっぱい」(それだけ言って、すっと立ち去る)
ヤシロ「いつだ!? そのパーティーいつ開催されるんだ!?」
エステラ「食べ物での話だよ!」
ヤシロ「大丈夫! ちゃんと口に含む! 貪り食う!」
エステラ「食事でっ! 君は赤ちゃんじゃないだろう!?」
ヤシロ「そんなことないでちゅ! ちょっと育ち過ぎた赤ちゃんでしゅバブー!」
エステラ「プライドは無いのかい!?」
ヤシロ「ナタリアとエステラのおっぱい試食会のためになら、プライドも人権も人としての大切な何かも、すべてかなぐり捨ててやらぁ!」
エステラ「清々しいまでに最低だね、君は!?」
ヤシロ「なんだよ、そういう会じゃないのか?」
エステラ「そういう会を、ボクが催すと思うかい!?」
ヤシロ「んじゃあ、なんだっていいよ。レンコンでもゴボウでもサトイモでも、適当に料理してくれ」
エステラ「……ヤシロ、地味な食材が好きだよね」
ジネット「ヤシロさん、お待たせしました」
ヤシロ「おっ!? きんぴら!?」
ジネット「おかずが少なくなっていましたので、ちょっと追加してみました」
エステラ「女子力高過ぎだよ、ジネットちゃん!?」
ジネット「ふぇ!? 女子力ですか!?」
エステラ「ヤシロを食事で喜ばせたいんだけど、……ジネットちゃんを越えられる気がしない……」
ジネット「お食事は、そのひと時が楽しければ、それでいいと思いますよ」
エステラ「でも、出来るなら美味しかったって思われたいじゃないか」
ジネット「その気持ちは、よく分かりますね。でしたら、『おふくろの味』を追求するといいですよ」
エステラ「おふくろのあじ?」
ジネット「はい。ヤシロさんの好物です」
エステラ「おふくろって、お母さんのことだよね?」
ジネット「はい。お母さんの味です」
エステラ「ヤシロ…………君………………実の母親のおっぱいにまで手を……っ!?」
ヤシロ「出してるかっ!?」
エステラ「そういう会を、実家でっ!?」
ヤシロ「するか、アホー!」
エステラ「ボクたちでその味は表現出来るのかい!?」
ジネット「あの……、ヤシロさんのお母さんが作る料理の味、ですよ?」
エステラ「田舎風コロッケ~母親のおっぱいを添えて~」
ヤシロ「添えんな!? ウチはどんな一家だ!?」
エステラ「ヤシロの両親なんて、想像も出来ない!? だって、そのおっぱい好き、遺伝だろ!?」
ヤシロ「突然変異だよっ! ……………………誰が突然変異だ!?」
ジネット「あの~、お二人とも、落ち着いてください……ご飯、冷めちゃいますよ?」




